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第3章 戦争編

そんな32話 「狐狸舌戦」

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 ローウェル? またボクの知らない男か。
 思ったより姉さまの交友関係は広いらしい。

 姉さまの反応を見るに、久しぶりに会った友人というところか。
 ボクが懸念するような仲ではないようだが…。

 こうも知人友人が男だらけとは、いつの間にかふしだらな姉になったものだ。
 やはり姉さまには、ボクがついていなければいけないな。

「どうしたの、ローウェル?」

 姉さまが心配そうに声をかける。

「……あ…アイエェ……あい…」

 アイエアイの声にならない声。
 その引き締まった肉体と鋭い眼光からは想像もできないほどの、か細い声。

「申し訳ございません。アイエアイは、私と出会った時からこの調子でして」
「アイエェ……」

 リー先生とアイエアイが二人とも申し訳なさそうに声を落とす。

 なんだこの症状は。
 姉さまの反応を見る限り、姉さまと会った時は普通だったと思われる。
 つまり、生来の持病というわけではない。

 だが、ボクの読んだどの医学書にも記載がない事例だ。
 自然由来の事象でないなら、考えられる事はひとつしかない。

「そう、ですか。彼はローウェルという、私の知人です。
 元々は普通にしゃべっていたのですが…」

 素に戻っているな。
 知人の変貌へんぼうが、そこまでショックなのか。

「左様でございましたか。
 彼はある夜、私の住む教会の庭に倒れておりました。
 とくに外傷もなかったのですが、言語での意思疎通ができなくなっていました」

 リー先生は悲し気に目を伏せた。

「言語がダメなら、文字はどうなんですか?」

 すかさず姉さまが閃いたように言う。

「残念ながら…。
 文字や言語と言った、意思疎通が可能なものは全て使えないようです。
 彼自身も思考が上手く回らないようで、何かを伝えようとしてくれるのですが、すぐに諦めてしまうのです」

 ………。

「ローウェル、何があったか、教えて?」

 姉さまが心配そうに声をかけている。
 アイエアイは一瞬、男らしい顔に戻るが口を開けた瞬間、遠くを見つめているような、だらしない顔になってしまう。

「アイエア…イ…」

 これは、らちが明かないな。

「姉さま、いつまでも先生方を立たせておくのは失礼ですよ」
「あ、そうね。
 失礼、どうぞ奥へ」

 * * *

 客間で先生方をもてなす。

 お茶をボクが持って行くと、重苦しい雰囲気のままで、特に何かを話していたわけでもなさそうだった。

「これはこれは、エグザス様にお茶をれていただけるとは」
「先生、からかわないでください。
 先生にお茶も出さなかったとあれば、マキアート家の恥です」
「…マキアート家とは独立した、とうかがっていましたが…」

 独立した、か。
 はたから見れば、離縁や家出と言って差し支えない状況だろうに。
 そう言わない辺り、先生はボクの手紙だけの情報ではない何かを持っていると可能性が高いな。

「独立、と言っていいのでしょうか。
 独立というには、我ら姉弟はあまりに非力すぎます。
 現状を正しくご説明するならば、マキアート家にこれ以上の泥を塗らないよう、距離を置いているに過ぎません」
「そうまでして、エグザス様が独立なさったのは何か理由が?」
「姉の目的に力を貸す為です。
 ボクが出来る事を、姉にしてあげたい」

 間髪入れずに返答する。
 まあ、これはあながち嘘でもない。

「その目的とは?」
「申し訳ございません。先生といえど、おいそれとはお話できない内容です」

 姉さまが「えっ?」という顔をしている。

 しゃべるなよ。
 今、目的を話してもドラゴンキラーの時と同じように鼻で笑われるだけだぞ。

 という意味を込めて、厳しい目線を送る。
 さすがの姉さまも理解したのか、特に口を挟むつもりはないらしい。

「そうですか。何か力になれれば、と思ったのですが」

 さて、先生は、黒か、白か。
 敵か、味方か。

「ありがとうございます。
 実は今回お呼びしたのは、まさにその事なのです」
「…はい」

「ですが、先生のお顔を見て安心致しました。
 ボクは何も間違っていないと確信を得ました」
「エグザス様は、聡明でいらっしゃる。
 独立のような方法をとられているのも、何か深謀遠慮しんぼうえんりょがあっての事でしょう」
「とんでもないことです。
 お恥ずかしながら、己が道に迷い、こうして先生にお伺いをたてまつった次第」

「ご謙遜も上達なされましたね。しかし、エグザス様ほどの者があまりに謙虚ですと、嫌味にとられるかもしれません」
「先生は買いかぶりすぎです。それとも、先生から見ても嫌味に見えるのでしょうか」
「まさか。生徒の成長を喜ばない教師はいません。
 希代の天才であるエグザス様の教師を、2年も務めさせていただいたのは私の人生の誇りなのですよ」
「そうおっしゃっていただけて、喜ばしい限りです」

