恋模様

naomikoryo

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三上良子②

10:気付けば・・・

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「りょうちゃん!!・・・・・・・・・・りょうこ!!・・・・・・・・・・・・・・りょう・・・」
最終的には肩を揺さぶられて気が付いた。
「あっ、お姉ちゃん。」
「全く、いつまで寝てるんだか・・・・・」
「そう、私寝ちゃって・・・・・・・あっ!!」
反対側のシートに目をやると誰もいない。
「あれ?矢崎さんは?」
「とっくに送り届けたわよ。・・・・・・・ほら、うちに帰るよ。」
「えっ?」
(何てこと!!!寝てしまったなんて!!!)
車から降りると、そこは見慣れたマンションの地下駐車場だ。
「起こしてくれればよかったのに!!」
「そんなこと言っても、声をかけたけど起きなかったわよ。・・・・・・・・普段は平日に働いたりしないから疲れたのよ。お疲れ様。」
陽子は優しく微笑みながら言った。
「うん・・・・」
良子は少ししょげながらも、
(何とか家を突き止めなくちゃ!)
そう決意し、
(そうだ!!履歴書!!)
エレベーターの中で閃いてしまった。
(ウフフフ・・・・・)
しめしめと言ってるようなその顔に陽子は何か感づいて、
「今日はお父さんもすぐ帰って来るようだから、先にお風呂入っちゃいな。」
と、これまた優しく言った。
(ガーーーーーン!!!こっそりお父さんの部屋で履歴書探そうと思ったのに・・・・・・・)
「ただいま~!!」
陽子が玄関を開け入っていき、その後をとぼとぼと良子が並んで入って行った。
「おかえり~、夕食は?」
台所の方から母の声が聞こえてきたが良子はそのまま部屋に入ってしまった。
「いらな~い、大丈夫だよ~。」
陽子は台所の方に向かって言い、
「良子、風呂入っちゃってね。」
と良子の部屋に向かって言った。

良子は部屋で、一人頭を抱えていた。
(なんて馬鹿な真似をしたんだろう・・・・・)
頭の中で何度もそう呟きながら軽く、
(ばか、ばか、ばか・・・)
という感じで両手で交互に頭を軽くげんこつしたりもした。
(せっかくおうちがわかるチャンスだったのに・・・・・)
お風呂の準備をしながらそう考えていた。
「まぁ仕方ないわ!!次にどうするか、お風呂で考えましょう!!」
おもむろに立ち上がりそう叫んだ。
普段着に着替えていた隣の陽子の部屋にまで十分聞こえていた。
「はぁ・・・・・・・」
陽子は大きくため息をつき居間の方へ向かった。
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