日本と皇國の幻争正統記

坐久靈二

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第一章の登場人物・用語集

登場人物 その一

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 主要人物

⦿さきもり わたる

・生年月日:西暦2004年(皇紀2664年)11月19日(第一章開始時21歳)
・身長:177センチ
・体重:70キロ
・血液型:AB(Rh-)
・外見的特徴:茶髪・童顔美形
・一人称:ぼく(通常時)・おれ(激怒時・その他極限まで感情が昂ぶっている時)
・好きなもの:うること・海
・嫌いなもの:父親・うることに言い寄る男・テロリズム
・特技:家事全般・機械操縦
・趣味:漫画集め・ツーリング
じゅつしきしん:過去使用した道具を武器として形成する……?
・登場:第一話『ごうりん

 ごく普通の大学生。
 幼馴染のうることに対して、幼少期に叩きのめされた経験からの劣等感と、母親からネグレクトを受けて世話になった経験からの慕情が混在した恋心を抱いている。
 恋心を自覚してから十年近く告白出来ずにいるヘタレだが、ストーカー気質で嫉妬深く、おまけに若干マゾの気まである。

 やる時はやる男であり、高校時代に学校がテロリストの占拠を受けた際は一人で立ち向かって撃退している。
 不当な暴力に脅かされた人を無意識に助けようしてしまうお人好しで、その性格が祟ってトラブルに遭うことも少なくない。

 深夜の海浜公園でカップルがそうせんたいおおかみきばに拉致されかかっていたところを助けたが、自分が拉致されてしまった(顔に書かれた番号はⅣ)。
 おおかみきばの新入隊員としての訓練を受けるが協力する気は無く、脱出しようと画策したことから日本国としんせいだいにっぽんこうこくを取り巻く一連の事件に深く関わっていく。

 こうこくで使用される特殊な力「しん」の扱いに関しては複数の人物から「才能が無い」と酷評されているが、巨大ロボット「どうしんたい」の操縦に関しては驚異的な才覚を示す。
 わたりりんろうとの決戦で術識じゅつしき神為しんいに覚醒し、ちょうきゅうどうしんたいの光線砲を使った戦い方を見出した。

 諦めの悪さ、折れないハートは天下一品。


⦿うる こと

・生年月日:西暦2004年(皇紀2664年)6月28日(第一章開始時21歳)
・身長:166センチ
・スリーサイズ:B88・W55・H88
・血液型:AB(cis)
・外見的特徴:黒髪ロングストレート・切れ長の目・クールビューティ
・一人称:わたし
・好きなもの:あんぱん・白兎・???
・嫌いなもの:酒(酒癖が悪い為)
・特技:大抵のことを一流にこなせる
・趣味:神社参拝
じゅつしきしん:不明
・登場:第一話『ごうりん

 謎に満ちた、さきもりわたるの幼馴染の美女。
 幼少期にわたると出会った際にセクハラを受け、勢い余って半殺しにしたが、後に和解。
 以来、十五年に亘って友好関係を維持しているが、最近は若干距離を置こうとしている節がある。
 わたるの他にも、ずみふたけんしんと親交を深めたことがある。
 また、きゅうとも旧い知り合いであるらしい。

 基本的にわたるのことはらかいつつもクールに遇っているが、若干天然気味なところがあり、漫才の様な遣り取りをすることもしばしば
 酷薄に見えて意外と世話焼きで、母親からネグレクトを受けたわたるに自家の家事を手伝わせて家族ぐるみで助けたことがある。

 母親は防衛大臣兼国家公安委員長のすめらぎかな
 父方の親族には秘密政治結社「じんかい」と関わりが仄めかされ、こうこくの事情についても知っている風であったりと、旧い付き合いのわたるですら掴み切れていない陰の事情が見え隠れしている。

 凄まじい健啖家だが、大好物のあんぱんだけは一個食べれば満足する。

 一切のしんを使わず、ちょうきゅうどうしんたいを素手で解体するほどの常軌を逸した戦闘能力の持ち主。
 周囲の人間を傷付ける者に対しては冷酷かつ残忍な一面を見せることも。


⦿⦿


 拉致被害者

⦿はら ひな

・生年月日:西暦2011年(皇紀2671年)3月3日(第一章開始時15歳)
・身長:152センチ
・スリーサイズ:B99・W61・H96
・血液型:B
・外見的特徴:大きくて丸い目・童顔
・一人称:わたし
・好きなもの:アニメ
・嫌いなもの:わからない
・特技:声真似(声優になるのが夢)
・趣味:愛犬と遊ぶこと
じゅつしきしん:不明
・登場:第四話『理不尽』
・退場:第四話『理不尽』

 さきもりわたると一緒に拉致された人物の一人で、最年少(顔に書かれた番号はⅠ)。
 天真爛漫な性格で、拉致被害者同士の自己紹介を提案し、真っ先にりを上げた。
 その後、建屋の崩落で崖底に転落し、帰らぬ人となる。
 登場こそ僅かだが、わたる達の行く道の所々で彼女の存在に度々言及されている。


