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第二話 灯台でうっかり死にかかったら助けてもらった話
§9 - 午後四時(その二)
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おれには兄が四人いるが、いま同居しているのは三番目のゴン兄だけだ。ゴン兄は高校時代は寮に入っていて、卒業と同時に家へ戻ってきた。その際、引っ越し荷物の大半がアダルトグッズや十八禁ゲームにエロ本、そして凄まじい数のAVだったので、ダンボールを開ける手伝いをしていたおれは驚いた。
「ゴ、ゴン兄、これは何?」
「おう皐月。好きなのがあったら借りていいぞ。ネタにしろや」
「ネタって?」
「シコるときに使わねえの?」
「シコる??」
「オナニーのことだよ。もうお前だって精通してるんだろ?」
「!!!」
その頃おれはまだ精通していなかったし、兄弟でエッチな話をするのは嫌だなあとも思った。しかしゴン兄は、
「まあ、この棚に置いとくから、いつでも持っていけ」
と、本棚にびっちりAVやゲームやエロ本を詰めながら笑顔でサムズアップした。おれが十歳の春の話だ。
その後も折りに触れゴン兄は二人だけの時に下ネタを振ったり、AVを見せてきたりしたけれど、おれは下ネタは分からないし、AVもどこが良いのか分からなかった。まだプロレスの方が面白いと思った。
中学に入ってからようやくおれも夢精したけれど、同級生がヒソヒソ話してたみたいに夢の中に裸の女の人は出てこなかった。定期的にオナニーもするが、「なんか溜まってきたからしておくか」みたいな感じで、一種の生理現象として受け止めていた。そんなわけで、誰かを好きになったこともなければ、告白されたことも無い。
高校では男女問わず恋愛やセックスの話で盛り上がっていたけど、おれは受験勉強でそれどころではなかった。だから、ムラムラするとか性欲が滾るとかいう言葉の意味も分からないし、いきなり勃起して困る経験もなかった……今日までは。
■ ■ ■
おれの目の前でびっくりした顔をしているイケメンのお兄さんの喉仏が動いた。その時、おれの脳内で何かが弾け、ギンギンに勃って痛いくらいのちんこから先走りが出てしまった。ボクサーブリーフが一気に濡れる。わっ! これ、下手したら夢精じゃないけど出ちゃうかも?!
「うぅ……あっ……す、すみませんっ!!」
「え?」
「こっ、こんなはずじゃ……」
「??」
この失態を知られるわけにはいかないと、焦るがまま身体を離そうとしたのが失敗だった。姿勢が崩れたせいで、イケメンのお兄さんの手が、おれの……勃起ちんこの……上に…………。
「ゴ、ゴン兄、これは何?」
「おう皐月。好きなのがあったら借りていいぞ。ネタにしろや」
「ネタって?」
「シコるときに使わねえの?」
「シコる??」
「オナニーのことだよ。もうお前だって精通してるんだろ?」
「!!!」
その頃おれはまだ精通していなかったし、兄弟でエッチな話をするのは嫌だなあとも思った。しかしゴン兄は、
「まあ、この棚に置いとくから、いつでも持っていけ」
と、本棚にびっちりAVやゲームやエロ本を詰めながら笑顔でサムズアップした。おれが十歳の春の話だ。
その後も折りに触れゴン兄は二人だけの時に下ネタを振ったり、AVを見せてきたりしたけれど、おれは下ネタは分からないし、AVもどこが良いのか分からなかった。まだプロレスの方が面白いと思った。
中学に入ってからようやくおれも夢精したけれど、同級生がヒソヒソ話してたみたいに夢の中に裸の女の人は出てこなかった。定期的にオナニーもするが、「なんか溜まってきたからしておくか」みたいな感じで、一種の生理現象として受け止めていた。そんなわけで、誰かを好きになったこともなければ、告白されたことも無い。
高校では男女問わず恋愛やセックスの話で盛り上がっていたけど、おれは受験勉強でそれどころではなかった。だから、ムラムラするとか性欲が滾るとかいう言葉の意味も分からないし、いきなり勃起して困る経験もなかった……今日までは。
■ ■ ■
おれの目の前でびっくりした顔をしているイケメンのお兄さんの喉仏が動いた。その時、おれの脳内で何かが弾け、ギンギンに勃って痛いくらいのちんこから先走りが出てしまった。ボクサーブリーフが一気に濡れる。わっ! これ、下手したら夢精じゃないけど出ちゃうかも?!
「うぅ……あっ……す、すみませんっ!!」
「え?」
「こっ、こんなはずじゃ……」
「??」
この失態を知られるわけにはいかないと、焦るがまま身体を離そうとしたのが失敗だった。姿勢が崩れたせいで、イケメンのお兄さんの手が、おれの……勃起ちんこの……上に…………。
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