ふたりの灯台ラブストーリー

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第三話 灯台に住むロマンスの神様どうもありがとうの話

§1 - 二月最終週の水曜日、午前六時。

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 遮光カーテンの隙間から朝の淡い光が漏れ、セミダブルベッドの上に降り注ぐ。

 ピピッ、ピピッ、ピピッ……。

 スマホのアラームが鳴り、目が覚める。がばっと起き上がるなり着信を確認。何もない。続いてニュースをざっとチェックして、普段はろくに見ない地元のニュースを丹念に読んだ。わいせつ教師の記事はあるが、会社員が少年を買春……という報道はない。

「ああ、良かった……」

 思わず安堵の溜息が出てしまう。そのままボフッと枕に頭を投げ出し、ぎゅっと目を瞑る。できればこのまま眠りたい。だがしかし、今日はやらねばならないことがある。

「よし。起きるぞ。急いで灯台に行かなきゃ」

 ベッドから飛び出て浴室へ向かう。昨夜は寝る前に二回もオナニーしてしまったので、出かける前にシャワーしなければ。


■  ■  ■


 熱い湯の雨を浴びながら、今日のシミュレーションを行う。

(まずは灯台の受付で、「昨日スマホ落としたんですけど」ってしらばっくれて、あの子のスマホを手に入れる。でも、灯台の近くに住んでて受付の人と顔見知りだったら嘘がバレるよな……うーん)

 あれこれ考えるうちに、少年の面影が脳裏に浮かんだ。短髪黒髪の爽やかで凛々しい顔立ちのおそらく体育会系。やや幼い表情をすることもあるが、ペニスはカリ高でぶっとくてザーメンが濃くて……ちょっと気が緩むとすぐに昨夕の出来事を思い出してしまい、自分のモノも元気を取り戻す。

(おかしいだろ?! 昨日は合計三回も出してんだぞ!!)

 それでも、このところの連続勤務と残業は過酷すぎてシコる気力もなかった訳だし、もしかしたら疲れマラかもしれないし、今はシャワー中だからまあいいか……と半ば諦め、竿を握る右手を動かした。

(朝勃ちだから仕方ないし! オレもまだ若いし!)

 またあの子に会いたいなと妄想しつつ、あっけなく果てた。
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