⦿あぶ しん

・生年月日:西暦2005年(皇紀2665年)9月17日(第一章開始時20歳)
・身長:183センチ
・体重:85キロ
・血液型:B
・外見的特徴:金髪・日焼け肌
・一人称:おれ
・好きなもの:家族(特に妹)
・嫌いなもの:家族を侮辱されること
・特技:誰にでもフランクに接する
・趣味:格闘技鑑賞・ツーリング
じゅつしきしん:周囲の水分を凝固させ、ダイヤモンドに匹敵する硬度の氷を腕に纏う
・登場:第四話『理不尽』

 さきもりわたると一緒に拉致された人物の一人(顔に書かれた番号はⅡ)。
 嘗ては喧嘩に明け暮れる「関東三大だいごみ」と称される手の付けられない不良だったが、現在では足を洗ってまっとうに生きるべく高校に通っている。
 わたるとはこうてんかんで相部屋となったよしみで親しくなるが、非常にズボラかつ図々しい性格でそこには苦言を呈されている。

 喧嘩で培った戦闘勘はかなりのものだが、しんの才覚はわたるに次いで乏しく、彼ら二人とまゆづきを合わせてわたりりんろうからは「三」と評された。
 但し、動体視力を始めとした眼の良さはわたる達の中でも随一。

 妹のことを溺愛しており、何かにつけて話題にしたがる。
 また、彼が喧嘩をしていたのは大抵妹がらみである。

 荒れていた自分を見棄てなかった家族に恩義を感じており、彼らの為にも真人間になろうとしていたが、くも研究所でじがむらもりと戦闘した際にじがの指示でみなごろしにされていたことが発覚し、激昂してじゅつしきしんに覚醒する。


⦿ずみ ふた

・生年月日:西暦2005年(皇紀2665年)1月10日(第一章開始時21歳)
・身長:150センチ
・スリーサイズ:B77・W55・H78
・血液型:A
・外見的特徴:黒髪ボブ・眼鏡(しんで視力が上がってからは着用していない)
・一人称:わたし
・好きなもの:友達との談笑・銀杏並木
・嫌いなもの:古臭い価値観(特に男尊女卑)・公の為に個を犠牲にすること
・特技:イラスト
・趣味:漫画コレクション
じゅつしきしん:植物を生成する
・登場:第二話『かんの談笑』

 さきもりわたるうることの高校時代の友人。
 一学年の頃からクラスでいじめを受けており、進級に伴うクラス替えによってわたることと一緒になった際に助けられて以来親しくなった。
 わたることの関係が進展するように応援していたが、自身もわたるに密かな想いを抱いていた節がある。
 高校卒業後は次第に疎遠になってしまっていたが、彼女もまた拉致被害者となったことで再会する(顔に書かれた番号はⅢ)。

 大人しい性格の反面、意外と遠回しに棘を含んだ発言をすることがあり、けんしんとはよく衝突する。
 こうてんかんで相部屋となった椿つばきようと親交を深めるが、脱出時にようおおかみきばの内通者だと発覚してショックを受ける。

 意外にもしんの才能はそれなりで、に続いてじゅつしきしんに覚醒している上、くも研究所ではその能力に尚も伸び代を窺わせている。
 戦闘に関しては攻防両面で不安が否めないものの、わたりりんろうとの決戦では懸命な補助で生存に貢献している。


⦿ けんしん

・生年月日:西暦2004年(皇紀2664年)5月3日(第一章開始時22歳)
・身長:175センチ
・体重:65キロ
・血液型:A
・外見的特徴:神経質そうな痩せ型
・一人称:おれ
・好きなもの:法律(弁護士を志していた)
・嫌いなもの:左翼・売国奴
・特技:これといって浮かばない
・趣味:愛国政治活動
じゅつしきしん:ダイヤモンド以上の硬度を誇る鏡の障壁を生成する
・登場:第三話『事態急変』

 さきもりわたるうることの中学時代の友人で、大学入学後に再会した。
 弁護士を目指す法学部生だったが、右翼的な政治思想に傾倒し大学を一年留年してしまっている。
 彼もまた、わたる達と一緒に拉致されてしまった(顔に書かれた番号はⅤ)。

 裁判で判決が確定していないおりりょうを頑なに犯罪者呼ばわりしなかったり、そのおりの見張り時間を律儀に守ったり、「妙なところで真面目」と評される融通の利かない性格をしている。
 ずみふたとは反りが合わず、事あるごとに衝突している。

 しんの才能にはそれなりに恵まれており、じゅつしきしんは攻防両面で高い能力を誇る。
 反面、戦いに関する覚悟が不十分なきらいがあり、ひぐまを相手取るのをためってしまったり、土生はぶあきに重傷を負わせて動揺してしまったりと、精神面では弱さが見られる。

