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外伝『恥辱の中で媚笑んで』
結
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例えば、銃火器で武装したとして核爆弾を相手に戦えるだろうか。
例えば、ロープで規制したとして津波の侵入を防ぐことが出来るだろうか。
総じて、根本的な力の差が開き過ぎていると小賢しい技能や抵抗など全く意味を為さない。
十数秒、たったそれだけの短い時間――それが俺に与えられた勝利の希望だった。
いや、実際にはもっと短い。
入れられてすぐに、抵抗の無意味さ、敗北の未来を悟ってしまった。
後は、為す術も無く絹を裂くような悲鳴とあられもない姿を晒し、予定調和に秒殺絶頂するだけである。
「んオッ!? ああああァァーッッ!! ほオォぉぉっッッ!!」
繕いようのない甲高く下品な叫び声を上げ、俺はあっという間にイかされてしまった。
「アハハはっや! すっかりクソザコ雌穴男になっちゃったんだね!」
玉のような精液が貞操帯から零れ落ちるのを見て、有姫様は大笑いしている。
終わった、何もかも……。
「他愛無い。これでお前は追放確定だな」
屈辱と絶望に包まれた俺はただ項垂れて震えることしか出来ない。
だが、冷酷な鷹番様はそれを許さなかった。
「何を休んでいる。敗北は敗北として、入れられたのなら最後まで奉仕しなければ駄目だろう」
「あ、そりゃそうだよねー。可哀想だけど頑張れー」
「ひぎいぃぃぃっ!!」
既に絶頂した負け犬に対し容赦なく再開されるピストン。
有姫様も相変わらず俺の情けない醜態を笑っている。
そこには最早情の欠片もなかった。
俺は何の為に生まれてきたのだろう。
財閥の嫡子として好き放題に女を漁っていた頃は自分が選ばれた人間だと信じて疑わなかった。
その時に築き上げた価値観が容赦なく俺の尻を穿つ。
即ち俺は屑、塵、雑魚、蛆虫。
全て奪われて当然の敗北者。
全て失って当然の無能力者。
繰り返し、繰り返し襲い来る絶頂。
どれだけ恥を晒すのか、惨めで無様な最弱底辺の雌豚男。
阿呆の様に、いや阿呆そのものの顔で惨敗し続けるだけの汚濁に塗れた生き物よ。
『負け犬売春人生……』
俺は気を失ってなお犯され続けたらしい。
鷹番様を満足させられたのかは知らない。
⦿
「ああッ、お止めください! お止めくださいぃっ!」
目を覚ました俺は拘束され身動きが取れない状態にされていた。
鷹番様と有姫様、二人の手により熱を帯びた小手のようなものが股間の貞操帯に近づけられる。
さながらウェディングケーキの入刀のようだ。
「藤の家紋は消さねばならん。これにより紋、そしてついでに鍵穴は融解し、貞操帯を外す術はなくなる」
「お許しください! どうかお許しを!!」
既に股間は熱を感じて汗ばんでいる。
こんなものを身に着けた金属に当てられたら、何が起こるのか想像するだけで恐ろしい。
「尤も心配はいらん。お前も察しの通り、そもそもその短小も真に使い物にならなくなる。海綿体は焼き尽くされ、二度と勃起できなくなるからな」
「可哀想。でも、仕方ないよねぇ? あんた、負け犬だもん……」
「嫌だ! 嫌だああああ!」
ゆっくりと、焦らすように絶望が近付いてくる。
「安心しろ、後ろから刺激してもらえば今までどおり性欲は満たせる。疼いたら男を見つけて抱いてもらえ」
灼熱の小手と冷酷な処断が今まさに下されようとしている。
俺は最期に死にものぐるいで懇願した。
「待って! せめて最期に有姫様と……!」
「却下♡」
「ぎゃあああああああ!」
小手が貞操帯に押し当てられ、俺の男としての人生は終わりを告げた。
⦿⦿⦿
ここは神宿御苑前、今宵も私は媚を売る。
道行く人々は私の姿を見て、大抵は眉を顰める。
あまりにも恥知らずだからだ。
私は毎日媚を売る。
道行く男に媚を売る。
男に買われて満足させて、端金を落としてもらう。
今日の相手は背の高い紳士然としたダンディなナイスミドルだ。
素敵な男性が相手で舞い上がってしまう私は、もうすっかり雌になってしまったのだろう。
だが、それでいい。
そうやって生きるしかないのだから、男の自分に未練など無い方が良い。
「アン♡ お客様、上手♡」
この客、本当に愛撫とセックスが上手い。
バックで挿入されながら乳首を優しくこねくり回され、快感が全身を抱きしめる。
久々に愛を持って男に抱かれた気がする。
「あぁーン、イッくうぅぅ!!」
前立腺の刺激により、私は絶頂に達した。
同時に、男の熱い精液が腸内に流れ込んでくる。
ああ、素晴らしい。
なんて素敵なセックスなのだろう。
お互いが愛し合い、満足する最高の時間だった。
この男こそ、本当にセックスの上手い男だ。
この男に比べれば、男だった私はもちろん他の客も鷹番すらも児戯に等しい。
有姫の元カレ、紀明のことは知らないが、まああの童貞は言うまでもないだろう。
願わくは、こんな人に飼われたかった。
⦿
「君は、逸見樹君だね」
事後、ベッドで肩を抱き寄せられながら、突如男に名を呼ばれて驚いた。
男は続ける。
「君はいつまでこんなことを続けるつもりかね?」
ああ、風俗を利用したあと説教するタイプか――私は先程までの高評価を後悔しかけた。
しかし、彼の言いたいことはそれとは全く違っていた。
「我輩と一緒に来ないかね? 我輩と一緒に、君をこんな所に堕とした国に復讐をしたいとは思わないかね?」
「え?」
この人は何を言っているのだろう。
皇國に、復讐?
