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煌びやかな王城の、とあるホール。そこでは国王主催のパーティーが行われていた。
色々あってドレスが汚くなってしまったけれど、仕方ないね。
「さっ、行くか」
「はいっ!」
きっと何か言われてしまうと思ったけれど、でもエヴァンと一緒ならぜーんぜん怖くない。
そして、会場に続くドアを潜った。
明るい光が照らされ、そして周りの視線も浴びせられる。こんなに遅い参加にきっと疑問に思っている人もいるだろう。
そして、真っ直ぐに国王陛下の元へ。
「国王陛下、王妃殿下にご挨拶申し上げます」
「ごきげんよう」
「あぁ。だいぶ遅かったな。何があったのだ」
「私の妻が誘拐されてしまいましてね」
誘拐、という言葉で周りはざわざわと騒ぎ始める。まぁ、私のこの姿を見て信じてくれる人は何人かいるだろう。
「幸い、怪我もなく早く見つける事が出来ました。それで、面白いものを見つけましてね」
「面白いもの、とは」
笑顔で懐から取り出したのは、さっき私が見つけた書類だ。左上の端を留めて二枚重ねになっている。
そして、ビリッと一枚ずつにしてしまったのだ。それ、証拠の品でしょ。いいの?
「これ、一枚目を横にして右端を揃えて明かりに照らすと……あらあらびっくり何という事でしょう、どこかの家紋が出てくるではありませんか」
ニヤァ、とした顔をしているエヴァンは、何とも恐ろしく感じた。そして、それを国王陛下に手渡した。
「ほぉ、確かに面白い」
「何でも屋によくある仕掛けですね。依頼主を記しつつも巧妙に隠すのは」
「この家紋はよく見た事がある。これは……サリサス伯爵家の家紋だ」
その国王の言葉に、周りはとある人物三人に視線を移した。その人物達は、内二人は慌て、そして一人は青ざめている。これを見れば、誰の仕業か分かりきっている。
「てめぇ、やってくれたな」
「取り押さえよっ!!」
陛下の一声で、子爵家の者3人が衛兵によって取り押さえられたのだ。
「わっ私は違うっ!! レティート夫人に頼まれたのよっ!!」
そう言い出したのは、取り押さえている者の一人、伯爵家のご令嬢だ。そしてこの人は、あのルイシア嬢が催したガーデンパーティーに参加していた一人だ。
レティート夫人というと……公爵家の夫人だったか。周りは夫人からそーっと離れる。
そして、またまた怖い顔をしたエヴァンが夫人の元へ。
「どういう事だ?」
「な、何のこと、だか……」
「本当に?」
「も、もちろん、ですわ……っ!?」
なんか、怖いオーラが出てません? エヴァンさん。近づき難い雰囲気が出てるのですが。
「ウチの可愛い可愛い嫁に手を出したんだ。そりゃあ罪は重いだろうよ。だが、自分から名乗り出た方がまだ少し軽くなるかもしれない」
「っ……」
「さぁ、どうする。このままじゃ、俺は家の方まで手を出しかねないな?」
エヴァンの恐ろしさに腰を抜かしたのか、ゆっくりとその場に尻餅をついてしまった夫人。カタカタと震わせ、顔は青ざめている。
周りはエヴァンの恐ろしさからかだいぶ離れた場所にまで下がっている。私、彼の背中しか見えないから一体どんな顔をしてるのか分からないな。
「さぁ、正直に言ってくれ」
夫人の目の前にしゃがみ、そう言ってきたエヴァンに後ずさる夫人。うわぁ、怖っ。
「アンタは何かと俺の嫁にと娘を推しまくってきて呆れるほどだったからな。思い通りにいかなくてテトラに手を出しちまった、ってところか」
まるで壊れたお人形かのように、カクカクと頭を何度も縦に振っている。なるほど、そういう事か。
「でっでもっ、うちは公爵家、ですから……上位階級の家です……た、太公様の、お相手には、ぴったりかと、思い、まして……」
「アンタは赤の他人。自分の嫁選びにとやかく口を出す権利などどこにもない。そのまま黙っていれば何もなかった。だが、テトラに手を出したのであれば、それ相応の処置を下す。いいな」
「ひっ……」
うわぁ、涙目じゃん……そこにいらっしゃる夫人とそっくりのご令嬢震え上がってるし。
そして、何故かエヴァンに手招きされた。あぁ、なるほど。
「ご夫人」
「ひっ……」
「……よくもやってくださいましたね」
目を光らせると、恐ろしいものでも見たかのような表情をしていて。
「さ、お選びくださいな。グーとパーどちらがよろしいですか?」
「ぇ……」
「わたくし、力仕事を長年してきたものですから、腕っぷしには自信がありますの。さ、どちらがよろしいかしら」
そうぶりっ子ぶってみた。私のこの発言に理解したようで、震える口でこう言ってきた。
「パ、パー、で……」
「はい、分かりました。では失礼して……っ!!」
パァァン、と何とも清々しい音が会場内に響き渡ったのだった。
うん、綺麗に夫人のほっぺたに紅葉が出来たわね。痛いだろうけれど、そのままにするのは癪に障るのよ。しかもナイフまで突きつけられたんだから。
まぁ、多分これを見てるトマ夫人はやれやれとため息をついている事だろうけれど。
「おーおー見事な平手打ちだな。怒らせないよう気をつけよっ」
「旦那様でしたら特別大サービスでグーにして差し上げますよ」
「それは勘弁だ。まずは奥さんのご機嫌取りでもしないとな。いちごのヨーグルトでいいか?」
「は~い!」
「よしっ、じゃあさっさと帰るか」
しゃがみ込んでいた私を、またまた抱っこしたエヴァン。周りに何人もの人がいると言うのによくやるな。
「では陛下、殿下、これにて失礼します。私はこれから奥さんのご機嫌取りをしないといけないのでね」
「はっはっはっ、早く行きなさい」
「では失礼」
と、会場を後にしたのだった。
次回、最終回。
色々あってドレスが汚くなってしまったけれど、仕方ないね。
「さっ、行くか」
「はいっ!」
きっと何か言われてしまうと思ったけれど、でもエヴァンと一緒ならぜーんぜん怖くない。
そして、会場に続くドアを潜った。
明るい光が照らされ、そして周りの視線も浴びせられる。こんなに遅い参加にきっと疑問に思っている人もいるだろう。
そして、真っ直ぐに国王陛下の元へ。
「国王陛下、王妃殿下にご挨拶申し上げます」
「ごきげんよう」
「あぁ。だいぶ遅かったな。何があったのだ」
「私の妻が誘拐されてしまいましてね」
誘拐、という言葉で周りはざわざわと騒ぎ始める。まぁ、私のこの姿を見て信じてくれる人は何人かいるだろう。
「幸い、怪我もなく早く見つける事が出来ました。それで、面白いものを見つけましてね」
「面白いもの、とは」
笑顔で懐から取り出したのは、さっき私が見つけた書類だ。左上の端を留めて二枚重ねになっている。
そして、ビリッと一枚ずつにしてしまったのだ。それ、証拠の品でしょ。いいの?
「これ、一枚目を横にして右端を揃えて明かりに照らすと……あらあらびっくり何という事でしょう、どこかの家紋が出てくるではありませんか」
ニヤァ、とした顔をしているエヴァンは、何とも恐ろしく感じた。そして、それを国王陛下に手渡した。
「ほぉ、確かに面白い」
「何でも屋によくある仕掛けですね。依頼主を記しつつも巧妙に隠すのは」
「この家紋はよく見た事がある。これは……サリサス伯爵家の家紋だ」
その国王の言葉に、周りはとある人物三人に視線を移した。その人物達は、内二人は慌て、そして一人は青ざめている。これを見れば、誰の仕業か分かりきっている。
「てめぇ、やってくれたな」
「取り押さえよっ!!」
陛下の一声で、子爵家の者3人が衛兵によって取り押さえられたのだ。
「わっ私は違うっ!! レティート夫人に頼まれたのよっ!!」
そう言い出したのは、取り押さえている者の一人、伯爵家のご令嬢だ。そしてこの人は、あのルイシア嬢が催したガーデンパーティーに参加していた一人だ。
レティート夫人というと……公爵家の夫人だったか。周りは夫人からそーっと離れる。
そして、またまた怖い顔をしたエヴァンが夫人の元へ。
「どういう事だ?」
「な、何のこと、だか……」
「本当に?」
「も、もちろん、ですわ……っ!?」
なんか、怖いオーラが出てません? エヴァンさん。近づき難い雰囲気が出てるのですが。
「ウチの可愛い可愛い嫁に手を出したんだ。そりゃあ罪は重いだろうよ。だが、自分から名乗り出た方がまだ少し軽くなるかもしれない」
「っ……」
「さぁ、どうする。このままじゃ、俺は家の方まで手を出しかねないな?」
エヴァンの恐ろしさに腰を抜かしたのか、ゆっくりとその場に尻餅をついてしまった夫人。カタカタと震わせ、顔は青ざめている。
周りはエヴァンの恐ろしさからかだいぶ離れた場所にまで下がっている。私、彼の背中しか見えないから一体どんな顔をしてるのか分からないな。
「さぁ、正直に言ってくれ」
夫人の目の前にしゃがみ、そう言ってきたエヴァンに後ずさる夫人。うわぁ、怖っ。
「アンタは何かと俺の嫁にと娘を推しまくってきて呆れるほどだったからな。思い通りにいかなくてテトラに手を出しちまった、ってところか」
まるで壊れたお人形かのように、カクカクと頭を何度も縦に振っている。なるほど、そういう事か。
「でっでもっ、うちは公爵家、ですから……上位階級の家です……た、太公様の、お相手には、ぴったりかと、思い、まして……」
「アンタは赤の他人。自分の嫁選びにとやかく口を出す権利などどこにもない。そのまま黙っていれば何もなかった。だが、テトラに手を出したのであれば、それ相応の処置を下す。いいな」
「ひっ……」
うわぁ、涙目じゃん……そこにいらっしゃる夫人とそっくりのご令嬢震え上がってるし。
そして、何故かエヴァンに手招きされた。あぁ、なるほど。
「ご夫人」
「ひっ……」
「……よくもやってくださいましたね」
目を光らせると、恐ろしいものでも見たかのような表情をしていて。
「さ、お選びくださいな。グーとパーどちらがよろしいですか?」
「ぇ……」
「わたくし、力仕事を長年してきたものですから、腕っぷしには自信がありますの。さ、どちらがよろしいかしら」
そうぶりっ子ぶってみた。私のこの発言に理解したようで、震える口でこう言ってきた。
「パ、パー、で……」
「はい、分かりました。では失礼して……っ!!」
パァァン、と何とも清々しい音が会場内に響き渡ったのだった。
うん、綺麗に夫人のほっぺたに紅葉が出来たわね。痛いだろうけれど、そのままにするのは癪に障るのよ。しかもナイフまで突きつけられたんだから。
まぁ、多分これを見てるトマ夫人はやれやれとため息をついている事だろうけれど。
「おーおー見事な平手打ちだな。怒らせないよう気をつけよっ」
「旦那様でしたら特別大サービスでグーにして差し上げますよ」
「それは勘弁だ。まずは奥さんのご機嫌取りでもしないとな。いちごのヨーグルトでいいか?」
「は~い!」
「よしっ、じゃあさっさと帰るか」
しゃがみ込んでいた私を、またまた抱っこしたエヴァン。周りに何人もの人がいると言うのによくやるな。
「では陛下、殿下、これにて失礼します。私はこれから奥さんのご機嫌取りをしないといけないのでね」
「はっはっはっ、早く行きなさい」
「では失礼」
と、会場を後にしたのだった。
次回、最終回。
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