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番外編 初めての

01-12 初めてへの道のりは思ったより遠い

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動きを止めて深呼吸していると、ギゼルが片手で俺のお尻を掴んでくる。

「っん…っああぁ!」

なっ!?

いきなりお尻の穴に指を挿れられたせいで、驚いて指を締め付ければ、何故かすごく気持ち良くてイってしまった。訳が分からないままギゼルに抱きついて、体を震わせることしかできない。カクカクと腰を震わせて精液を出し切ると、なんとか堪えていた足から力が抜けていく。

「わりい、挿入っちまうとは思わなかった。ちょっと慣らしがてら触ろうと思ったんだが」

「あっ、ぁぅうっ」

挿入ったままだったギゼルの指がさらにずぶずぶとお尻の中に入ってきて、気持ちいい所を擦るせいで一息つくこともできない。なんとか気持ち良さから逃げたくて腰を浮かそうとするけど、足には力が入らず、結局ギゼルの指を締め付けるだけに終わってしまった。余計に気持ちよくて馬鹿みたいだ。

「ぎぜるっ、指抜いて」

イったにもかかわらず、また体を震わせ始めた俺に気づいたのか、慌てて指を抜いてくれる。ようやく息をつくことができた。俺、扱かれてというより、お尻の穴でイった…? 自分で弄ってたときは勿論、試練で弄ってもらってたときもこんなじゃなかったのに。

「っはぁ…」

「…どうした?かなり余裕はありそうだと思ったが、痛かったか?」

ギゼルは指を挿れようとはしてなかったよな。ちょっと周りをゆっくり解すつもりで触って、先走りでヌルついてたとはいえ指が入るとは思ってなかったはず。でも、予想以上に解れていたせいで一気に指まで挿入った。多分だけど、今はギゼルの指2本ぐらいすんなり入っちゃうんだろうな、この感じだと。

心配そうに聞かれて、ちょっと返答に困る。

俺が慣らしているところを見てたなら、まさかお尻の穴で気持ちよくなれてるとは思わないよな。というか、俺自身が信じられないし…。

「あの、お尻の穴は綺麗にしてから触ってほしいから…」

「俺は気にならないが、お前は気にするよな……悪かった」

いや、俺もこっちに来て以来お尻の穴から出ることが無いので、そこまで心配はしてないんだけど…。ついさっきのことを説明しづらくて話をそらしてしまったせいで、ギゼルがちょっとしょんぼりしてしまった。悲しませたいわけでも、心配させたいわけでもないんだから、ちゃんと話さないといけないよな。

「いや、えーっと…クリーンもすぐできるし、その、中を濡らすのも魔法でできるから……本当に言いたいことは違くて」

「あー、あれな、めちゃくちゃエロかった」

俺がしていたことを思い出しているのかしみじみと頷かれてしまった。1人でしていた時のことは、もう思い出さないで欲しい!黒歴史すぎて恥ずかしくなる。

「もう、それは忘れて…とにかく、その、さっき抜いて欲しがったのは…気持ち良かったから、です」

「イったからだよな?ちょっとキツイだろうとは思ったが、そういう快感が残っている状態で慣らしたほうがマシかと思ってな…続けようとして悪かった」

改めて頭を下げさせてしまった。違う、違うんだよ、そうじゃない!

「ちがくて!お尻の穴が気持ち良いから、抜いて欲しかったんだ」

ううう………なんか思った以上の声が出て、部屋に声が響き渡ってしまった。

自分の顔を覆って下を向くけど、衝動を誤魔化すことはできなくて、先走りや精液で汚れた体にクリーンをかけてみる。それでも恥ずかしくて居たたまれない。なんか、こういう時に安全に使える魔法、教えてもらおうかな!?

「中で気持ちよくなれるようになったのか?」

ギゼルはどこか茫然とした様子で、素直に質問してくる。

「…うん。なんか、気持ち良かった…」

まあ、試練で解してもらってた時も最後の方はちょっと気持ち良かったけど、それとは違う、直接的って言うか、ちんこ触られるのと同じくらい気持ちかった気がする。何なんだあそこは…ついさっき、自分で触ってた時は全然分からなかったのに。

「それなら良いけどよ」

「うん」

そう言いながらギゼルが穏やかに笑いかけてくる。蒸し返すことはしないけど、つい誤魔化して、心配かけちゃってごめん。

「あの中を濡らすやつ、みてえ」

俺が心の中で謝っていると、優しい笑顔はどこへやら、ニヤニヤしながらギゼルが言ってきた。

「っ……」

「ダメか?」

肯定も否定もできないでいると、顔を寄せながら甘えるように言われてしまって…これを断るなんて俺には無理だ。

「…いいよ」

羞恥心で顔が爆発しないか心配しつつ、そのままお尻の穴に指を持っていこうとして、止められる。

「四つん這いになって、な?」

わざわざ指定されるとは思わなかったけど、この後…セックスするなら、必要な体勢かもしれない。

膝の上からベッドに下ろされて、優しくも強制する響きがある言葉に逆らえず、中途半端に着ていたズボンと下着、靴下を脱いで、ゆっくりと四つん這いになる。

「ん……っはぁ」

ギゼルが、こんな体勢の俺を見ているってだけで息が荒くなってしまう。ゆっくりとお尻の穴からお腹を綺麗にするイメージでクリーンをかけて、潤滑液を生みだし指先に絡めながら、そのままずぶずぶと指を入れていく。

……ギゼルの指、もっと太かったよな。

「ぁっ……はぁ」

さっきの感触を思い出してぎゅうっとお尻の穴に力が入ってしまう。このままじゃ潤滑液がちゃんと入らないかもしれない…。深呼吸をしながらなんとか力をゆるめて、指先から潤滑液を出すようにイメージする。

俺が興奮しているせいか潤滑液がいっぱい出してしまったみたいで、ちょっと苦しくなって慌てて指を引き抜けば潤滑液が零れて肌を伝うのが分かる…どうしよう。

一度クリーンをかけて仕切り直すべきか悩んでいると、お尻のすぐ側まで来ていたのか、ギゼルに尻たぶを広げるように掴まれる。またぎゅっとお尻の穴に力が入って、せっかく入れた潤滑液も全部零れてしまったかもしれない。

「ぎぜるっ」

抗議するように振り返れば、お尻の穴をジッと見ているギゼルがいた。

お尻の側にはガチガチに勃っているギゼルのちんこも見える。

あ…俺、ついにギゼルとセックスしちゃうんだ。

頭では分かっていたはずなのに、ちゃんと分かってなかった。ギゼルとのセックスを想像したせいで、お尻の穴が早く入れてほしいと疼き始めて腰がうねってしまう。指じゃなくて、ちゃんとギゼルのちんこを挿れてほしいって、俺の体は待ちきれないみたいだ。

「っはぁ……ンん…ぁあっ」

荒い呼吸のまま必死に待っていると、ずぶりとお尻の穴に入ってくる。気持ち良くて、締め付けてしまうけど、多分、これはちんこじゃない…。尻たぶを揉まれながら、ずぶずぶと出し入れされてるから、親指、だと思う。

さっきの気持ちい場所には当たっていないけど、それでも十分気持ちがいい。あの1人で弄っていたときに気持ちよくなれなかったのが不思議なほど。

気持ちいい所に当たってほしくて腰を動かすけど、親指じゃ長さが足りないのか掠りもしない。もどかしくてギゼルに向かってお尻を突き出してしまうけど、それでもやっぱり当たらない。気持ちいいのに、物足りなくてツラい。

「ぁっ…んっ……ンっ」

もう1本、多分反対の親指を挿れられて、そのままお尻の穴を左右に広げてくる。……もしかして、お尻の中、見られてる?気持ち良すぎて、手をついて体勢を維持するのがやっと……そのせいで、後ろを振り返る余裕がない。

でも、お尻の穴はかなり広がっていると思うし、もう挿れてくれる?

「ぎぜる?」

つい期待するような声でギゼルを呼んでしまう。

「アキラ、ここにもう一回潤滑液出せるか?」

うぅ……こっちは色々必死なんですけどっ!

でも、早く挿れてほしいから、そのためなら何でもできる気がする。片手では体勢を維持できなくて頽れてしまったけど、もう仕方ない。
必死に後ろに手を回して、ギゼルが広げている隙間に指を挿れて潤滑液を出す。

「っふぅぅ……はぁっ」

クリーンと違って使い慣れてないせいで、もうどんどん制御が下手になっている。興奮しすぎてコントロールができない。お尻の穴から入りきらなかった潤滑液がとぷとぷとたくさん溢れ出して、やっと止めることができた。指を抜き顔のそばに手を戻せば多少呼吸がしやすくなる。

俺は足すら体勢を維持できなくなって、ギゼルがお尻を掴んでいなければ寝そべっていたかもしれない。

ギゼルは潤滑液をふちに塗り込むように指を動かしているけど、もうそれすら気持ちよくて……中に挿れてもらったら、きっと、もっともっと気持ちがいいんだろうし、さっきの気持ちいいところにだって、ギゼルのちんこなら絶対に当たるはずなんだ。

…そう考えてしまったら、ダメだった。お尻の疼きがさらに酷くなる。奥の方、ギゼルにすら触ってもらったことがない所まで疼いて苦しい。

「ぎぜる…はァッ…もう大丈夫だから」

もう、早く挿れて欲しいっ。

大丈夫だって言ってるのに、ギゼルはお尻の穴をずりずりと、何なら揉みこむように指を動かしたままだ。それも気持ちいい、気持ちいいんだけどさぁ。

というか……俺の頭が馬鹿になってるせいかと思ったけど、なんかギゼル、またキラキラしてないか。……気のせいじゃない…キラキラしてる。

「ばかっ、何でまたキラキラさせてるんだ!…もう、中に挿れてくれよぉ」

もう、ギゼルが嫌だって言ってもちんこを掴んで挿れてやる…!そう思うのに、体が疼いていうことを聞いてくれないせいで、起き上がる事すらままならない。

くそぉ、せめてギゼルが手を止めてくれないと俺に勝ち目が……

「あ゛ー…わりいな」

今までのはなんだったのか、ギゼルは謝りながら親指を引き抜いて、なんの遠慮もなくズブリとちんこを挿れてきた。

「んぁっ、あ゛あ゛ゔ」

っぅあぁ、やっと挿れてくれた。苦しいけど、すごく気持ちがいい。

今までにない程メリメリと広げられてちょっと苦しいんだけど、あの気持ちいい所もギゼルのちんこに押しつぶされて、それだけで苦しさなんて気にならないぐらい、めちゃくちゃ気持ちいい。

「ぁぅっ……はぁっ……はぁン」

俺はそのまま少しの間、ベッドに頬をくっつけてただ喘いでいた。

気持ち良すぎて加減もきずにぎゅうぎゅうと締め付けてるけど、これ、ギゼルは痛いんじゃないか…?

「ふー…ンン…はぁっ……ふっ…んっ……くぅぅ」

ダメだぁ……気持ちいい。

なんとか深呼吸をして緩めようとしたけど、一瞬は緩められてもすぐにぎゅっと締め付けて、むしろ俺が気持ちいいだけの結果になってしまった。

まだ全部挿入っていないはずなのに、ギゼルはあれから全然動こうとしないし…。

「くぅンッ…ふー…はぁっ…ンっん……ふぅっ」

「アキラ、大丈夫か?」

気持ちくて、ダメかもしれない。 ギゼルが心配そうに聞いてくるけど、もう苦しさなんて全然ないし、呼吸するだけで気持ちよくてたまらない。

「っはぁ…ぅっく…きもちくて…っんはぁ…おかしくなりそ」

「はぁ…そうか。…心配なさそうだ、な」

ギゼルはそう言いながら俺の腰を引き寄せて、ずぶずぶと穴にちんこを挿れていく。

中だけでもすごい気持ちいいのに、後ろに引きずられたせいで乳首がベッドと擦れて声がでる。

「ぅああアぁっ…」

やっばぁい、さっきイったばっかなのに出ちゃいそうだ。どんなに締め付けても、押し広げるように挿入ってくるのがたまらなく気持ちいい。

「ぁっ…あはぁっ…ぎぜるぅ…うごいて」

ギゼルの顔は見れないけど、魔力がキラキラしているのは分かったので、早く動いてほしくて、交差した腕に顔を埋めながらも必死に声をだす。

「くっそ…分かってるっつうの」

「ぁあっあっ…いっ…きもちいぃ」

ギゼルに腰を掴まれて無遠慮に動かされるのが最高に気持ちいい。



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