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 わくわくしつつ、次の日を迎えた。


「こっちのコンロ、一つ貸して?」

「えっ奥様!?」

「大丈夫、危ない事はしないから安心して」


 周りの人達も私を疑ってるのか。そんなに信用できないかな、私。なんて肩を落としつつも、昨日仕込んでおいたものを料理長から受け取った。

 おぉ、一晩置いただけでこんなにいちごから水分が出るとは。


「出来上がったらみんなでスコーンで食べようね!」

「よろしいのですか?」

「みんなで一緒に食べた方がより美味しいでしょ? それにせっかくの砂糖よ? 私とエヴァンだけで食べるには勿体無いじゃない!」

「奥様……!」

「スコーンの用意はよろしくね!」

「はいっ!」


 よし、美味しいスコーンはお願いしたことだし、あとは美味しいジャムを作るだけね!


「よしっ、お鍋を貸して!」

「はいっ! こちらに!」


 どちらがよろしいでしょうか、と二つ見せてくれて、こっち! と伝えた。よし、この中にいちごを投入!


「さ、強火よ!」

「奥様!?」


 いちごを鍋に入れて強火でかける。

 料理長から受け取ったおたまで、出てきたあくを取り除く。

 温度計で計りつつ、焦げないようにヘラでぐるぐる。甘~い匂いがキッチンの中に広がり、周りの料理人達はもう興味津々らしい。背中に視線をだいぶ感じる。


「これくらいかな。完成!」

「おぉ~!」


 なんか、拍手が聞こえるのだが。

 とりあえず、できたジャムを少し放置し砂糖を浸透させる。その間に煮沸してもらっていた瓶を用意。


「料理長、手袋貸して」

「私がやりましょうか」

「いいの? 熱いよ?」

「尚更です! 奥様が火傷なんてしてしまったら大変です!!」


 あ、はい、そうですか。

 と、いうことで瓶詰めは料理長に。これから冷やして明日には食べられるかな。

 確か、エヴァンは明日ずっと屋敷で仕事らしいし、おやつの時間にでも持っていってあげようかな。楽しみだなぁ♡



「……何だ、うきうきだな」

「そう見えます?」

「うん」


 夜、何かに気がついたらしいエヴァンがそう聞いてきた。だけど、まだ秘密ですよ。


「ほーら、明日も仕事でしょ。早く寝ましょ」

「おしゃべり大会でもいいけどな」

「寝た寝た!」


 ベッドに入ってきたエヴァンにさっさと布団をかけて、おやすみなさいと挨拶をした。

 喜んでくれるといいな。

 ……なんて思っていたけれど。


「……あの、匂い嗅ぐのやめてもらっていいですか」

「別に減るもんじゃないだろ。なんか甘い匂いするな」

「……します?」

「する。なんか、フルーツみたいな? なんか替えた?」

「替えてないです」


 もしかして、ジャムを作った時の甘い匂いが残ってた……? お風呂にはちゃんと入ったんだけど……おかしいな。


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