 中学生の頃、自殺した親友に掛けられた冤罪を晴らした経験があらゆる面で彼の原点となっている。


⦿椿つばき よう→「そうせんたいおおかみきば」の当該項目を参照


⦿まゆづき 

・生年月日:西暦1996年(皇紀2656年)9月7日(第一章開始時29歳)
・身長:160センチ
・スリーサイズ:B84・W59・H82
・血液型:B
・外見的特徴:ウェーブのかかった長い髪
・一人称:わたし
・好きなもの:ヴィジュアル系バンド・子供・死体
・嫌いなもの:嗜好が歪んでいる自分自身
・特技:プロジェクトの音頭取り
・趣味:音楽鑑賞
じゅつしきしん:焔の翼で空を飛び、燃える結晶弾を射出する
・登場:第四話『理不尽』

 さきもりわたると一緒に拉致された人物の一人(顔に書かれた番号はⅦ)。
 わたると同じくわたりりんろうに拉致されたが、その際に恋人を殺された為、意気消沈して生きる気力を失ってしまっていた。
 更に、歳の離れた弟との間に覚えてしまった情欲により、近親愛・小児性愛・死体性愛の三重苦を自覚してから、自身の内面に対して嫌悪感を覚えてしまっている。

 この様な事情からさきもりわたるあぶしんと並んでしんの発達が遅く、わたりから「三」と評され、彼女は特に強い辱めを受けた。

 おりりょうには好意を寄せられ、まっとうに生きてきたのなら卑下する必要は無いと諭される。
 その後、くもから弟の霊魂に恨まれてはいないと報され、自分自身を受け容れることができた。

 わたりとの決戦で遂にじゅつしきしんに覚醒し、仲間達との連携であと一歩のところまで追い詰めた。


⦿おり りょう

・生年月日:西暦1995年(皇紀2655年)1月30日(第一章開始時31歳)
・身長:191センチ
・体重:82キロ
・血液型:O
・外見的特徴:不健康な強面
・一人称:おれ
・好きなもの:殺人
・嫌いなもの:悪事の言い訳に正義や弱者性を唱える奴
・特技:他人の本性を見抜くこと
・趣味:無し(逃亡で精一杯の為)
じゅつしきしん:掌で触れたものを罅割って破壊する
・登場:第四話『理不尽』
・退場:第十九話『惡の華』

 さきもりわたると一緒に拉致された人物の一人(顔に書かれた番号はⅧ)。
 七人殺した殺人犯であり、裁判では死刑を求刑されていたが、隙を見て逃亡したところを拉致された。

 自分なりの悪の美学を持っており、「悪人は悪を自認すべし」と考えている為、正義の革命家を気取るおおかみきばのことは気に入らないと思っている。
 逆に、善良に生きているにも拘わらず自分を悪人だと思っているまゆづきに対しては彼女の考え方を否定している。

 わたる達と一緒に脱走する際に椿つばきようの内通を炙り出すも、交戦になり重傷を負う。
 その後は一人こうこくへ逃亡する為に独自に企みを巡らせ、トリックスター的な暗躍を見せる。
 土生はぶあきとの交戦で相打ちになり、拉致被害者で二人目の死者となる。

 まゆづきには密かに思いを寄せていた。


⦿雲野くもの たか

・生年月日:西暦2008年(皇紀2668年)4月4日(第一章開始時18歳)
・身長:135センチ
・体重:30キロ
・血液型:Oh
・外見的特徴:桜色の髪
・一人称:ぼく
・好きなもの:妹・優しい年上の人
・嫌いなもの:怖い人
・特技:無し(長年眠っていた為)
・趣味:無し(長年眠っていた為)
じゅつしきしん:無し(巨大なしんを他者に貸し与えることが出来る)
・登場:第十九話『惡の華』

⦿雲野くもの 

・生年月日:西暦2008年(皇紀2668年)4月4日(第一章開始時十八歳)
・身長:122センチ
・スリーサイズ:B58・W49・H64
・血液型:Oh
・外見的特徴:桜色の髪
・一人称:わたし(親密でない相手に対して)
・好きなもの:兄・頼りになる人
・嫌いなもの:辛いもの(カレーは甘口しか食べられない)
・特技:無し(長年眠っていた為)
・趣味:無し(長年眠っていた為)
じゅつしきしん:無し(巨大なしんを他者に貸し与えることが出来る)
・登場:第十九話『惡の華』

 さきもりわたる達とは別におおかみきばに攫われ、何者かのクローンに体を入れ替えられた双子の兄妹で、一卵性双生児。
 くも研究所で研究素材にされていたところをわたる達に救出された。
 兄・たかは口下手で、他者との意思疎通は主に妹・が行う。

 本来の年齢は十八歳だが、ずっと眠ったままだった影響で精神的に幼く、新しい体の外見とあいって十歳以下にしか見えない。
 強大なしんを持っており、本人達は戦えないがしんを他者に貸し与える能力を持つ。
 たかは一日三回しんを貸すと眠ってしまい、は眠らないが一回のみしんを貸せる。
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