ミツヒデ、寺を継ぐ

栄吉

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十一話

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「それから、お前の嫁ももう決まっておる」

「はぁ、何だよ、それ」

「心配するな。お前が必ず気に入る相手だ」

「気に入るとか、気に入らないとか、そんな問題じゃないんだよ」

「では、どういう問題だ?」

また、オヤジが、苛立って云う。相変わらず短気で、自分勝手だ。


「オヤカタさま、順を追って説明されては如何ですか?ミツヒデさまが、混乱されておられます」

ノブナガが、云う。

「ああ、そうだな」

オヤジは、ノブナガの意見には直ぐに従う。ノブナガのほうが、立場が上なのか?と勘違いしそうになる時がある。

「ミツヒデ、良く聞け。もうすぐ時代が変わる」

「どういう事だ?」

「心配するな、今より、良い時代になる。そしてその時、ワシは、隠居する。だから、ミツヒデ、お前が、この神社と寺を継ぐのだ。嫁と二人で力を合わせて、この神社と寺を守って行くのだぞ」

「神社はヒデヨシが継ぐのではないのか?」

「ヒデヨシには継がせない」

「継がせないって…」

「まぁ、ヒデヨシのことについては、また後で教える。今、話せる事は、ここまでだ」




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