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◇21 熱中症には気を付けましょう
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夏が本格的になってきた。
今までは猛暑で死ぬほど暑かったけど、ここはそんなに暑くない。というか、何もしてないから、てのもあるかもしれないけど。
使用人達はテキパキと動いてるしずっと雪だったからいきなりの夏で大変かも。
たまにかき氷屋さんをやってるけど、でもあれは時間がかかるんだよな。何かいい案はないだろうか。……あ、
「なぁ、ピモ。アレってあるのか?」
「あれ、ですか」
「そう、――」
と、いうことでキッチンにレッツゴー!
まぁ、言わずもがな。料理長達に驚かれた。キッチンの入り口から頭をひょっこり出した瞬間に気づかれ、集まってきてしまった。すまんな。
けど、俺は食べたい。そしてみんなにも食べてもらいたい。だから、レシピを書いて持ってきた。
「料理長、後でこれ作ってくれない?」
「これ、ですか」
「そう、これ!」
その名も!
「……アイス、クリーム?」
夏に食べるデザート、アイスクリームである!!
みんな忙しいのにこんなお願いしちゃっていいのか分からないけど、食べたいものはしょうがない。
「冷たくて美味しいんだ。だからこれでみんなで夏を乗り切ろう!」
「お、奥様……」
「我々のことを、こんなにもお考えくださっていたなんて……」
あの、目、うるうるさせなくていいから。なんかいつもこのパターンな気がするのは気のせいか?
「わかりました! 料理長の名にかけて、アイスクリームを作らせていただきます!!」
「火とか使うから暑いと思うけど、お願いね」
「かしこまりました!」
よし、これでみんなにアイスクリームが振る舞える!
え、どうしてアイスの作り方知ってるって? バイト先で作らされただけだよ。けどここで役立ってよかった。感謝しとこう。
そういえばこれ、首都の離宮でも食ってたけど、あいつら大丈夫かな。ほら、離宮の使用人達。一応アイスの作り方伝授したけどさ。いつもヒーヒー言いながら俺のところに来てはアイス食ってたしな。今生きてるか?
「そういえば、ピモ、首都の方にうちのタウンハウスってあるのか?」
「ございますよ。使用人達が管理しています。と言っても旦那様はそちらには滅多に行きませんからあまり使っておりません」
「そっかぁ、じゃあそっちの使用人達は今頃汗水ダラダラで働いてるってことだよな」
「まぁ、そうなります、ね」
「熱中症とかで倒れたりしちゃうよな……」
俺も首都にいたからよく分かる。すっごく暑くて何もしてなくても目回すくらい暑かった。そんな中で仕事してるわけだし……なんか、可哀想だよな。
と言っても。アイスをそっちに運んでやることはできない。暑すぎて移動中溶けちゃう可能性もある。なら、どうしたものか。あ、でも氷をあっちに運ぶ時どうしてるんだろ。それ後で聞いてみよう。
でも、アイスだけだとなぁ。みんなそれぞれ好き嫌いというものがあるから、もう一つ何かあったほうがいいよな。
熱中症対策……熱中症対策……冷やして美味しい……あっ。あった。
「ピモ、次は小豆と寒天!」
「かっかしこまりました!」
すまんな、ピモ。色々働かせちまって。あと、キッチンのみんなも。けど、夏を乗り切るために必要だし。
俺も手伝わないとな。とは思ったけど、中に入れてもらえなかった。レシピを書くぐらいしか。ちくしょう、仲間はずれにしやがって。
ほぼ全員が夕飯そっちのけで参加したから、もちろんキッチンの中は甘い匂いで充満した。
「……仕事は?」
「もちろん、我々にとても良くしてくださっている奥様に食べていただくのですから最善を尽くしますのでご安心ください。お夕飯、楽しみにしていてくださいね」
「あ、うん」
いいのか、これ。今更なんだけど。てか、頼んだの俺だから行っちゃダメか。
けど、換気扇とかで外にこの匂い出てるから、外の奴とかは今何作ってんだ? って疑問に思うだろうな。
そして数時間後、外に出ていたヴィルが帰ってきた。白ヒョウについての調査だったらしい。
「ヴィ~ルっ! おかえりなさいっ!」
「……あぁ。どうした」
抱きつこうとした俺の頭を掴み防がれてしまった。汗臭いぞ、って。まぁ外に行ってきたんだから汗はかくわな。俺気にしないけど。
でも、やけにテンションの高い俺を不審がってるのか? まぁいいけど。でも汗かいてるなら食べさせてやったほうがいいよな。
「片付けとか終わったら一緒にお茶しませんか? バラの間で」
「……あぁ、分かった」
なーんか不満気。なに、疑ってんの? 聞かないけど。外から帰ってきてお疲れだろうし。
ヴィル、甘いものは普通に食べるんだよな。だからどっちもいけると思うんだけど、どうだろ。
「奥様、紅茶はいかがいたしますか」
