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第8章 召喚編
4 新たな観光名所
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アイザカーン国に温泉がわき出た。
即座にヴルカーンベルク国から使者が派遣され、彼らの協力の元アイザカーン国を温泉観光地として盛り上げる計画がたてられた。
王宮にほんの少し活気が満ち始めた。
眠らされていた国王は、事の一部始終を聞かされても、のんきだった。
ヨアンの処分については。
「ヨアンがいないと予も困るし、政治のこととか難しいし……」
最後の方は消え入りそうな声で情けないことを言っていたが、その一言で、ヨアンの罪は当面謹慎処分という緩すぎるもので済んだ。
ヨアンはヨアンで、アイザカーンの大干ばつ時、他国からも見捨てられ、滅びかけていこうとするこの国の力のなさを憂い、強大な力を得ようと思ってのことだったらしい。
どこでどう道を踏み誤ったのか。
悪魔召喚を行ったレギナルトについては〝灯〟もずいぶんと頭を悩ませていたらしい。
〝灯〟に属していない者を〝灯〟の規則で罰するわけにもいかず、何より彼の才能はそれこそ喉から手が出るほどだった。
そこは上層部の事情。
ヨアンが〝灯〟の意向をくみ、レギナルトを救うため、何やら悪知恵を働かせ、事件をうやむやにしたとか、なんとか。
それはそうとレギナルトとヨアンの関係だが〝灯〟から逃げだしたレギナルトはこのアイザカーンで行き倒れかけたところをヨアンに拾われたのだった。
無実の罪をきせられ、ディナガウスの〝灯〟から追われ、行く当てのないことを知ったヨアンは、彼をかくまい育ててきたという。
くそジジイに続き、おまえもアイザカーンで行き倒れかよ! とイェンは呆れながら言っていた。
晴れてアイザカーンの〝灯〟に身を置くこととなったレギナルトは、初歩から魔道を学び直すことになった。
初級組の小さな子どもたちに囲まれ、戸惑いつつも、その口元に笑みが浮かぶようになったと聞く。
彼ならすぐに、高位魔道士に昇りつめるだろう。
きっと、アイザカーンの為にその力を生かしてくれるはず。
傷を負ったイェンは、とにかく安静とハイデラちゃんに言われた。
しばらく寝ていられるぜ、と喜んでいたものの、それも二日で飽きてしまい、見舞いに行くたび文句をこぼした。
見舞いといえば、エーファがほぼ毎日訪ねにきてくれた。
あんまりにもマメに通ってくるので、回りの人たちに恋人同士なの? と聞かれたが、二人は声を揃えてそれは絶対にない、と激しく否定した。
エーファ曰く、こいつの魔術の腕は認めるが、性格は絶対に認めないと言う。
そんなイェンもすっかり有名人だ。
龍神を喚び寄せた奇跡の大魔道士として、イェンの元に各国から〝灯〟の代表者が集まり、今後の研究のために話を聞きたがっていたが。
「俺、記憶ないし」
と、イェンはてきとーにはぐらかした。
バカ、いや、元こそどろ四人組もそれぞれの道を歩き始めた。
漁師を続けると言って、のっぽは漁師の親方の元へ旅立ち、ちびはポンポコ村の実家へと帰った。
でぶは妹の待つ焼き肉店へと戻り、頭はイェンの付き人として、ヴルカーンベルクへ同行すると言い出した。
これも余談だが、ヴァシュビシュの宿から持ち出したバケツは、ヴルカーンベルクの特産物をたっぷり詰め、宿へと送り届けられた。
きっと、宿の女将は驚いたに違いない。
そして、パンプーヤの剣は、杖が壊れたと同時に、あとかたもなく形を崩し消えた。
即座にヴルカーンベルク国から使者が派遣され、彼らの協力の元アイザカーン国を温泉観光地として盛り上げる計画がたてられた。
王宮にほんの少し活気が満ち始めた。
眠らされていた国王は、事の一部始終を聞かされても、のんきだった。
ヨアンの処分については。
「ヨアンがいないと予も困るし、政治のこととか難しいし……」
最後の方は消え入りそうな声で情けないことを言っていたが、その一言で、ヨアンの罪は当面謹慎処分という緩すぎるもので済んだ。
ヨアンはヨアンで、アイザカーンの大干ばつ時、他国からも見捨てられ、滅びかけていこうとするこの国の力のなさを憂い、強大な力を得ようと思ってのことだったらしい。
どこでどう道を踏み誤ったのか。
悪魔召喚を行ったレギナルトについては〝灯〟もずいぶんと頭を悩ませていたらしい。
〝灯〟に属していない者を〝灯〟の規則で罰するわけにもいかず、何より彼の才能はそれこそ喉から手が出るほどだった。
そこは上層部の事情。
ヨアンが〝灯〟の意向をくみ、レギナルトを救うため、何やら悪知恵を働かせ、事件をうやむやにしたとか、なんとか。
それはそうとレギナルトとヨアンの関係だが〝灯〟から逃げだしたレギナルトはこのアイザカーンで行き倒れかけたところをヨアンに拾われたのだった。
無実の罪をきせられ、ディナガウスの〝灯〟から追われ、行く当てのないことを知ったヨアンは、彼をかくまい育ててきたという。
くそジジイに続き、おまえもアイザカーンで行き倒れかよ! とイェンは呆れながら言っていた。
晴れてアイザカーンの〝灯〟に身を置くこととなったレギナルトは、初歩から魔道を学び直すことになった。
初級組の小さな子どもたちに囲まれ、戸惑いつつも、その口元に笑みが浮かぶようになったと聞く。
彼ならすぐに、高位魔道士に昇りつめるだろう。
きっと、アイザカーンの為にその力を生かしてくれるはず。
傷を負ったイェンは、とにかく安静とハイデラちゃんに言われた。
しばらく寝ていられるぜ、と喜んでいたものの、それも二日で飽きてしまい、見舞いに行くたび文句をこぼした。
見舞いといえば、エーファがほぼ毎日訪ねにきてくれた。
あんまりにもマメに通ってくるので、回りの人たちに恋人同士なの? と聞かれたが、二人は声を揃えてそれは絶対にない、と激しく否定した。
エーファ曰く、こいつの魔術の腕は認めるが、性格は絶対に認めないと言う。
そんなイェンもすっかり有名人だ。
龍神を喚び寄せた奇跡の大魔道士として、イェンの元に各国から〝灯〟の代表者が集まり、今後の研究のために話を聞きたがっていたが。
「俺、記憶ないし」
と、イェンはてきとーにはぐらかした。
バカ、いや、元こそどろ四人組もそれぞれの道を歩き始めた。
漁師を続けると言って、のっぽは漁師の親方の元へ旅立ち、ちびはポンポコ村の実家へと帰った。
でぶは妹の待つ焼き肉店へと戻り、頭はイェンの付き人として、ヴルカーンベルクへ同行すると言い出した。
これも余談だが、ヴァシュビシュの宿から持ち出したバケツは、ヴルカーンベルクの特産物をたっぷり詰め、宿へと送り届けられた。
きっと、宿の女将は驚いたに違いない。
そして、パンプーヤの剣は、杖が壊れたと同時に、あとかたもなく形を崩し消えた。
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