ミツヒデ、寺を継ぐ

八話

もう、限界だ。

おれは、元々、寺も神社も継ぐ気なんてなかったんだ。

やはり、ヒデヨシが継げば良いだろう？

オヤジだって、そのつもりだから、ヒデヨシを北の国の寺へ行かせたのだろうからな。

おれは、話をしようと、オヤジの部屋の前まで来た、

中から、話し声が聞こえる。

「マサムネさま……」

えっ？ノブナガの声だ。

マサムネさまだと？ノブナガは、普段、オヤカタさまと呼んでいる。そして、こんな夜遅くにオヤジの部屋にいるなんて、何故だ？

おれが、そんなことを考えていると、急に戸が開き、オヤジが、鬼のような形相で仁王立ちしていた。そして、その後ろには、一糸纏わぬノブナガの姿が、、、

「盗み聞きとは、行儀が悪すぎるぞ、ミツヒデ」

「盗み聞きなんてしない。オヤジに話があって来たんだよ」

「話？わかった、中へは入れ」

中へは入れって、、、

おれが、躊躇していると、

「ああ、ノブナガのことなら、気にしなくても良い」

気にしなくても良いって、云われたって、、、