19 / 35
夏目 晴斗6話その3 面接 - ちょっと処理が追いつかない
しおりを挟む
晴斗は、心の中で少し躊躇しながら、姫凪乃から詳しく聞けなかった仕事内容について尋ねることにした。
「それで、その……具体的にはどんなことをするんですか?」
真取は少し驚いた表情を浮かべながら確認するように問いかけた。
「え、何も聞いてないの?」
「なんか、危険なこともあるって……そのくらいしか……」
晴斗は曖昧な答えを返す。
真取はため息をつき、肩をすくめた。
「はぁ……姫凪乃のやつ、大体説明したとか言ってたけど、全然じゃないか……」
晴斗は姫凪乃の性格がここでも遺憾なく発揮されていることを感じつつ、苦笑いを浮かべた。
「えぇと、何から説明すればいいかな。FSSがどういう組織か、そこからでいいかな?」
「たしか、SAUの姉妹組織みたいな存在で、表向きはセキュリティ会社だって聞いています……」
真取は再びため息をつき、少し呆れた様子で続けた。
「なるほど……まあ、大体は合ってるけど、それだけじゃよく分からないだろうね。ちょっと長くなるけどいいかな?」
「はい、大丈夫です」
晴斗は少し緊張しながら答えた。
真取は少し身を乗り出し話し始めた
「えぇとね、まずSAUから説明しようかな」
「Special Ability Unit SAUは警視庁直轄の部隊で、全員ではないけどアビリティを使えるメンバーが揃ってる。直轄と言ってもSATと同じ警備部門にいるんだ。将来的には全国の警察組織に部隊を作りたいんだけど、アビリティを持っている人が都合よく見つからないし、いたとしてもSAUに入りたいとは思わないことが多いんだよね。だから、結果的に警視庁直轄になってるわけさ」
晴斗は、なんとなく聞いた事がある程度の単語が飛び交い、少し混乱しながらも、話を中断させないように頷いて聞いていた。
「SAUがやっていることなんだけど、SATやSITがやっていることをイメージすると分かりやすいかな。そのアビリティ版みたいなものだよ」
と、真取はさらに続けた。
「はぁ、たまにテレビで見かけるような……?」と、晴斗は聞き返した。
「そうそう、具体的にはアビリティを使った犯罪の捜査、摘発、追跡や逮捕、犯罪組織の壊滅、アビリティによるテロの鎮圧、人質救出、アビリティの濫用やそれを使った一般市民への危害や詐欺の防止……とにかく、かなり幅広いんだよ。」
「事前にアビリティ関連の危険な情報が入ってれば大規模イベントの警備なんかもやるしね。まあ、特殊部隊と言っても色々やるわけだ」
真取は一息つき、晴斗に向かって問いかけた。
「一気に説明しちゃったけど、なんとなく分かったかな?」
「えぇ……まぁ、なんとなく……」
晴斗は少し困惑しながらも頷いた。
「ここまでで質問とかある?」
晴斗は流れ込んでくる情報を何とか処理しながら、無理やり質問を絞り出した。
「えっと、SAUがアビリティを使って犯罪を取り締まるのは分かったんですけど、そもそもアビリティに関しての法律とかはどうなってるんですか?」
真取は再び頭を抱え、深いため息をついた。
「そこなんだよね、アビリティって最近公になったでしょ。アメリカが先立ってSAAFっていうアビリティの部隊を作ってさ、日本もアビリティの存在を認めざるを得なくなったんだ。それで急遽作られたのがSAUってわけさ」
「ということは、日本は昔からアビリティの存在を知ってたんですか?」
「その通り。でも、こんな魔法みたいな力の存在を認めちゃうと対応が大変だろ?実際に使える人なんてそんなに多くないし、でも情報化社会になって誤魔化せなくなってきたところで、アメリカが先に動いちゃったわけさ」
晴斗は、SAU設立の背景が犯罪防止のためではなく、事実がバレてしまったからというくだらない理由であったことに驚きを隠せなかった。
「警察の偉い人や政治家とも少し繋がりがあるんだけど、そうならないために早い段階から進言していたんだ。でも、日本全体の話となると、なかなか動かすのは難しいよね……」
「(この人の人脈、ヤバいじゃん……!)」
「(あぁ……個人情報バレてんのこの人が原因か……)」
晴斗は、目の前にいる人物が日本を動かすほどの影響力を持っていることに内心驚愕しながらも、表情を崩さずにいた。
「それで、まぁ本題に戻るけど、FSSの活動についてね」
真取は改めて話を続けた。
「あ、はい」
晴斗はすでに多くの情報が頭に詰め込まれており、消化しきれない状態であることを感じていた。
「それで、その……具体的にはどんなことをするんですか?」
真取は少し驚いた表情を浮かべながら確認するように問いかけた。
「え、何も聞いてないの?」
「なんか、危険なこともあるって……そのくらいしか……」
