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終わりし世界
アトランティスの心
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こうして、来た道をそのまま戻り抜け道から屋敷に戻ったギルスタッドは、また現れるかもしれない死装束の女を警戒しながら長く続く廊下を歩いた。1人という事もあり、心置きなく魔法が使え、人の気配を地属性魔法で探った。確かに生存反応があった。だが、踏破はしてなかったのでどこから反応があるのか分からず、探しながら辺りを探索し始めた。段々あの死装束の女が出てきても慣れだろうかあまり怖いと思わなくなってきた。まぁ、いきなり出てきたりもして相変わらずビックリはするが、だが、やはり相変わらず私に気づかない。と、どこからか泣いてる声が聞こえる。声を辿ると、屋敷の2階東館の使用人の部屋と思われる部屋から聞こえてくる。そして、その部屋に入り、ベッドの下を見ると女の子がいた。まだほんの小さい子供だ。大丈夫だ。怖くないよ。と、なだめながら、ベッドの下から出しておんぶをした。連れて出ようとすると、光るものが使用人の部屋に飾ってある絵画から見える。どういう訳か、私はその絵を知ってる気がした。その絵はどこかの街並み。しかし、この世界の街の雰囲気とは違う懐かしいものがあった。おんぶしていた彼女を1回降ろして、大丈夫だから、私から離れないで着いてこれるかい?と言うと、首をこくっと縦に振った。その絵の光るところを触れると、絵画がドアみたいに開いた。と、もう1つ部屋があった。その部屋の真ん中に宝石のようなものがあった。と、声が聞こえてくる。脳に直接語りかける何かに導かれるように宝石を手にした。と、残像が見えた。それは、まだおそらく人がいた頃のこの世界。 私は感心した。色々発展していたようだ。高い建物に、空を飛ぶ鉄の鳥。だが、気になる男が目の前にいた。その男はどういう訳か、とても怒ってる。一体何が起きてるのか。男は、発狂し、暴れ回り周りの人達を傷つけ、警察が現れ、一気に地獄絵図みたいになった。そこで、残像から引き戻された。と、女の声だろうか。女の声が聞こえてきた。ついさっき脳に直接言ってきた声と似てる。と、女はこう言った。やはり、来ましたね。ライセルに導かれし者よ。やはり、似ていますね。アトランティスの古の王と。では、本題に入りましょう。この世界は同時に多くの災難に見舞われ死に絶えました。生き残ったもの達も今必死に死に物狂いで生きてます。ですが、亡くなられたもの達の無念は消えることはありません。何せ、必然的に引き起こされた災難ですから。今、見ましたよね。ギルスタッドは、今の映像を見てどう思いましたか?と言われ、あの男は何故怒ってるのかが分からないと答えた。と、その女はそれはいずれ分かることでしょう。この男は、元々普通の大手のIT企業で働いていました。男の名は、宮城裕貴。25歳でした。この時点では。ですが、徐々に得体の知れない闇が彼を蝕んでいくことになります。それがこの世の終わりを告げることに次第に繋がっていくのです。こんなことになろうとは誰も予想つかなかったことでしょう。我ら神々を除き。何故、神は知っていながら滅びゆく人の世界を野放しにしたのか。それもまた、この男が大きく絡んでいたからです。今手にしてるのはこの屋敷の負の歴史が結晶化したもの。見たでしょう?死装束の女性を。あれは、ここで首を吊り亡くなった日本人女性。彼女には結婚を約束していた相手がいました。ですが、彼は彼女を見捨てました。この屋敷の家系の最後の一人でした。見捨てた男が誰かは分かってます。28になる宮城裕貴です。彼は、多くの人を不幸にしました。人生を壊された人もいます。彼の被害者を探しなさい。そして、そこで同じく結晶化したアトランティスの心を集めるのです。さすれば、ギルスタッドよ。先祖の秘密を知ることが出来るでしょう。そして、宮城裕貴がいかにしてこの世界を滅ぼしたのか。それも分かるでしょう。私は貴方が来るのを待ちわびていました。いずれ、今度はお会いしましょう。あなたの思い出と共に、私は見守っています。と言って、声は消えた。女の子がねぇねぇと言ってくる。今の女性の声はこの子にも聞こえていたみたいだった。女の子は、今の声の人、知ってる人?って言ってきた。ギルスタッドは、あぁ。と言葉にならない言葉で返した。なぜなら、その声は会いたくてももう会えない人だったから。懐かしさと悲しさが混み上がっていたからだ。屋敷の中も、もう、あの気配は無い。死装束の女は出てこないのだろうと確信した。そして、抜け道を通り、井戸の下へ降りた。戻ったぞ。と声をかけると、子供達、ミオがいた。女の子は子供達に駆け寄ってたくがおんぶした。怖くなかったか?と言って泣いてる。再会できて嬉しかったのだろう。良かったと、ギルスタッドは安堵した。そして、機械を返した。役に立ったぞ。ありがとうな。と、たくの頭を撫でた。だが、子供扱いするなよと撫でる手を避けた。そして、ギルスタッドは、ミオ、彼らと一緒にいなさい。その方がいい。その方が君のためだ。と言った。ミオは、驚いた。続いて、ギルスタッドは、私はしなければならないことある。それはとても大変な事だ。世界中を回ってこれを集めなければならない。だから、彼らといて欲しいんだ。と、言うと、嫌だ。一緒に行くと言ってきた。なかなか言う事を聞いてくれなくて困った。しまいには泣いてしまう始末。たくは、呆れたようにおじさんと言ってきた。更には子供達もお姉さん泣かした~と言ってきた。嫌な目で見られたものだから、分かった分かった。ミオじゃあ一緒に行くぞ。絶対に私の目から離れないようにな。と言った。たくは、ならおじさん達こっちだよと言ってその通りに行くと森を抜けた。俺が案内できるのはここまで。じゃあ、気をつけろよ。この先にちょっとした村がある。そこを目的地にすればいい。気のいい連中だから、きっと気に入るはずだ。じゃあな。と、手を振った。そして、次なる目的地へと向かうのであった。
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