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カラオケボックスにて①
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僕たちはカラオケボックスに着くと、早速歌う順番をじゃんけんで決めることになった。
賑やかな雰囲気の中で、みんなが盛り上がっている。
勝った者たちが嬉しそうに次々に歌い始める中、優愛が言った。
「私と亨は最後でいいから、ドリンク取って来るね。」
そう言いながら、優愛は僕の腕に絡まり、二人で部屋を出た。
「OK!」
と周りから承諾の声が上がり、少し冷やかしの声も聞こえたが、いつものことなので気にせずに、店内の入り口近くにあるドリンクコーナーへと向かう。
優愛はお決まりのジャスミンティーをグラスに並々と入れ、
「亨はペプシ?」
と尋ねた。
「あ~、うん。」
僕はグラスを持ちながら何にしようか迷っていた。
その時、優愛は素早く亨のグラスを取り上げ、ペプシをこれまた並々に注いだ。
「こぼさないようにゆっくり行きましょう。」
優愛が笑顔で微笑むので、
「ありがとう。」
と返す。
二人の笑顔のやり取りの中、優愛の小さな独り言が聞こえた。
「尊い…」
しかし、僕はその言葉に気づかず、二人は戻る準備をしていた。
優愛がゆっくりと先に部屋に入ると、後ろからその姿を追おうとした。
その時、隣の部屋から大絶叫の若い女性の歌声が聞こえてきた。
「物凄く上手いな…」
ちょっと気になって隣の部屋を廊下の窓越しにこっそりと覗き込んだ。
その瞬間、
「!!」
と驚くべき光景が目に飛び込んできた。
複数の人が手拍子をする中、真ん中でマイク片手に熱唱モードで歌っているのは…美咲だった。
彼女の歌声は力強く、まるでプロの歌手のように響き渡っていた。
僕はその様子に見入ってしまった。
美咲の自信に満ちた姿、そして彼女の表情は楽しそうで、周囲の人たちを惹きつけている。
思わず
「すごい…」
と呟く。
彼女の歌に心を奪われている自分に気づく。
歌い終えると、美咲はスーツの胸ポケットから髪ゴムを取り出した。
それを口に咥え、僕をじっと見つめた。
そして、長い髪をさらっと後ろ手に縛った。
僕は、
「いつの間に気づいてたんだ。」
と慌てて部屋に戻った。
隣の部屋から大きな拍手が起こり、僕たちはその拍手の音に釘付けになった。
「な、なんだ?」
歌っている最中の奴まで戸惑ったぐらいだ。
優愛も女友達に捕まったようにタブレットで曲を探していたようだ。
僕は席に座って深呼吸した。
先程の彼女の姿は、彼の心の中に新たな感情を芽生えさせていた。
美咲が自分に何を思っているのか、亨は思いを巡らせながら、カラオケの部屋に戻る準備をしていた。
賑やかな雰囲気の中で、みんなが盛り上がっている。
勝った者たちが嬉しそうに次々に歌い始める中、優愛が言った。
「私と亨は最後でいいから、ドリンク取って来るね。」
そう言いながら、優愛は僕の腕に絡まり、二人で部屋を出た。
「OK!」
と周りから承諾の声が上がり、少し冷やかしの声も聞こえたが、いつものことなので気にせずに、店内の入り口近くにあるドリンクコーナーへと向かう。
優愛はお決まりのジャスミンティーをグラスに並々と入れ、
「亨はペプシ?」
と尋ねた。
「あ~、うん。」
僕はグラスを持ちながら何にしようか迷っていた。
その時、優愛は素早く亨のグラスを取り上げ、ペプシをこれまた並々に注いだ。
「こぼさないようにゆっくり行きましょう。」
優愛が笑顔で微笑むので、
「ありがとう。」
と返す。
二人の笑顔のやり取りの中、優愛の小さな独り言が聞こえた。
「尊い…」
しかし、僕はその言葉に気づかず、二人は戻る準備をしていた。
優愛がゆっくりと先に部屋に入ると、後ろからその姿を追おうとした。
その時、隣の部屋から大絶叫の若い女性の歌声が聞こえてきた。
「物凄く上手いな…」
ちょっと気になって隣の部屋を廊下の窓越しにこっそりと覗き込んだ。
その瞬間、
「!!」
と驚くべき光景が目に飛び込んできた。
複数の人が手拍子をする中、真ん中でマイク片手に熱唱モードで歌っているのは…美咲だった。
彼女の歌声は力強く、まるでプロの歌手のように響き渡っていた。
僕はその様子に見入ってしまった。
美咲の自信に満ちた姿、そして彼女の表情は楽しそうで、周囲の人たちを惹きつけている。
思わず
「すごい…」
と呟く。
彼女の歌に心を奪われている自分に気づく。
歌い終えると、美咲はスーツの胸ポケットから髪ゴムを取り出した。
それを口に咥え、僕をじっと見つめた。
そして、長い髪をさらっと後ろ手に縛った。
僕は、
「いつの間に気づいてたんだ。」
と慌てて部屋に戻った。
隣の部屋から大きな拍手が起こり、僕たちはその拍手の音に釘付けになった。
「な、なんだ?」
歌っている最中の奴まで戸惑ったぐらいだ。
優愛も女友達に捕まったようにタブレットで曲を探していたようだ。
僕は席に座って深呼吸した。
先程の彼女の姿は、彼の心の中に新たな感情を芽生えさせていた。
美咲が自分に何を思っているのか、亨は思いを巡らせながら、カラオケの部屋に戻る準備をしていた。
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