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一話

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「オヤカタさま、お呼びでしょうか?」

「ノブナガ、来たか、今、ミツヒデに話をしていた。あとは、頼んだぞ」

「承知致しました」


ミツヒデ様は、今日、十八才の誕生日を迎えた。

そして、オヤカタさまに、

『ノブナガの弟子になり、修行を積み、寺を継げ』

と、命ぜられた。

オヤカタ様は、神社と寺を御経営なされている。

しかし、ミツヒデ様は、寺も神社もお継ぎになる気などさらさらないらしく、寺も神社もヒデヨシ様が御継ぎになられば良いとお考えのようだ。

ヒデヨシ様はミツヒデ様の双子の弟。

他の弟子達は、皆、ミツヒデ様より、ヒデヨシ様の方が、優秀だと思っているが、ワタクシとオヤカタ様は、
違う。ノブナガ様こそが、跡取りに相応しい人物。そう思っている。


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