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ターゲットを殺しに行ったら付き合うことになった話

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俺不死原幻斗(ふじわらげんと)はいわゆる裏の仕事をしている。
コードネームはフェニックス。理由は名字に不死という文字があるからだそうだ。
今は依頼を受け高校生として潜入している

俺が所属する組織不可視の悪意(インビジブルマリス)のおかげで今俺は生きている。その恩を返すため訓練にも耐え、潜入任務まで任された。
組織的には時間を掛けて相手から信頼を得て、二人きりになった時に殺せとのことだが、俺的にはすぐに殺した方が楽でいいのだが、敵の組織の構成員が潜入している可能性がある。そうなればまず怪しまれるのは俺だろう。組織が不利になることはなるべく避けたい、なので言われた通り信頼を得ることから始めようと思う。
今回のターゲットは月守凛(つきもりりん)

依頼人は月守佳奈(つきもりかな)ターゲットの一個下の妹だ。
依頼人曰く『月守家次期当主になる完璧な姉が目障りだから消えてもらい私が当主になるため』とのこと、本当にくだらない理由だ。努力もしないまま欲しいものが手に入る訳がない。運良く手に入ってもすぐに手からこぼれ落ちるというのに。しかしこれは仕事、私情を挟んではいけない。
それにしても信頼を得るにしても二人きりにどうやってなるんだ。
あいつの周りに人がいない時間がないんだが、ターゲット以外を殺すのは組織のルールに反する。ルールに反した者は粛清される。しかし先輩たちはこういう状況の時、ターゲットと恋人関係となり二人になっても周りからおかしく思われないようにしていた。あの演技は尊敬できる。手本にさせてもらおうと思ったが殺し以外の評価は著しく低い。自分でもよくここまで来れたなと思う
恋人関係になるには告白をすればいいと今読んでいる本に書いてある。
まずはやってみるか。本の通りだと校舎裏に呼べと書いてある。
「おい、月守今から校舎裏に来い」
すると取り巻きが色々言うので殺さない程度に加減をして一瞬で背後に周り気絶させた。
こうすれば一人になるんじゃ……どうして先輩方は回りくどいことをしたのだろう
この方法なら殺してはないし大丈夫なんじゃ
すると月守がこう言ってきた
「分かりました。不死原さん今から参りましょうか、みなさんは待っていてくださいね」
そして校舎裏に着くと月守は豹変した。
「おい、不死原とか言ったなお前同業だろ。……さては佳奈の仕業だな。佳奈の前ではこの仕事がバレないよう完璧を演じてたから、多分それだろうな佳奈の性格を考えれば……それでお前これからどうすんの?殺し合うか」
俺が月守の変わりように驚いていると
「どうせお前恋人関係になって油断させてから殺そうと思ったんだろ、んでお前の組織はどこなんだ」
俺は我に返ったので質問に答えた
「不可視の悪意(インビジブルマリス)第二暗殺部隊だ。まあ、まだ下っ端だがな」
「不可視の悪意(インビジブルマリス)か……ってはぁぁぁ私の組織を潰した組織じゃねぇか!潰しに来た時お前いなかっただろ……そうか下っ端ってことは話も聞かされず行かせてもらなかった組か、だから私も見たことなかったのか。まっ今は私フリーで組織には入ってないからな、自由に行動できる。だから組織を潰されたことに一応感謝はしてるって刻紘(ときひろ)の野郎に伝えといてくれ!」
月守がボスのことを名前で呼び、私の組織と言うのでどこか気になり聞いてみた
「ちなみに月守の所属してた組織ってどこなんだ?」
「叛逆の翼(リベリオンウィング)のボスをしてた」
「叛逆の翼(リベリオンウィング)って、ボスがいつも争ってるって言っていた。あの!?」
「そうだが、んで私はお前の作戦に乗ってやってもいいぞ、まあ私はお前より強いから簡単には殺せねぇぞ」
「ありがとうそれじゃあ恋人関係ということでこれからよろしく。んでいつか殺しては見せます」
「まあ殺すのもいいけど私と新しい組織作らねぇか最近暇でよ刺激が欲しいんだよ」
「でも裏切りは粛清……」
「なら私が殺してやるよ」
ぶすり……ばたん
「ボス、幻斗が殺されました!」
「殺った奴は誰だ!」
「それが月守凛です!」
「あいつか、なら殺されても仕方ねぇな」
その後
「どうだ幻斗私たち二人で作った組織は」
「ああすごくいいよ、でもあの時は驚いたよ」
回想
「なら私が殺してやるよ」
ぶすり……ばたん
「やっと目ぇ覚めたか」
「本当に刺されるかと思ったら、首ドンで気絶させられるなんて」
「これで私が刻紘のところにお前の持ち物持って私が殺したって言えばあいつらも信じるだろ。そん時はお前は待ってろよ」
「うんわかったよ。じゃあ組織のみんなが俺しか持ってない持ち物があるから、今渡しとくな」
「あんがとなじゃあ早速行ってくるわ。休み時間が終わるまでには帰ってくるから」
そして月守は言った通り休み時間が終わる前に帰ってきた。
回想終わり
「もうすぐ世界の半分は私達のものだもんな。部下達も増えたし逆らう奴も、もういねぇしな」
「まあ今は世界中から色んな依頼を受けてるから必要とされる組織になったことだし、あの時凛に会えてよかったよ今俺幸せだよ」
「もう嬉しくなること言ってくれてありがとう。ボスの座は子供達に任せてあるし、死ぬまでゆっくり二人で暮らそっか」
「そうだね死ぬまでよろしく」
そして俺たちは八十三歳で幸せに永遠の眠りについた。

おしまい
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