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本編

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 私は既に学園で目立って居るようです。それなら身の安全確保に走ってしまった方が色々楽な気がします。
 生徒会は学園を成り立たせる様な仕事が多そうです。生徒会に入って居ないので分かりませんけどね。
 それに比べて風紀委員会は名の通り、風紀を乱す者が居ないか見回りと、悪口を言っている頭の働かない人の排除くらいだと思います。
 生徒会に入っても火に油を注ぐだけですがら、脅しを含め、風紀委員会に入りましょう。まさか成績が良かっただけで虐めが起き、それを防ぐためとはいえ風紀委員会に入るとは‥‥、正直、想定外です。
 そうと決まりましたら推薦状を貰いましょうか。

「風紀委員長様、私、シルビア・ホレストは、風紀委員会に入らせていただきたいです。その為に推薦状をいただきたいのですが、 よろしいですか?」

ディルは嬉しそうに「あぁ、」と返事をした。




私は無事に風紀委員会には入りました。途中で愚痴愚痴言っている者達がいましたが、無事に風紀委員に連れて行かれていました。
 私の愚痴を言う暇が有ったら、私に負けない様に勉強したらどうでしょうか?

 そして風紀委員会室に入りました。今、全員揃っているらしく、男女合計20人ほど居るみたいです。
 その内の一人の女性が話し掛けて来ました。

「お久しぶりね、シルビアちゃん。」

「あの、誰でしょうか? 初対面だったような気がします。失礼ですが、お名前の方をお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか?」

 私は初めて会ったはずの声の少し低い赤髪に黃色の瞳の女性に戸惑いました。
本当に誰ですか? 初対面ですよ? 
 それに少し声低いですね。それに身長が高くて少しゴツいです。体格的に、剣術が得意なのでしょうね。

「いやぁね、初対面じゃないわよ。 だって私の名はヴァルトス・ディクセラよ? 今はヴァルリス・ディクセラ。ヴァリスって呼んでね!」

「えぇー~⁉」

 私の幼馴染の一人で公爵家の三男です。学園で見掛け無いと思っていたら女装をしていたのですか。‥‥え?
 お、可怪しいですね。だって最後に会った時は、バリッバリの脳筋野郎 ゴホン! 剣術が大好き過ぎで筆記授業を毎回サボり、怒られても怒られても筆記授業をサボり、両親を呆れさせ、剣術、もしくは剣に適している魔法、肉類以外に興味を持たなかった、あのヴァルトスが、あのヴァルトスが、女装だなんて‼ 
 それに、メイクも食事マナーも勉強も完璧‼ 何が起こったの? 冗談? ねぇ、冗談よね? 

 私は混乱し始めました。

「冗談、だと言いたいが、冗談じゃないからな? 申し訳ないが。」

 ディルが申し訳無さそうに言いました。 考えが全て顔に出ていたようです。

「はぁーーー~~~~ !?!?!?! 何しているの? 嘘でしょう? あの脳筋野郎は一体何処に行った⁉ あれ? これは夢? そうよ、これは夢なのよ‼」

 私は混乱して、周りが見えずに完全に淑女の仮面が剥がれ、現実逃避を始めました。勿論、風紀委員の皆さんの目の前で。
 しかし、直ぐに現実に戻されました。

「残念ながらこれは現実だ。受け止めろ。 俺だって今は流石に慣れたが、初めてこの状態を見た時は、現実逃避に走って丸々一日、その場で棒立ちしていたらしいんだぞ。
 俺はその時の記憶が無く、それを一ヶ月ほど繰り返したそうだ。ちなみにこれは、じぃや情報だ。」

「は、はい。」

じぃやとは、ハルバード家に居る最高年齢の執事さんの事です。


え、ええっと、 ‥‥ハイ 分かりました。

とにかく今は、現実逃避に走って良いですか? 良いですよね?


私は情報処理出来なくて、風紀委員会室で風紀委員の皆さんの目の前で、そのまま意識を手放した。







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