「アールグレイかな」
「かしこまりました」
俺の好きなお茶なんだけど、相性は分からん。そんなにお茶は詳しくないし。ここはお茶は作ってないから外からのお取り寄せになってるしね。いろんなもの、ってなると大変だからアールグレイばっか飲んでる感じ。
早く来ないかな~、ってバラの間で待ってたら、来た。忙しいのにすまんね。俺の都合に合わせてもらって。でも食べてもらいたかったから仕方ない。
「それで、何を企んでるんだ」
「企んでるなんて失礼な。自分の旦那様とお茶しちゃいけないんですか?」
「いや、そんなことはないが」
なんて言いながら椅子に座ってきた。まぁ、企んではいるんだが。
……てか、本当に絵になるな。今までも何回もここで一緒にお茶したけどさ、そのたびに思うんだよ。こんなイケメンがここに座ってるだけで絵になっちゃうんだよ。ほら、背景が花じゃん? もう最高だよな。そういうとこズルい。
……何馬鹿なこと言ってるんだって言われそうだから絶対顔には出さないけど。
そのタイミングで、持ってきてくれた。俺の頼んだ、料理長の自信作。
実はもう俺は味見済み。美味しかったから、多分大丈夫だと思う。ヴィルの口に合えばいいんだけど……
「……これは?」
「アイスクリーム、こっちは水ようかん」
「首都で食べてたのか」
「はい。冷たくて美味しいですよ」
どーぞ食べてみてください、と勧め、まずはアイスクリームにスプーンを付けたヴィル。やっぱりこの黒っぽいのには見た目的に抵抗があるか?
一口食べたヴィルの反応は……うん、良かったみたい。顔に出てる。少しだけだけど。
「……甘いな」
「美味しいでしょ」
「あぁ、冷たくて美味しい。生クリームと、あと卵か」
「はい、牛乳も入ってます」
一口食べただけで入ってるものを当てるとは。いや、分かりやすいか?
そして、隣のもう一つ。こっちは、こしあんの水ようかん。だから切り口も黒一色だから見た目からはよく分からない。
「これ、は……」
「まずは食べてみてください」
「……」
そーっと、フォークで一口サイズに。そして、刺して、口の中に。
お、すごく驚いてる。そりゃそうだ。見た目だけでは全然分からないのだから。まぁ、つぶあんだったら分かったか。
「あんこか……舌触りがいい。甘さもちょうどいい。あんこにこんな食べ方があったのか」
「冷やして食べたら美味しいでしょ。これ、どっちも熱中症対策になるんです」
「対策?」
「アイスの方は体を冷やしてくれますし、水ようかんに使われてるあんこの材料、小豆は暑さ対策のための栄養素が含まれていますから、食べれば熱中症になる確率が下がります。
あ、一回食べただけじゃ効きませんから、おやつ程度で食べるくらいがちょうどいいですよ」
「そうか……」
「だから、首都のタウンハウスにいる使用人達に送って欲しいんです」
「タウンハウスの奴らに?」
「首都の暑さは俺よく知ってますから。余計なお世話かもしれませんけど、どうです?」
ん~、出過ぎたマネになっちゃったかな。奥さんってお仕事しないのが普通ってピモが言ってたし。やっぱり言わない方が……
「それはいい考えだ。用意させよう。あと、領民の奴らにも用意してやってくれ。商会の仕事で力仕事をしている奴らを中心に。たまに倒れる奴がいるからな。これで対策を打てる」
そっか、そっちも大変だよね。汗水たらして氷とかたくさん運んでるだろうし。いつもお疲れ様です。
「じゃあ、料理長達は大仕事?」
「簡単な作業は他の使用人達に任せる。何時もの作業は簡単に終わらせていいと伝えてくれ」
近くの使用人にそう伝えていて。あと材料だね。そっちも用意しなきゃ。ごめんな、業者の人達。結構多いから重労働だろ。
と、思っていたら頭、撫でられた。最近これ多いな。
「白ヒョウの件もあったし、これでここの領地も少しずつ豊かになっていく。生活水準が少しずつ上がるだろうな」
「なるほど。貢献できました?」
「あぁ、大いに。本来妻は仕事をしないはずなんだが、うちの妻は言っても聞かんから仕方ないな」
「あは、大人しく出来ない性格です」
「だろうな。だから見ていないと危なっかしい。だから近くにいてくれ」
と、キスをされた。好きだよな、キス。俺は別にいいけど。なんか甘いのはアイスと水ようかん食べたからか。
まぁ、アイスと水ようかんの件はこれでうまくいけばいいんだけど……どうなるだろ。まぁ、うまくいくだろ。
今までは猛暑で死ぬほど暑かったけど、ここはそんなに暑くない。というか、何もしてないから、てのもあるかもしれないけど。
使用人達はテキパキと動いてるしずっと雪だったからいきなりの夏で大変かも。
たまにかき氷屋さんをやってるけど、でもあれは時間がかかるんだよな。何かいい案はないだろうか。……あ、
「なぁ、ピモ。アレってあるのか?」
「あれ、ですか」
「そう、――」
と、いうことでキッチンにレッツゴー!
