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夏休み編

4.

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 ――出ない。

 やっとキィちゃんの指から解放されたと言うのに、ぼくのちんぽはびくびくしているばかりで、いっこうに噴射する気配がない。

 ちんぽの奥のほうがどくどくと脈打っていた。
 尻孔はぼくの意思とは関係なく、ひくひくと収縮を繰り返してる。

「は……あっ、くるしぃよぉ、はぁはっ」
「んっ、カズのケツマン、すっげー、びくびくしてる」
「きゃんっ!」

 キィちゃんに突き上げられても、ぼくの全身はびくびくするばかり。

「く、ぅっ、出すぞッ!」

 ほどなくして、中への圧迫感が薄れたので、キィちゃんはイったんだろう。
 ゴムしてるから、出されたっていう実感がないな。

「ひぅ……っ」

 キィちゃんがぼくの中から、ずるりとちんぽを引き抜いた。
 排泄感に腰のあたりがぞわぞわする。

「うーん、まだ出ねーな?」
「ぼくのちんぽ、まさかこわれた?」
「んなわけねーだろ」

 でも、実際ぼくのちんぽはいまだに沈黙している。

 ――ううう、出ろ出ろ出ろ……。

 ぼくは、ぼくの精子が精道を通って、上って来るイメージをした。
 イメトレって大事だよ!

 だからと言って、出るものでもないんだけど。

「……ああッ、来るっ!!」  
 
 長いこと待っていた射精感に、ぼくの胸は震えた。

「あ――っ!!」

 ぶしゅるうううううっ!!

 最初、イくのを何回も我慢させられたから、ちんぽが爆発したのかと思った。
 そのくらいの勢いだった。

 尿道口からびゅーびゅーと射出される精子。

「はぅうう!!」

 ぼくはめまいがするような絶頂感を味わう。

 けれども――、

「ひっ、ひっ、な、にこれぇ……ッ!?」

 いつもならすぐに止まるのに、ぼくのちんぽは壊れた蛇口のようにいつまでも精子を吐き続けている。

「やああっ! キィちゃん、どうしよおっ。ぼくのちんぽ、こわれちゃったよぉっ!」
「んなかんたんに壊れねーよ。タンクが空になれば、自然と止まんだろ」
「だ、だって、びゅーびゅーって、とまんなぃっ!! やあっ、恐いよおぅ!!」
「落ち着けっつーの」

 キィちゃんにシャツにしがみついても、めずらしく突っぱねられなかった。

「へえ、射精止めちまうと、こんなになるんだな」

 ぼくのちんぽにティッシュを重ねながら、のんびりと感心される。

「ぼくで実験しないで!」
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