上 下
7 / 12

7

しおりを挟む

某ショッピングセンターの特設会場でシェルター組と分かれて先ず、食糧から売り場へと向かった。

お惣菜とかは、流石に出てない。薄暗い中をスマホのライトで照らしながら進む。ホームセンターの時より暗いから少し不気味だ。次々と食材や日用品とかも置いてある物を必要そうな物からカートに乗せたカゴに入れて行く。プラスでインベントリの中へと、どんどん入れて出来るだけ確保していく。

他にも物資調達に来た人が居たのか売り場は何となく物が落ちていたり所々不自然に物がない場所がある。どこのどなたか分からないけれど、どうかご無事で。お互い頑張りましょうね、と心の中で呟く


何て思いながらあと何が必要かな、と考える。あ、そうだ布団や掛け布団なんかも確保。食器とかもかな・・・後、洋服、パジャマ、肌着タオル等ある程度入れて行った。

各自がカートを押していたから結構な荷物になるけれど母と交互に車に積んでくる、と言ってインベントリに入れて行った。母のルーム内に居る親子の分も有るからね、あの女の子の家族分も確保して行く。


こうして、ある程度の物資を確保してそろそろ帰ろうと話していた時だった。何だか、お店の様子が変化して来ている感じがした・・・


「ねぇ、お父さん・・・何だか変な気がするんだけど。何がって言われても困るんだけど。」と私が言うとずっと静かに着いて来ていた黒鉄が

‘’‘俺も、変な感じがする。ココから出た方が良い気がする‘’‘と凛々しく立ち言ってくる。そして首を傾げると

‘’‘空姉ちゃん、急いだ方が良い‘’‘と訴えて来る

それと同時に、母御付きの鴉が
‘’‘イソイデ、来るよ!怖いのが来るよ!!カー、カーーーー‘’‘と羽ばたき出した

「お父さん!お母さん!」 

と言った時には既に母は、一緒に調達に来ていた女性と男性に

「ココから出なきゃいけない!兎に角急いで!!」
と見たこと無いキリリとした顔で告げ、今回はちゃんと入口に向かって小走りに進んでいた・・・

私達も追いかけ、シェルターへとカートを押しながら駆けて行く。すると母があちこちに目を走らせアイコンタクトでこっち来いをしている事に気付いた。先に父とお二人にシェルターに行って貰い他の方達を誘導して貰うよう伝え母の元に行くと

「空、視える?なんか空気って言うか揺らいでるの・・・ここも飲み込まれるか、変わってしまいそうだよ。なんか、変な感じ。」

「うん、私もそんな気がする。どうなるか分からないけど・・・進みながら出来るだけインベントリに入れて行く?」

「うん、そのつもり。お父さんも分かってくれてたみたい。無くなるなら遠慮無しで良いね。でも、違ってたら困るし他の人も欲しいよね。て事で少し残してあとは頂こう。」

と真面目くさって言ってるけど・・・母よ、それってほぼ全部だよね? と母が収納する所を見て思ったが言わないでおこう、娘の情けだ。


て事で、ココからはもうカートはそのまま収納して残してドンドン収納しながらシェルターの所へ。そしてシェルターも少し残して入れて行った。

他の皆さんはどうやら車に乗れたみたい。後は私と母と黒鉄、鴉だ

物資を持ってる私と母は分散した方が良い、と思っていたらお父さんがその辺は上手くやってくれたみたい。

私が乗り込むと

「ヨシ、全員乗ったな!

凛、行くぞ、俺に着いて来い!!」

後半は、母の方に向かって叫ぶ父

初めて、父をカッコいいと思った

「はいよー!」
と何だか餅つきの様な少し間の抜けた返事の母・・・でも、顔は凛々しい



そこへ、悪人の男達がやって来た


「おい、やっと見つけたぞ!女置いてけ!」

「良いさ、ほっとけココ占拠したらもっと良い女見つけて連れで来れば良い。」

「早く、入って酒でも呑もうぜ!今なら飲み放題、食べ放題だ。」


と入って行く男達、大丈夫かな。追って来ないならまぁ良いか。でも、誰か囚われたら困るから今度見に来よう。何て思っていたら



「ギャーーー!」

「やめろーわーー、来るなーー」

「嫌だーーー!離せっ、ギャーー」



と言う、悲鳴の様なものが聞こえた後さっき母と感じていた揺らぎが某ショッピングモール全体を覆った・・・


エンジンをかけて少し見ていた私達だったけれど揺らぎが全てを覆ったのを見たのと同時にガッツリアクセルを踏んだ父と母だった





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」 その天使の言葉は善意からなのか? 異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか? そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。 ただし、その扱いが難しいものだった。 転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。 基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。 ○○○「これは私とのラブストーリーなの!」 主人公「いや、それは違うな」

現代ダンジョンで成り上がり!

カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる! 現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。 舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。 四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

処理中です...