 こんなものか。
 向こうもボクの緊張を解いた頃だと感じているだろう。
 できるだけ弛緩しかんした雰囲気を出し、お茶で喉を潤す。

「ところで…」

 …来るか。

「噂では、魔王様はリングリンランドを征服しようとしているとのこと。
 これは本当ですか?」

 やはり姉さまに話を振ってきたか。
 姉さまには答えさせるわけにいかないので、すぐに割って入る。

「もちろん、そのような事実はありません」
「では、悪意のある何者かがこの噂を流したと…」
「アイエェェ…」

 突然会話に割り込んできたアイエアイ。
 やはり、一瞬キリッとした顔になるのだが、しゃべるとだらしない顔になる。
 口も半開きだ。

「…こんな感じで、彼に護衛が務まるのですか」
「はい。剣術においては並ぶ者のいない達人です。
 護衛としての機能は十分に果たしてくれています」
「ローウェルは、とても強い剣士です。
 高い戦闘能力を持つ、私の執事を倒すほどに」

 今度は姉さまが会話に入り込んでくる。

 そうか、バートフが何者かに倒されたと聞いたが、その相手がこの男だったのか。
 身内に甘い姉さまの事だから、火山の噴火のように怒ったんだろうな。
 それでも知人として振舞うという事は、きっとボクの予想もつかない何かが起こったと推測できる。
 これ以上の推測を行うには、判断材料が足りない。

「なるほど、それは安心しました。
 先生に何かがあっては、一大事。
 ボクも恩師の不幸など見たくはありません」

 それとなく、けん制しておく。
 先生の表情は変わらない。
 相変わらず穏やかな微笑みを浮かべたままだ。

「話は戻りますが、先生はどこでその噂を聞かれたのですか?」
「教会に来る参拝者や、孤児院を経営しているシスターなどからですね」
「そこまで一般に噂が広がっているんですね」
「そのようですね。
 エグザス様の手紙の内容と、噂の流れた時期が一致していたので、驚きました」

「本来、この事はマキアート家しか知らないはずだったのです。
 ボクはマキアート家にしか伝えていないのですから。
 やはり、誰かが広めたと考えています」
「では、ご実家のどなたかが…と?」
「はい。母が一番怪しいと見ています」

 先生の微笑みがわずかに崩れる。

「それはないでしょう。
 お母上は大変ご立派な良妻賢母りょうさいけんぼ
 実のご子息とお嬢様の悪い話をわざわざ広めたりはしないでしょう」
「ボクもそう思っていました」

「しかし、この考えは、母が善である事を前提とした考察なのです。
 ボクも実の母を疑いたいとは思っていないのですが、あらゆる可能性について考察しました」
「…あらゆる可能性を考察せよ、と教えたのは私ですからね」
「はい、ですから先生には長く教師を務めていただいたのです」

 実際、先生から得られたものは非常に多い。
 もちろん尊敬もしているが、考察対象にあたるならば、私情は挟まない。
 これも先生の教えだ。

「あらゆる可能性を考察した結果、母が善ではなかった場合。
 すなわち、母がボクと姉さまを捨てた可能性について考えると、噂を流した人物が母であると考えるのが妥当に思えてくるのです」
「考えにくい事ですが…その根拠は?」

「噂を流した理由について先に考察をお話しします。
 今回の噂をまとめると『マキアート家の長女が魔王を名乗り、リングリンランドを征服しようとしている』という内容です」

「噂の中に、ボクの存在はありません。
 なのに、なぜ『実の息子と娘の悪い噂』を流せるのでしょう。
 このような事は、真実を知っている母にしかできない事です」
「それはおかしいですね…。噂の中に、エグザス様の存在がない。
 という事は、やはりお母上が噂の出どころではないのではないでしょうか」
「あっ、そうですね…。さすが先生です」

 まずひとつ…。

 おや、姉さまの頭に「?」が浮かんでいるようだ。
 大丈夫、この考察はほとんど虚言、ウソだ。気にしなくていい。

 そもそも、魔王就任を報知したのはマキアート家だけではない。
 ハルシオンをはじめ、有力貴族にも報知してあるのだ。
 噂の出どころは、あちこちにある。

 ここを先生が追及してこなければ…。

「失礼しました。
 噂の出どころは母ではなさそうです。
 ここでは、仮に母が悪と仮定して考察を続けます。
 またおかしなところがあれば、ご指摘ください」
「はい…」