まぁ、言わずもがな。料理長達に驚かれた。キッチンの入り口から頭をひょっこり出した瞬間に気づかれ、集まってきてしまった。すまんな。
けど、俺は食べたい。そしてみんなにも食べてもらいたい。だから、レシピを書いて持ってきた。
「料理長、後でこれ作ってくれない?」
「これ、ですか」
「そう、これ!」
その名も!
「……アイス、クリーム?」
夏に食べるデザート、アイスクリームである!!
みんな忙しいのにこんなお願いしちゃっていいのか分からないけど、食べたいものはしょうがない。
「冷たくて美味しいんだ。だからこれでみんなで夏を乗り切ろう!」
「お、奥様……」
「我々のことを、こんなにもお考えくださっていたなんて……」
あの、目、うるうるさせなくていいから。なんかいつもこのパターンな気がするのは気のせいか?
「わかりました! 料理長の名にかけて、アイスクリームを作らせていただきます!!」
「火とか使うから暑いと思うけど、お願いね」
「かしこまりました!」
よし、これでみんなにアイスクリームが振る舞える!
え、どうしてアイスの作り方知ってるって? バイト先で作らされただけだよ。けどここで役立ってよかった。感謝しとこう。
そういえばこれ、首都の離宮でも食ってたけど、あいつら大丈夫かな。ほら、離宮の使用人達。一応アイスの作り方伝授したけどさ。いつもヒーヒー言いながら俺のところに来てはアイス食ってたしな。今生きてるか?
「そういえば、ピモ、首都の方にうちのタウンハウスってあるのか?」
「ございますよ。使用人達が管理しています。と言っても旦那様はそちらには滅多に行きませんからあまり使っておりません」
「そっかぁ、じゃあそっちの使用人達は今頃汗水ダラダラで働いてるってことだよな」
「まぁ、そうなります、ね」
「熱中症とかで倒れたりしちゃうよな……」
俺も首都にいたからよく分かる。すっごく暑くて何もしてなくても目回すくらい暑かった。そんな中で仕事してるわけだし……なんか、可哀想だよな。
と言っても。アイスをそっちに運んでやることはできない。暑すぎて移動中溶けちゃう可能性もある。なら、どうしたものか。あ、でも氷をあっちに運ぶ時どうしてるんだろ。それ後で聞いてみよう。
でも、アイスだけだとなぁ。みんなそれぞれ好き嫌いというものがあるから、もう一つ何かあったほうがいいよな。
熱中症対策……熱中症対策……冷やして美味しい……あっ。あった。
「ピモ、次は小豆と寒天!」
「かっかしこまりました!」
すまんな、ピモ。色々働かせちまって。あと、キッチンのみんなも。けど、夏を乗り切るために必要だし。
俺も手伝わないとな。とは思ったけど、中に入れてもらえなかった。レシピを書くぐらいしか。ちくしょう、仲間はずれにしやがって。
ほぼ全員が夕飯そっちのけで参加したから、もちろんキッチンの中は甘い匂いで充満した。
「……仕事は?」
「もちろん、我々にとても良くしてくださっている奥様に食べていただくのですから最善を尽くしますのでご安心ください。お夕飯、楽しみにしていてくださいね」
「あ、うん」
いいのか、これ。今更なんだけど。てか、頼んだの俺だから行っちゃダメか。
けど、換気扇とかで外にこの匂い出てるから、外の奴とかは今何作ってんだ? って疑問に思うだろうな。
そして数時間後、外に出ていたヴィルが帰ってきた。白ヒョウについての調査だったらしい。
「ヴィ~ルっ! おかえりなさいっ!」
「……あぁ。どうした」
抱きつこうとした俺の頭を掴み防がれてしまった。汗臭いぞ、って。まぁ外に行ってきたんだから汗はかくわな。俺気にしないけど。
でも、やけにテンションの高い俺を不審がってるのか? まぁいいけど。でも汗かいてるなら食べさせてやったほうがいいよな。
「片付けとか終わったら一緒にお茶しませんか? バラの間で」
「……あぁ、分かった」
なーんか不満気。なに、疑ってんの? 聞かないけど。外から帰ってきてお疲れだろうし。
ヴィル、甘いものは普通に食べるんだよな。だからどっちもいけると思うんだけど、どうだろ。
「奥様、紅茶はいかがいたしますか」
「アールグレイかな」
「かしこまりました」
俺の好きなお茶なんだけど、相性は分からん。そんなにお茶は詳しくないし。ここはお茶は作ってないから外からのお取り寄せになってるしね。いろんなもの、ってなると大変だからアールグレイばっか飲んでる感じ。
