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マシュマロ系令嬢と婚約者

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「マリアベルが婚約者になったときから、ずっとこうしたかった」
「シモン様……どうしてそんなにわたしなどを……」

 マリアベルに婚約者の顔が近づいてくる。
 近すぎて焦点がぼやけてしまった瞳を閉じると、唇に柔らかいものが触れた。

 啄ばむように何度も口づけをされ、下唇をかるく食まれた。
 くすぐったさに笑い声をあげると、厚ぼったい舌がマリアベルの咥内へと入ってきた。

「んぅ、ふ……っ」

 息苦しくて思わず鼻で息を吐くと、汗で湿ったおでこをよく出来ました、とでも言うようにやさしく撫でられた。

「シモン様……」

 じわりと、ふたたび股の間が濡れた。

 確かめようと慌てて手を下ろすと、マリアベルと婚約者との間にあるなにかかたいものに触れた。
 婚約者がマリアベルの上でうっと呻き声をあげる。

 首をかしげながら、かたいものをさすさすと擦ると、婚約者が苦悶の表情で全身をぶるぶると震わせ始めた。

「くっ、うっ、マリアベルっ、やめっ!」
「えっ、シモン様、苦しいのですか!?」

 ぱっとかたいものから手を離せば、はあーっと深いため息が婚約者からもれた。

「シモン様、わたしに出来ることがあれば、なんでも言ってください」
「それなら、これに触れてくれないか?」

 マリアベルの上で膝立ちした婚約者が、ズボンの前をくつろげた。

「きゃあっ!」

 下着を下ろしたとたん、びょんと飛び出してきたのは、男性の象徴だった。
 赤黒く変色し、ぱくぱくしている先っぽからは汁が垂れている。

 マリアベルは身体を起こして、ふわあ、と婚約者の中心をまじまじと見つめる。

「あの、お小水ではないですよね?」
「男の陰茎は性的興奮をすると、こうなるんだ」
「そうなのですか。では、触れればいいんですね?」
「ああ」

 そっと手で握る。
 かたくて熱くてびくびくして、なんだかまるで生き物のようだ。

 普段は美しいおすまし顔の下で、こんなとんでもないものをその身に隠していたのだ。

 リリーティアが言っていた、熱くたぎるものとはこれのことだったのだろう。
 だとしたら、婚約者としては容認出来るものではない。

 これは、婚約者であるマリアベルが鎮めるべきものだ。

 鎮まりたまえーと念じながら、ふっくらした手のひらで上下に擦ってあげれば、婚約者の息が次第に荒くなってくる。

「シモン様、苦しいのですか!?」
「自分で慰めるのとは違うから、どうしていいのかわからない」
「気をまぎらわせるといいと思うのですが……あ、わたしのおっぱいでも揉んでます?」

 首をかしげたとたん、生臭いものがマリアベルの顔を汚した。
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