「もし我輩の手を取るのなら、共に戦う術を与えよう。そうすれば、鷹番にも同じ境遇を味わわせることだって出来る」
復讐……鷹番に復讐……皇國に復讐……。
考えたことも無かった。
圧倒的な力の差を前にすると、人は戦うという選択肢を思考から排除する。
犯され続け、いつの間にか私はあの人を求めていた。
強い者に媚びる雌の本能を男根様で尻穴に植え付けられてしまっていた。
だが、今私を抱いているのはこの男だ。
この男は鷹番よりセックスが上手い。
ならば雌の本能は、この男を選ぶ。
より強い男が、あり得なかった選択肢を蘇らせる。
私の手は震えている。
歓喜の震えだった。
この人は、神だ。
私は神の手を取った。
目から涙が止め処無く溢れて来た。
神は優しく微笑んだ。
「歓迎しよう。我々は反皇國政府組織、『武装戦隊・狼ノ牙』」
こうして私、逸見樹は雌に堕ちたばかりか叛逆者にも堕ちた。
だが、後悔は無い。
必ず全てを奪ったこの国を壊してやる。
後悔するのはお前たちの方だ。
鷹番夜朗、有姫……。
例えば、ロープで規制したとして津波の侵入を防ぐことが出来るだろうか。
総じて、根本的な力の差が開き過ぎていると小賢しい技能や抵抗など全く意味を為さない。
十数秒、たったそれだけの短い時間――それが俺に与えられた勝利の希望だった。
いや、実際にはもっと短い。
入れられてすぐに、抵抗の無意味さ、敗北の未来を悟ってしまった。
後は、為す術も無く絹を裂くような悲鳴とあられもない姿を晒し、予定調和に秒殺絶頂するだけである。
「んオッ!? ああああァァーッッ!! ほオォぉぉっッッ!!」
繕いようのない甲高く下品な叫び声を上げ、俺はあっという間にイかされてしまった。
「アハハはっや! すっかりクソザコ雌穴男になっちゃったんだね!」
玉のような精液が貞操帯から零れ落ちるのを見て、有姫様は大笑いしている。
終わった、何もかも……。
「他愛無い。これでお前は追放確定だな」
屈辱と絶望に包まれた俺はただ項垂れて震えることしか出来ない。
だが、冷酷な鷹番様はそれを許さなかった。
「何を休んでいる。敗北は敗北として、入れられたのなら最後まで奉仕しなければ駄目だろう」
「あ、そりゃそうだよねー。可哀想だけど頑張れー」
「ひぎいぃぃぃっ!!」
既に絶頂した負け犬に対し容赦なく再開されるピストン。
有姫様も相変わらず俺の情けない醜態を笑っている。
そこには最早情の欠片もなかった。
俺は何の為に生まれてきたのだろう。
財閥の嫡子として好き放題に女を漁っていた頃は自分が選ばれた人間だと信じて疑わなかった。
その時に築き上げた価値観が容赦なく俺の尻を穿つ。
即ち俺は屑、塵、雑魚、蛆虫。
全て奪われて当然の敗北者。
全て失って当然の無能力者。
繰り返し、繰り返し襲い来る絶頂。
どれだけ恥を晒すのか、惨めで無様な最弱底辺の雌豚男。
阿呆の様に、いや阿呆そのものの顔で惨敗し続けるだけの汚濁に塗れた生き物よ。
『負け犬売春人生……』
俺は気を失ってなお犯され続けたらしい。
鷹番様を満足させられたのかは知らない。
⦿
「ああッ、お止めください! お止めくださいぃっ!」
目を覚ました俺は拘束され身動きが取れない状態にされていた。
鷹番様と有姫様、二人の手により熱を帯びた小手のようなものが股間の貞操帯に近づけられる。
さながらウェディングケーキの入刀のようだ。
「藤の家紋は消さねばならん。これにより紋、そしてついでに鍵穴は融解し、貞操帯を外す術はなくなる」
「お許しください! どうかお許しを!!」
既に股間は熱を感じて汗ばんでいる。
こんなものを身に着けた金属に当てられたら、何が起こるのか想像するだけで恐ろしい。