早く来ないかな~、ってバラの間で待ってたら、来た。忙しいのにすまんね。俺の都合に合わせてもらって。でも食べてもらいたかったから仕方ない。
「それで、何を企んでるんだ」
「企んでるなんて失礼な。自分の旦那様とお茶しちゃいけないんですか?」
「いや、そんなことはないが」
なんて言いながら椅子に座ってきた。まぁ、企んではいるんだが。
……てか、本当に絵になるな。今までも何回もここで一緒にお茶したけどさ、そのたびに思うんだよ。こんなイケメンがここに座ってるだけで絵になっちゃうんだよ。ほら、背景が花じゃん? もう最高だよな。そういうとこズルい。
……何馬鹿なこと言ってるんだって言われそうだから絶対顔には出さないけど。
そのタイミングで、持ってきてくれた。俺の頼んだ、料理長の自信作。
実はもう俺は味見済み。美味しかったから、多分大丈夫だと思う。ヴィルの口に合えばいいんだけど……
「……これは?」
「アイスクリーム、こっちは水ようかん」
「首都で食べてたのか」
「はい。冷たくて美味しいですよ」
どーぞ食べてみてください、と勧め、まずはアイスクリームにスプーンを付けたヴィル。やっぱりこの黒っぽいのには見た目的に抵抗があるか?
一口食べたヴィルの反応は……うん、良かったみたい。顔に出てる。少しだけだけど。
「……甘いな」
「美味しいでしょ」
「あぁ、冷たくて美味しい。生クリームと、あと卵か」
「はい、牛乳も入ってます」
一口食べただけで入ってるものを当てるとは。いや、分かりやすいか?
そして、隣のもう一つ。こっちは、こしあんの水ようかん。だから切り口も黒一色だから見た目からはよく分からない。
「これ、は……」
「まずは食べてみてください」
「……」
そーっと、フォークで一口サイズに。そして、刺して、口の中に。
お、すごく驚いてる。そりゃそうだ。見た目だけでは全然分からないのだから。まぁ、つぶあんだったら分かったか。
「あんこか……舌触りがいい。甘さもちょうどいい。あんこにこんな食べ方があったのか」
「冷やして食べたら美味しいでしょ。これ、どっちも熱中症対策になるんです」
「対策?」
「アイスの方は体を冷やしてくれますし、水ようかんに使われてるあんこの材料、小豆は暑さ対策のための栄養素が含まれていますから、食べれば熱中症になる確率が下がります。
あ、一回食べただけじゃ効きませんから、おやつ程度で食べるくらいがちょうどいいですよ」
「そうか……」
「だから、首都のタウンハウスにいる使用人達に送って欲しいんです」
「タウンハウスの奴らに?」
「首都の暑さは俺よく知ってますから。余計なお世話かもしれませんけど、どうです?」
ん~、出過ぎたマネになっちゃったかな。奥さんってお仕事しないのが普通ってピモが言ってたし。やっぱり言わない方が……
「それはいい考えだ。用意させよう。あと、領民の奴らにも用意してやってくれ。商会の仕事で力仕事をしている奴らを中心に。たまに倒れる奴がいるからな。これで対策を打てる」
そっか、そっちも大変だよね。汗水たらして氷とかたくさん運んでるだろうし。いつもお疲れ様です。
「じゃあ、料理長達は大仕事?」
「簡単な作業は他の使用人達に任せる。何時もの作業は簡単に終わらせていいと伝えてくれ」
近くの使用人にそう伝えていて。あと材料だね。そっちも用意しなきゃ。ごめんな、業者の人達。結構多いから重労働だろ。
と、思っていたら頭、撫でられた。最近これ多いな。
「白ヒョウの件もあったし、これでここの領地も少しずつ豊かになっていく。生活水準が少しずつ上がるだろうな」
「なるほど。貢献できました?」
「あぁ、大いに。本来妻は仕事をしないはずなんだが、うちの妻は言っても聞かんから仕方ないな」
「あは、大人しく出来ない性格です」
「だろうな。だから見ていないと危なっかしい。だから近くにいてくれ」
と、キスをされた。好きだよな、キス。俺は別にいいけど。なんか甘いのはアイスと水ようかん食べたからか。
まぁ、アイスと水ようかんの件はこれでうまくいけばいいんだけど……どうなるだろ。まぁ、うまくいくだろ。
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