晴斗は曖昧な答えを返す。
真取はため息をつき、肩をすくめた。
「はぁ……姫凪乃のやつ、大体説明したとか言ってたけど、全然じゃないか……」
晴斗は姫凪乃の性格がここでも遺憾なく発揮されていることを感じつつ、苦笑いを浮かべた。
「えぇと、何から説明すればいいかな。FSSがどういう組織か、そこからでいいかな?」
「たしか、SAUの姉妹組織みたいな存在で、表向きはセキュリティ会社だって聞いています……」
真取は再びため息をつき、少し呆れた様子で続けた。
「なるほど……まあ、大体は合ってるけど、それだけじゃよく分からないだろうね。ちょっと長くなるけどいいかな?」
「はい、大丈夫です」
晴斗は少し緊張しながら答えた。
真取は少し身を乗り出し話し始めた
「えぇとね、まずSAUから説明しようかな」
「Special Ability Unit SAUは警視庁直轄の部隊で、全員ではないけどアビリティを使えるメンバーが揃ってる。直轄と言ってもSATと同じ警備部門にいるんだ。将来的には全国の警察組織に部隊を作りたいんだけど、アビリティを持っている人が都合よく見つからないし、いたとしてもSAUに入りたいとは思わないことが多いんだよね。だから、結果的に警視庁直轄になってるわけさ」
晴斗は、なんとなく聞いた事がある程度の単語が飛び交い、少し混乱しながらも、話を中断させないように頷いて聞いていた。
「SAUがやっていることなんだけど、SATやSITがやっていることをイメージすると分かりやすいかな。そのアビリティ版みたいなものだよ」
と、真取はさらに続けた。
「はぁ、たまにテレビで見かけるような……?」と、晴斗は聞き返した。
「そうそう、具体的にはアビリティを使った犯罪の捜査、摘発、追跡や逮捕、犯罪組織の壊滅、アビリティによるテロの鎮圧、人質救出、アビリティの濫用やそれを使った一般市民への危害や詐欺の防止……とにかく、かなり幅広いんだよ。」
「事前にアビリティ関連の危険な情報が入ってれば大規模イベントの警備なんかもやるしね。まあ、特殊部隊と言っても色々やるわけだ」
真取は一息つき、晴斗に向かって問いかけた。
「一気に説明しちゃったけど、なんとなく分かったかな?」
「えぇ……まぁ、なんとなく……」
晴斗は少し困惑しながらも頷いた。
「ここまでで質問とかある?」
晴斗は流れ込んでくる情報を何とか処理しながら、無理やり質問を絞り出した。
「えっと、SAUがアビリティを使って犯罪を取り締まるのは分かったんですけど、そもそもアビリティに関しての法律とかはどうなってるんですか?」
真取は再び頭を抱え、深いため息をついた。
「そこなんだよね、アビリティって最近公になったでしょ。アメリカが先立ってSAAFっていうアビリティの部隊を作ってさ、日本もアビリティの存在を認めざるを得なくなったんだ。それで急遽作られたのがSAUってわけさ」
「ということは、日本は昔からアビリティの存在を知ってたんですか?」
「その通り。でも、こんな魔法みたいな力の存在を認めちゃうと対応が大変だろ?実際に使える人なんてそんなに多くないし、でも情報化社会になって誤魔化せなくなってきたところで、アメリカが先に動いちゃったわけさ」
晴斗は、SAU設立の背景が犯罪防止のためではなく、事実がバレてしまったからというくだらない理由であったことに驚きを隠せなかった。
「警察の偉い人や政治家とも少し繋がりがあるんだけど、そうならないために早い段階から進言していたんだ。でも、日本全体の話となると、なかなか動かすのは難しいよね……」
「(この人の人脈、ヤバいじゃん……!)」
「(あぁ……個人情報バレてんのこの人が原因か……)」
晴斗は、目の前にいる人物が日本を動かすほどの影響力を持っていることに内心驚愕しながらも、表情を崩さずにいた。
「それで、まぁ本題に戻るけど、FSSの活動についてね」
真取は改めて話を続けた。
「あ、はい」
晴斗はすでに多くの情報が頭に詰め込まれており、消化しきれない状態であることを感じていた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
女の子にされちゃう!?「……男の子やめる?」彼女は優しく撫でた。
広田こお
恋愛
少子解消のため日本は一夫多妻制に。が、若い女性が足りない……。独身男は女性化だ!
待て?僕、結婚相手いないけど、女の子にさせられてしまうの?
「安心して、いい夫なら離婚しないで、あ・げ・る。女の子になるのはイヤでしょ?」
国の決めた結婚相手となんとか結婚して女性化はなんとか免れた。どうなる僕の結婚生活。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる