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記憶がなくなる前の話
6話
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理玖斗サイド
「社長、お屋敷からお電話です。」
「ん?ああ。わかった。」
今日のあらかたの仕事が片付き始め、書類に目を通していた時に不意に電話がかかってきた。
なんだかいやな予感がする。
仕事中の電話はそのほとんどが俺たちの愛しの末息子の救急連絡だ。
「、、はい。、、、、なんだって?!?!すぐに向かう!!香月先生にはできるだけ琉架を屋敷でいられるようにしてもらってくれ!清水!!」
慌てて電話を切り控えていた清水に怒鳴りかける。
「、こちらに。車はもう間も無く参ります。」
電話であらかたの事情を察したらしい清水は帰る支度のできたカバンを差し出してくれた。
おれはそれを受け取って全力ダッシュで向かう。
バンッ!
長い玄関前の庭を駆け抜けて扉を開ける。
「おかえりなさいませ旦那様。お待ちしておりました。奥様と香月先生は琉架様専用のお部屋におられます。」
玄関には藍羅の従者の佐々木がいた。
「ああ。」
荷物を佐々木に預けて琉架の運ばれた部屋に行く。
途中竜葵とすれ違った気がするが構ってはられなかった。
「ッ琉架!!」
部屋に入ると大きなベッドの上で眠る愛しい愛しい末息子が。
大きなベッドは琉架の華奢な体を余計に目立たせる。
「あなた、、。」
藍羅は若干目を潤ませていた。
この光景は何度見ても慣れない。
体の弱い琉架だが毎回頑張ってきている。
でもこのいなくなってしまいそうなこの時間だけは何度体験してもいやだ。
あと何回味わわなければならないのだろうか。
「香月先生。琉架の容態は。」
「あまりよろしくない、のが正直なところです。静矢様、竜葵様からお聞きするに普段できていることをしたようですがこのようにお倒れになられてしまったようなのであまり、、、」
言葉を濁す香月先生。
しんみりとした空気が漂う。
「社長、お屋敷からお電話です。」
「ん?ああ。わかった。」
今日のあらかたの仕事が片付き始め、書類に目を通していた時に不意に電話がかかってきた。
なんだかいやな予感がする。
仕事中の電話はそのほとんどが俺たちの愛しの末息子の救急連絡だ。
「、、はい。、、、、なんだって?!?!すぐに向かう!!香月先生にはできるだけ琉架を屋敷でいられるようにしてもらってくれ!清水!!」
慌てて電話を切り控えていた清水に怒鳴りかける。
「、こちらに。車はもう間も無く参ります。」
電話であらかたの事情を察したらしい清水は帰る支度のできたカバンを差し出してくれた。
おれはそれを受け取って全力ダッシュで向かう。
バンッ!
長い玄関前の庭を駆け抜けて扉を開ける。
「おかえりなさいませ旦那様。お待ちしておりました。奥様と香月先生は琉架様専用のお部屋におられます。」
玄関には藍羅の従者の佐々木がいた。
「ああ。」
荷物を佐々木に預けて琉架の運ばれた部屋に行く。
途中竜葵とすれ違った気がするが構ってはられなかった。
「ッ琉架!!」
部屋に入ると大きなベッドの上で眠る愛しい愛しい末息子が。
大きなベッドは琉架の華奢な体を余計に目立たせる。
「あなた、、。」
藍羅は若干目を潤ませていた。
この光景は何度見ても慣れない。
体の弱い琉架だが毎回頑張ってきている。
でもこのいなくなってしまいそうなこの時間だけは何度体験してもいやだ。
あと何回味わわなければならないのだろうか。
「香月先生。琉架の容態は。」
「あまりよろしくない、のが正直なところです。静矢様、竜葵様からお聞きするに普段できていることをしたようですがこのようにお倒れになられてしまったようなのであまり、、、」
言葉を濁す香月先生。
しんみりとした空気が漂う。
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