5 / 12
5
しおりを挟む父と黒鉄を先頭に私、母と進む。母の肩にはあの鴉が居る。天井が案外高い為いけるだろうと私たちに停まって中に入った鴉達。母の鴉以外は中に入ったら飛び上がった。あ、小鴉達はルームの中だ。
入ってみたが大きな音はしない・・・。でも、「静かにして・・・」微かな音を聞き取り音のする方へ向かうとそこには・・・人が倒れていた。側には、犬と静かに泣いている女の子。男性は父親だろうか、頭を打ちつけたのか・・でも息はある乱れた感じもしない。それと女性、気を失っているが外傷は腕、でも頭も打撲した?腕の方は大きな傷では無く出血もそこまで無い。
「あなたは大丈夫?」と母が聞くとコクリと頷く
あ、そうだ鑑定ある!人にも鑑定出来るかな。と思いつつ鑑定してみると
人族 32歳 男
頭部打撲 中等度 昏倒しているが生命に別状無し
善人寄り
人族 31歳 女
頭部打撲 軽度 生命に別状無し
善人寄り
何だか知りたいと思った事だけ見えた。取り敢えず安心だね
「今、御二人を鑑定したけど生命に別状無しだって。ただ、頭を打ったみたい。後、良い人達みたい。」
「ああ、ありがとう空。」
「一旦ルームに入っていて貰おうか。」
と母が言いながら女の子に向かい目線を合わせると
「改めてこんにちは。怖かったのによく頑張ったね、パパとママは大丈夫だからね。これからおばちゃんと一緒に優しいお部屋に行こうね。パパとママも一緒だから大丈夫だよ。ただ、そこにはカラスの子供がいるの、怖いことはしないから仲良くしてね。」
とゆっくり伝えるとしゃくり上げながら頷く。声が大きくなると危険かもしれない、と思っていたらシュンッて感じで母と親子が消えた。暫くして母だけ出て来て、中に入ってもう泣いて良いよって言ったら安心して泣き始めたらしい。まだ小さいのにお利口さんだ。
「よし、もう少し見て回って必要になりそうな物を頂いて行こう。他にも頂きに来る人も居るかもしれん、少しずつだ。」と父が言い私達は店内を回った。
日曜大工、いわゆるDIYの工具やラップや日用品、トイレットペーパー、あと薬品、軟膏諸々や風邪薬や痛み止め、ETC
そう言えば、ここのホームセンターペットショップあった気がするな・・・
黒鉄用のフードやオヤツをと思って進んだ時ふと思い出した。するとやはり居た、キュンキュン、クンクン、ミャアミャアと・・・ハムスターにインコ・・・張り付く母、引き摺り離そうとする父。だが、2:1で女子の勝ち、この区画全部保護。母の想いが強いのかルームが拡大していた、おばちゃん恐るべし。ペットコーナーは申し訳ないけど全部頂いて行く。ペット以外は全部インベントリへ収納。
色々な事があったけれどそろそろ帰らないと夜になる・・・モンスターの行動範囲が夜拡大したら?怖い、見えない恐怖早く帰ろう
「お父さん、そろそろ帰ろう。」
「おう、そのつもりだ。ここで最後だ。」
母も頷き、扉の場所にリフォームコーナーから持って来た扉を何とか取り付けまた、ゴルフクラブを握りしめホームセンターを後にする。
近くにあった車を何台か収納し、恐らく先程の親子の物だろう車もインベントリへ。そしてゴツメのジープ系の車の扉が開きっぱなしだったから乗ってみたら動いた、有り難く頂戴し‘’‘家‘’‘へ・・・向かおうとしたら、数人の女性と子供、足を怪我したっぽい男性がヨロヨロとしながらも走って来た。 その後から追いかけて来る人が数人いる。
善人かどうかだけ鑑定したら、左側に悪人、右側に善人と書かれたバーが表示され全員右寄りだった。後ろから追いかけて来る人は普通な感じに見えるけれど、バーはかなりの悪人寄りだった。
「後ろの人は、悪人だよ!前の集団だけ助けなきゃ! でも、乗り切れない!」
と声を落としつつも叫ぶと母が、
「私が、行く!」と車から降りてホームセンターと車を全て収納。驚く人達に
「乗って!!」と車で乗りつけた。全員が乗ると猛スピードで走り出した・・・反対に
仕方ない。父ため息一つ、
「掴まってろ!」と言いうが早いか猛スピードで追い出した。
「きっと、悪い奴を撒くつもりなんだな・・・」と父が小さく呟く
「うん、きっとそうだよ。追えないように、物資も渡さないように、ホームセンターも車も収納してたもんね。」
「「・・・・・」」
続く
20
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる