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第八部 四章「狂気の刃」
「落ちた翼」
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下層にてイロハは自分と同じく魔女に連れてこられた少女、ナナとルルに再会。そして、互いが魔女に託された魔武器を向け合う。
戦いの合図など誰が決めるものではない。先に誰かが動いた時に始まる。
最初に動いたのはナナとルルだ。
大きな鋏の刃を片手で握り、刃先で床を削りながら火花を散らし、左右に分かれて駆け出す。
「「キャハハハハハッ!!」」
甲高い不気味な笑い声と、殺気にまみれた狂気の目が急激に迫る。
同時にイロハは迫り切る前に魔銃の引き金を引き、複数の銃弾を放つ。
曲線を描き、広がるそれらは二人に目掛け集まる様に狙う。
……が。直撃間際で二人は刃を振るい、銃弾を一気に全て弾き掻き消す。
「……っ!?」
簡単に防がれた事にも驚きだが、銃弾を刃で受け止め、その身の軽さで反動にすら微動だにしない事が一番の驚きだ。
時間稼ぎにもなれず、二人は既にイロハの左右にまで迫っている。
近づかれた事に焦りつつ、イロハは惜しみなく翼を広げ上空にへと一気に飛ぶ。
足先すれすれに、双子の刃がガチン! と噛み合う。
「「……あら~?」」
目を丸くさせたナナとルル。
不思議と首を傾ける姿すら鏡合わせの如く。
キョトンとしつつ、すぐに真上にへと向くと、間一髪でかわしたイロハが早くも冷や汗を流しながら心拍数を上げていた。
『魔武器所有者というのはわかっていたが、見た目によらず力が凄まじいようだな。こちらは不死。あちらはどう変化しているか……』
魔女から魔武器を授かった者。クロトとイロハは同じく不死身にへと体質変化を得ている。
なら、目の前の以上の少女たちも不死身の可能性は有り得た。
「ボクは教えてもらってないな……。あの二人は嫌いだから、近づきたくなかったし。何の悪魔がいるのかも……」
一番欲しい情報がない。
体質の変化がわかれば幾つかの対応はできる。
悪魔がなんなのかわかれば力の付与の正体にも近づける。
イロハを責めるわけではないが、いわば敵は正体不明の異常者。
わかるのは鋏の形状をした魔武器を扱う、少女の姿をした小さなモンスターだ。
だが、わからなくとも戦うと決めたからには相手に銃口を向けないわけにはいかない。
銃を構え、再び銃弾を放つ。
ナナとルルは噛み合わせたままの刃を弾く様にお互い離れ、淡々とパンプスを弾ませながら避ける。
現状、イロハは優位にあった。
この場が例え屋内だとしても、回廊一つで空間は広くある。天井も高いため、どれだけ鋭利な刃物を有したとしても届かなければ意味がない。一度に複数放つことのでき、手数もこちらが上。残るは体力勝負になる。
……そのはずなのだが、それでも有利とは思えない。
淡々と避けていた二人が、不満げに頬を膨らませ始める。
「も~、イロハお兄様ずるいぃ~」
「も~、イロハお兄様酷いぃ~」
この状況で、まるで自分が二人を虐めているかのような発言にはイロハも不服でしかない。
返答はせず、動きを封じようと撃ち続ける。
そして、二人は途端に口角を吊り上げ、不気味な笑みを浮かべた。
「イロハお兄様がそうするなら~」
二人は通路の壁にへと刃を突き刺し、
「こっちだって~!」
同時に振り払う様に引き抜く。
水晶でできた壁は、二人の引く力によって形を変えた。
壁は突き出て地形を変えて、天井に届くほどの足場を形成していく。
まるで、彼女たちの望む形の様にだ。
此処は魔女の作り出した神殿。なら、この場は魔女の魔力が蔓延る彼女の城。魔女が望めばその形状すら容易く変えられるだろう。
その権限を二人に許されているとすれば……。あの魔女ならやりかねないとすらフレズベルグは考えた。
足場は階段の様にイロハのいる上空にまで伸び、二人はそれを一気に駆け上がる。
「いけないんだ~。魔女様を裏切って」
「いけないんだ~。魔女様を悲しませて」
それは魔女にイロハが見放されていると、当てつけられているかの如くだ。
自分が間違っていると言われている。
だが、これが間違いであったとしても肯定し証明してくれる者もいる。今イロハは、その者のためて此処にいる。
一瞬躊躇った。すぐそばまで二人が迫った時、指は強く引き金を引き、そして唱える。
「――【潰せ! フレズベルグ!!】」
ナナとルル。二人の視界を遮る様に、巨鳥の足が覆いかぶさる。
押し潰す様に暗転していく視界。光を遮るほど。光が完全に閉ざされた時、幼い少女二人などその巨鳥によって簡単に潰されることだろう。
例え二人をこの場で殺してしまったとしても……。
その時、一寸の煌めきがイロハの視界に映る。
目を見開いたのは、虚を突かれた事が理由だったのだろう。
握り潰されるはずだった二人。その二人が、手にしている魔武器で、巨鳥の足を真っ二つに切り裂いた。
『くっ……!』
同時に、フレズベルグの手が血しぶきをあげ引き裂かれる。
痛みはなくとも、その手を引き、無残に切り捨てられた足はあっけなく掻き消えてしまう。
『――イロハ!!』
呆気に取られてしまったイロハを呼ぶ。
それに気付いた時には、ナナとルルが目の前にまで来ていた。
「――!!?」
「「――その翼。くださいな!」」
強請る様に。欲するままに。二人の刃が同時に振り払われ、黒翼をイロハから切断した。
翼を失った鳥の末路。イロハは地にへと落下し、その身を飛び上がった分打ち付けた。
痛みがあれば、痛いだけでは済まなかっただろう。不死でなければ死んでいただろう。
「……っ」
思考が追いつくまでには時間がかかった。
自分は翼を切り落とされ、落ちたのだと理解した途端、おぞましいほどの恐怖に身が震えた。
イロハにとって翼はもはや一心同体。そして、自分の自由の根源だった。
切り落とされた翼は今、これでもかと楽しそうに笑う双子の手にある。
「綺麗な翼~」
「素敵な翼~」
奪い取った者を抱きかかえ、さぞご満悦な事だろう。
だが、それでとどまる程度なら、最初っから恐れなどしなかった。
更に二人の欲に満ちた目がイロハを捉える。
「もっともっとくださいな」
「イロハお兄様をくださいな」
それぞれ片腕に翼を抱え、刃を地に擦らせながらじりじりとにじり寄ってくる。
飛ぶこともできず、狂気に当てられ足が思う様に動かず、へたり込んだまま恐れおののく。
こちらの恐怖など二人が汲み取る事など一切ない。
その思考は欲のままでしかなく、己が欲のためにしかない。
少女たちは人に備わった様々な部位を口ずさむ。四肢も臓器も、そのすべてが欲しいと。
「……や、だぁ。……だって、ボクがやらなきゃ。…………このままじゃっ」
動かなければならない。進まなければならない。
そうしなければ、自分を肯定してくれた者までも裏切ってしまう。
自分に言い聞かせるも、体が狂気に圧倒されいうことをきかない。
せっかく自分で決めれた、自分の思いのままに進めた道だというのに、その先が閉ざされていく。
どうしようもない状況に泣き言が脳裏をよぎる。
――やだよぉ……っ。先輩……、姫ちゃん……。
既に二人は目の前。高く上げられた刃は、正に罪人に落とされるギロチンかの如き。
これは罰なのだろうか。魔女を裏切ってしまった……。
『――イロハ!』
「「もっとくださいなっ。――イロハお兄様ぁ!!」」
刃が落ちようと、微かに傾く。
イロハは振り下ろされる刃から目を背けるように、目を塞ぎ身を強張らせる。
――助けて……よぉっ。誰かぁ……。先輩、姫ちゃん……っ。…………お姉さんっ。
終わった。そうとすら思えた。
自分ではなにもできなかったと。成し得なかったと。絶望の淵に落ちそうになった。
だが、そうはならなかった。
視界を塞いだ後に、最初にイロハを襲ったのは少女の甲高い、短とした悲鳴だ。
その瞬間、当てられていた狂気が少し遠のいていく。
「……? …………ナナぁ?」
ルルが、不思議と隣を見る。
傍らにいたはずのナナが、いつの間にか姿を消していた。
いなくなった片割れを探す間もなく、ルルまでもがイロハの前から同じ悲鳴をあげて消える。
正確には、何かによって吹き飛ばされた。
その様を寸で目を開けて見てしまったイロハ。
視界には、わずかに細かな稲光が…………。
そして、自分の目の前には狂気の双子ではなく、見慣れてしまった後姿があった。
「…………お姉……さん?」
黒い髪をなびかせ、紫電を纏わせる。いるはずもないはずの人物。
――ネアが、イロハの目の前にいた。
イロハは不思議と首を傾ける。何故この場にネアがいるのか。何故嫌いな自分を助けたのか。疑問に思う事が多々でうまく言葉に表せない。
だが、ネアはイロハの疑問を一目で見抜き、そして言う。
至極当然の様で。
「だから、言ったでしょ? ――助ける、って」
戦いの合図など誰が決めるものではない。先に誰かが動いた時に始まる。
最初に動いたのはナナとルルだ。
大きな鋏の刃を片手で握り、刃先で床を削りながら火花を散らし、左右に分かれて駆け出す。
「「キャハハハハハッ!!」」
甲高い不気味な笑い声と、殺気にまみれた狂気の目が急激に迫る。
同時にイロハは迫り切る前に魔銃の引き金を引き、複数の銃弾を放つ。
曲線を描き、広がるそれらは二人に目掛け集まる様に狙う。
……が。直撃間際で二人は刃を振るい、銃弾を一気に全て弾き掻き消す。
「……っ!?」
簡単に防がれた事にも驚きだが、銃弾を刃で受け止め、その身の軽さで反動にすら微動だにしない事が一番の驚きだ。
時間稼ぎにもなれず、二人は既にイロハの左右にまで迫っている。
近づかれた事に焦りつつ、イロハは惜しみなく翼を広げ上空にへと一気に飛ぶ。
足先すれすれに、双子の刃がガチン! と噛み合う。
「「……あら~?」」
目を丸くさせたナナとルル。
不思議と首を傾ける姿すら鏡合わせの如く。
キョトンとしつつ、すぐに真上にへと向くと、間一髪でかわしたイロハが早くも冷や汗を流しながら心拍数を上げていた。
『魔武器所有者というのはわかっていたが、見た目によらず力が凄まじいようだな。こちらは不死。あちらはどう変化しているか……』
魔女から魔武器を授かった者。クロトとイロハは同じく不死身にへと体質変化を得ている。
なら、目の前の以上の少女たちも不死身の可能性は有り得た。
「ボクは教えてもらってないな……。あの二人は嫌いだから、近づきたくなかったし。何の悪魔がいるのかも……」
一番欲しい情報がない。
体質の変化がわかれば幾つかの対応はできる。
悪魔がなんなのかわかれば力の付与の正体にも近づける。
イロハを責めるわけではないが、いわば敵は正体不明の異常者。
わかるのは鋏の形状をした魔武器を扱う、少女の姿をした小さなモンスターだ。
だが、わからなくとも戦うと決めたからには相手に銃口を向けないわけにはいかない。
銃を構え、再び銃弾を放つ。
ナナとルルは噛み合わせたままの刃を弾く様にお互い離れ、淡々とパンプスを弾ませながら避ける。
現状、イロハは優位にあった。
この場が例え屋内だとしても、回廊一つで空間は広くある。天井も高いため、どれだけ鋭利な刃物を有したとしても届かなければ意味がない。一度に複数放つことのでき、手数もこちらが上。残るは体力勝負になる。
……そのはずなのだが、それでも有利とは思えない。
淡々と避けていた二人が、不満げに頬を膨らませ始める。
「も~、イロハお兄様ずるいぃ~」
「も~、イロハお兄様酷いぃ~」
この状況で、まるで自分が二人を虐めているかのような発言にはイロハも不服でしかない。
返答はせず、動きを封じようと撃ち続ける。
そして、二人は途端に口角を吊り上げ、不気味な笑みを浮かべた。
「イロハお兄様がそうするなら~」
二人は通路の壁にへと刃を突き刺し、
「こっちだって~!」
同時に振り払う様に引き抜く。
水晶でできた壁は、二人の引く力によって形を変えた。
壁は突き出て地形を変えて、天井に届くほどの足場を形成していく。
まるで、彼女たちの望む形の様にだ。
此処は魔女の作り出した神殿。なら、この場は魔女の魔力が蔓延る彼女の城。魔女が望めばその形状すら容易く変えられるだろう。
その権限を二人に許されているとすれば……。あの魔女ならやりかねないとすらフレズベルグは考えた。
足場は階段の様にイロハのいる上空にまで伸び、二人はそれを一気に駆け上がる。
「いけないんだ~。魔女様を裏切って」
「いけないんだ~。魔女様を悲しませて」
それは魔女にイロハが見放されていると、当てつけられているかの如くだ。
自分が間違っていると言われている。
だが、これが間違いであったとしても肯定し証明してくれる者もいる。今イロハは、その者のためて此処にいる。
一瞬躊躇った。すぐそばまで二人が迫った時、指は強く引き金を引き、そして唱える。
「――【潰せ! フレズベルグ!!】」
ナナとルル。二人の視界を遮る様に、巨鳥の足が覆いかぶさる。
押し潰す様に暗転していく視界。光を遮るほど。光が完全に閉ざされた時、幼い少女二人などその巨鳥によって簡単に潰されることだろう。
例え二人をこの場で殺してしまったとしても……。
その時、一寸の煌めきがイロハの視界に映る。
目を見開いたのは、虚を突かれた事が理由だったのだろう。
握り潰されるはずだった二人。その二人が、手にしている魔武器で、巨鳥の足を真っ二つに切り裂いた。
『くっ……!』
同時に、フレズベルグの手が血しぶきをあげ引き裂かれる。
痛みはなくとも、その手を引き、無残に切り捨てられた足はあっけなく掻き消えてしまう。
『――イロハ!!』
呆気に取られてしまったイロハを呼ぶ。
それに気付いた時には、ナナとルルが目の前にまで来ていた。
「――!!?」
「「――その翼。くださいな!」」
強請る様に。欲するままに。二人の刃が同時に振り払われ、黒翼をイロハから切断した。
翼を失った鳥の末路。イロハは地にへと落下し、その身を飛び上がった分打ち付けた。
痛みがあれば、痛いだけでは済まなかっただろう。不死でなければ死んでいただろう。
「……っ」
思考が追いつくまでには時間がかかった。
自分は翼を切り落とされ、落ちたのだと理解した途端、おぞましいほどの恐怖に身が震えた。
イロハにとって翼はもはや一心同体。そして、自分の自由の根源だった。
切り落とされた翼は今、これでもかと楽しそうに笑う双子の手にある。
「綺麗な翼~」
「素敵な翼~」
奪い取った者を抱きかかえ、さぞご満悦な事だろう。
だが、それでとどまる程度なら、最初っから恐れなどしなかった。
更に二人の欲に満ちた目がイロハを捉える。
「もっともっとくださいな」
「イロハお兄様をくださいな」
それぞれ片腕に翼を抱え、刃を地に擦らせながらじりじりとにじり寄ってくる。
飛ぶこともできず、狂気に当てられ足が思う様に動かず、へたり込んだまま恐れおののく。
こちらの恐怖など二人が汲み取る事など一切ない。
その思考は欲のままでしかなく、己が欲のためにしかない。
少女たちは人に備わった様々な部位を口ずさむ。四肢も臓器も、そのすべてが欲しいと。
「……や、だぁ。……だって、ボクがやらなきゃ。…………このままじゃっ」
動かなければならない。進まなければならない。
そうしなければ、自分を肯定してくれた者までも裏切ってしまう。
自分に言い聞かせるも、体が狂気に圧倒されいうことをきかない。
せっかく自分で決めれた、自分の思いのままに進めた道だというのに、その先が閉ざされていく。
どうしようもない状況に泣き言が脳裏をよぎる。
――やだよぉ……っ。先輩……、姫ちゃん……。
既に二人は目の前。高く上げられた刃は、正に罪人に落とされるギロチンかの如き。
これは罰なのだろうか。魔女を裏切ってしまった……。
『――イロハ!』
「「もっとくださいなっ。――イロハお兄様ぁ!!」」
刃が落ちようと、微かに傾く。
イロハは振り下ろされる刃から目を背けるように、目を塞ぎ身を強張らせる。
――助けて……よぉっ。誰かぁ……。先輩、姫ちゃん……っ。…………お姉さんっ。
終わった。そうとすら思えた。
自分ではなにもできなかったと。成し得なかったと。絶望の淵に落ちそうになった。
だが、そうはならなかった。
視界を塞いだ後に、最初にイロハを襲ったのは少女の甲高い、短とした悲鳴だ。
その瞬間、当てられていた狂気が少し遠のいていく。
「……? …………ナナぁ?」
ルルが、不思議と隣を見る。
傍らにいたはずのナナが、いつの間にか姿を消していた。
いなくなった片割れを探す間もなく、ルルまでもがイロハの前から同じ悲鳴をあげて消える。
正確には、何かによって吹き飛ばされた。
その様を寸で目を開けて見てしまったイロハ。
視界には、わずかに細かな稲光が…………。
そして、自分の目の前には狂気の双子ではなく、見慣れてしまった後姿があった。
「…………お姉……さん?」
黒い髪をなびかせ、紫電を纏わせる。いるはずもないはずの人物。
――ネアが、イロハの目の前にいた。
イロハは不思議と首を傾ける。何故この場にネアがいるのか。何故嫌いな自分を助けたのか。疑問に思う事が多々でうまく言葉に表せない。
だが、ネアはイロハの疑問を一目で見抜き、そして言う。
至極当然の様で。
「だから、言ったでしょ? ――助ける、って」
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