「次の理由ですが、ボクと姉さまが母の実子ではないという可能性についてです」

 姉さまが少し呆れた顔をしている。
 さすがにボクもないと思う。
 もしそうなら、今までの母の優しさは何だったのかという話になる。

「実子ではないボクと姉さまは、母にとって不要な存在であり、マキアート家の汚点と考えるはず。
 どんなめかけの子かわからない上、頭脳に優れたボク、魔力に優れた姉、対する凡庸な兄という構成にも問題があります。
 うがった見方かもしれませんが、実子を一番かわいいと思うのは、親として当然の思考かと思います」
「子を大切にしない親はいませんから、仮定が正しければそうかもしれませんね」

 先生はあくまで一般論を述べてくる。
 ここから、先生の本音を引き出さねばならない。
 さきほどと同じように失言を狙うのは、得策ではないだろう。

「次の可能性としては、母が戦争を利用しようとしている可能性です。
 今回隣国との戦争が目前に迫っている事は先生もご存じかと思います」
「はい。なげかわしい事です」

「この戦争には、父と兄も参戦しています。
 二人共、重要な任務についており、戦の趨勢すうせいを決めるポジションです」
「そうでしたか」

「母が二重スパイとして隣国に加担することで、偽の情報を流し、父と兄は大きな戦果を挙げる事ができるでしょう」
「さすがにそれは、飛躍しすぎではないでしょうか」
「あくまで可能性の問題です。
 もしこの作戦が上手くいけば、兄の評価は戦の達人または軍神として評価されると思います」

「仮に上手く行ったとしても、兄君の評価まで上がるとは考えにくいですね」
「そうでしょうか。母の策が上手くいった場合、兄は重要なポジションについていますので、その戦果は莫大なものになるはずです」
「し…かし、重要なポジションとはいえ、必ずしも戦果を挙げる事ができるとは限らないものです」

「…そういうものなのですね。実際の戦争については不勉強でした」
「いいえ、まだ私も先生面ができそうですね」

 そう言うと先生はにっこりと笑った。

「まだまだ先生にはかないませんね」
「ははは、そう言ってもらえると嬉しく思います」
「これからも先生のご助力をお願いしたり、ご相談させていただく事もあると思いますが、よろしくお願いいたします」
「はい。何でも言ってください」

 よし、今『何でも』と言ったな。

「では、先生。ボク達は隣国との戦争を止めたいと考えています。
 リングリンランド側には、知り合いが多数いますので説得したいと思っていますが、隣国には伝手がありません。
 そこで、先生のお力をお借りしたいと思います」

「…戦争を、止めたいと?」

「はい。教会の教義にもあるように、戦争は悪です。人はその類稀なる知性と理性で本能を抑え込む必要があるのでしょう」
「確かに、神はそのように教え説いています…」

「どのような手段でも構いません。隣国がリングリンランドとの戦争を諦めてくれればいいのです」
「一度始まった戦争は、止められないものですよ」

「先生、そもそも隣国がリングリンランドに勝てる可能性はあるのでしょうか。
 このままでは、いたずらに両国の命が消耗するだけです。
 寡も多も救え。自らが救えば、自らも救われる。
 これが教義であるはずです」
「ふむ…」

 先生はしばらく考え込み、やがて口を開く。

「わかりました。
 隣国にも教会はありますので、担当の司祭と連絡をとってみましょう」
「ありがとうございます、先生」

「いえいえ、エグザス様の成長ぶりを実感できて、大変嬉しく思います。
 戦争を止めるというのは、たやすい事ではありませんが、その崇高な目的の一助となれるならば、働きかけてみる価値はあるでしょう」

 先生は相変わらず穏やかな微笑みを絶やさない。
 後ろに立つアイエアイはヒマそうにしているし、姉さまも眠すぎて白目になっている。
 まったく緊張感のない人達だ。

「ところでエグザス様。
 さきほどのお母上の仮定ですが、もうひとつの可能性については考察しましたか?」

 もうひとつの可能性…?
 なんだ? 父が裏切っているという可能性…ある、のか?

 いや、ない。
 戦争で最も危険なポジションについているのは、父だ。
 次いで、輜重部隊の兄。

 この戦争に参加している大多数の者は、裏でリングリンランドのクーデターが起こる事を知らないはずだ。
 つまり、勝てる戦争だと思っているはず。

 そこに母と何のつながりが…?

「…いえ、気付きませんでした」

 素直に言ってみる。
 さて、先生がどういう考察をしてくれるのか、少し楽しみだ。

「ふふふ、まあ、あくまで可能性という話なのですが」

 やけにもったいぶってくるな。

「お母上自身が、裏切っている可能性です。
 三人とも実子、となれば、見えてくるのでは?」

 ………えっ。
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