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夏休み編
相手はダレだ?・・・
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キィちゃんからもらった大人のオモチャには『ディルド』という名前が付いていた。
ちんぽにそっくりなソレに最初はびっくりしたけど、通常は女のコが自身をなぐさめるために使うオナニーグッズなのだそうだ。
しかし、男性でも使用可とあった。
つまり、ぼくとおなじく尻孔にこのオモチャを突っ込んで、あんあん楽しむアナニストが、少なからずいるということなのだ。
尻孔で感じてしまうのは、ぼくだけじゃない――そう思うと、なんとなく心強いものを感じてしまう。
――はっきり言おう。
ぼくは、このディルドくんを愛してしまった。
ディルドくんは文句も言わず、毎日毎日、ぼくの望むぶんだけの快楽を与えてくれる。
もうそこに愛はなくてもかまわない。
ディルドくんさえいれば、ぼくはかんたんにシアワセになれるのだから――。
てゆかさ、なんでキィちゃんはこんな物を持ってたんだろ?
「和伊ー! 起きてるなら、ちょっとお願いー!」
「はーい!」
ぼくはディルドくんを尻孔から引き抜くと、ベッドから降りた。
Tシャツとカーゴパンツに着替え、キッチンに入ると、母さんが重箱におかずを詰めていたところだった。
「おはよ、母さん」
「おそよう、でしょ。夏休みだからって、だれすぎよ?」
母さんがめっ! と言って、人差し指でぼくのおでこをつっついた。
「明日から気を付ける。ところでそれ、どうしたの?」
「貴仁くんに持っていってあげてほしいの」
「あれ? 林さん、今日はお休み?」
「夕べ、瑞恵さんから連絡があってね。林さん、今日明日と法事で実家に帰るんですって」
「そうなんだ」
瑞恵さんとはキィちゃんママのことで、林さんとは定年間近の女性で、久遠家の家政婦さんだ。
物心つく前からすでに林さんは久遠家にいて、ぼくもずいぶんとお世話になったものだ。
「はい、出来た」
ぼくは重箱をあずかって、おとなりの久遠家へと出かけた。
林さんがいないので、チャイムを鳴らしてもだれも出てこない。
居留守なのはわかっているんだぞ、うりゃあ!!
チャイムを三三七拍子で鳴らすと、うるせー!! と青筋立てたキィちゃんが玄関に姿を現した。
「ええっ、キィちゃん!?」
「やっぱりカズか。ピンポンピンポンうるせーんだよ」
ぼくはビックリしすぎて言葉が出なかった。
ちんぽにそっくりなソレに最初はびっくりしたけど、通常は女のコが自身をなぐさめるために使うオナニーグッズなのだそうだ。
しかし、男性でも使用可とあった。
つまり、ぼくとおなじく尻孔にこのオモチャを突っ込んで、あんあん楽しむアナニストが、少なからずいるということなのだ。
尻孔で感じてしまうのは、ぼくだけじゃない――そう思うと、なんとなく心強いものを感じてしまう。
――はっきり言おう。
ぼくは、このディルドくんを愛してしまった。
ディルドくんは文句も言わず、毎日毎日、ぼくの望むぶんだけの快楽を与えてくれる。
もうそこに愛はなくてもかまわない。
ディルドくんさえいれば、ぼくはかんたんにシアワセになれるのだから――。
てゆかさ、なんでキィちゃんはこんな物を持ってたんだろ?
「和伊ー! 起きてるなら、ちょっとお願いー!」
「はーい!」
ぼくはディルドくんを尻孔から引き抜くと、ベッドから降りた。
Tシャツとカーゴパンツに着替え、キッチンに入ると、母さんが重箱におかずを詰めていたところだった。
「おはよ、母さん」
「おそよう、でしょ。夏休みだからって、だれすぎよ?」
母さんがめっ! と言って、人差し指でぼくのおでこをつっついた。
「明日から気を付ける。ところでそれ、どうしたの?」
「貴仁くんに持っていってあげてほしいの」
「あれ? 林さん、今日はお休み?」
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「ええっ、キィちゃん!?」
「やっぱりカズか。ピンポンピンポンうるせーんだよ」
ぼくはビックリしすぎて言葉が出なかった。
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