「尤も心配はいらん。お前も察しの通り、そもそもその短小も真に使い物にならなくなる。海綿体は焼き尽くされ、二度と勃起できなくなるからな」
「可哀想。でも、仕方ないよねぇ? あんた、負け犬だもん……」
「嫌だ! 嫌だああああ!」
ゆっくりと、焦らすように絶望が近付いてくる。
「安心しろ、後ろから刺激してもらえば今までどおり性欲は満たせる。疼いたら男を見つけて抱いてもらえ」
灼熱の小手と冷酷な処断が今まさに下されようとしている。
俺は最期に死にものぐるいで懇願した。
「待って! せめて最期に有姫様と……!」
「却下♡」
「ぎゃあああああああ!」
小手が貞操帯に押し当てられ、俺の男としての人生は終わりを告げた。
⦿⦿⦿
ここは神宿御苑前、今宵も私は媚を売る。
道行く人々は私の姿を見て、大抵は眉を顰める。
あまりにも恥知らずだからだ。
私は毎日媚を売る。
道行く男に媚を売る。
男に買われて満足させて、端金を落としてもらう。
今日の相手は背の高い紳士然としたダンディなナイスミドルだ。
素敵な男性が相手で舞い上がってしまう私は、もうすっかり雌になってしまったのだろう。
だが、それでいい。
そうやって生きるしかないのだから、男の自分に未練など無い方が良い。
「アン♡ お客様、上手♡」
この客、本当に愛撫とセックスが上手い。
バックで挿入されながら乳首を優しくこねくり回され、快感が全身を抱きしめる。
久々に愛を持って男に抱かれた気がする。
「あぁーン、イッくうぅぅ!!」
前立腺の刺激により、私は絶頂に達した。
同時に、男の熱い精液が腸内に流れ込んでくる。
ああ、素晴らしい。
なんて素敵なセックスなのだろう。
お互いが愛し合い、満足する最高の時間だった。
この男こそ、本当にセックスの上手い男だ。
この男に比べれば、男だった私はもちろん他の客も鷹番すらも児戯に等しい。
有姫の元カレ、紀明のことは知らないが、まああの童貞は言うまでもないだろう。
願わくは、こんな人に飼われたかった。
⦿
「君は、逸見樹君だね」
事後、ベッドで肩を抱き寄せられながら、突如男に名を呼ばれて驚いた。
男は続ける。
「君はいつまでこんなことを続けるつもりかね?」
ああ、風俗を利用したあと説教するタイプか――私は先程までの高評価を後悔しかけた。
しかし、彼の言いたいことはそれとは全く違っていた。
「我輩と一緒に来ないかね? 我輩と一緒に、君をこんな所に堕とした国に復讐をしたいとは思わないかね?」
「え?」
この人は何を言っているのだろう。
皇國に、復讐?
「もし我輩の手を取るのなら、共に戦う術を与えよう。そうすれば、鷹番にも同じ境遇を味わわせることだって出来る」
復讐……鷹番に復讐……皇國に復讐……。
考えたことも無かった。
圧倒的な力の差を前にすると、人は戦うという選択肢を思考から排除する。
犯され続け、いつの間にか私はあの人を求めていた。
強い者に媚びる雌の本能を男根様で尻穴に植え付けられてしまっていた。
だが、今私を抱いているのはこの男だ。
この男は鷹番よりセックスが上手い。
ならば雌の本能は、この男を選ぶ。
より強い男が、あり得なかった選択肢を蘇らせる。
私の手は震えている。
歓喜の震えだった。
この人は、神だ。
私は神の手を取った。
目から涙が止め処無く溢れて来た。
神は優しく微笑んだ。
「歓迎しよう。我々は反皇國政府組織、『武装戦隊・狼ノ牙』」
こうして私、逸見樹は雌に堕ちたばかりか叛逆者にも堕ちた。
だが、後悔は無い。
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