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しおりを挟む【家】に辿り着き家の皆んなに改めて紹介する。皆んなレオン君兄妹、ブランシー君兄弟を暖かく迎えてくれた。大丈夫と思っていても不安だったから嬉しい。
部屋も決まりレオンが働くと言ってくれたけれど、今は兎に角体力を取り戻す事が先決だ。ブランシー君に関しては身体のあちこちに怪我を負っていて化膿しているところがあった。それでかなり熱が出ており余計に体力が落ちているのだろう。孤児院から部屋まで騎士の方が横抱きで連れて来てくれた。この世界日本の様に医療が進んでいない為感染症で命を落とす事も結構有るのだ。心配だ、どうすれば良い? 何か素敵な魔法が有る? 日本だったら、病院に行って抗生剤の点滴や栄養剤、水分補給や諸々点滴したり落ち着いたら内服のお薬も出して貰えるのに。せめて解熱・鎮痛のお薬無いかな・・・。
光魔法、治癒もあったよね。あれはピカピカ光るだけが能じゃ無かった筈。でも、先ず怪我の部分を洗浄して綺麗にしないとバイ菌が繁殖するだろう・・・なんか、異世界ものでは収納とクリーンとか諸々の生活魔法が凄く便利な印象があったな。お風呂に入るのも体力消耗するから、クリーン造ってみよう。
イメージが大切。先ず身体洗うイメージで『クリーン』うん、出来たけどこれだともう一歩って感じだな・・・お気に入りのbodyソープで洗った後のイメージをしてみると、良い!凄く良い! この調子で、お気に入りの良い香りのシャンプー・トリートメントで洗髪したイメージをすると・・・・・、ああ、これよ。この指通り・・・てそんな事でうっとりしている場合じゃ無いよ、私。
傷に入っている土?汚れを流して、余分なバイ菌や諸々を除く・・・そして治癒するのに必要なモノはそのままに、とクリーンをイメージする。・・・自分が怪我が治ったしそう言う酷い外傷?負った事無いからイメージしづらいけどブランシー君の怪我をクリーンで綺麗にするイメージをしてみた。何だかいけそうな気がする。
それと、治癒、今まで自分の事だったからこれくらいだったら大丈夫、死なないって分かってたから我慢したけれど今回ブランシー君の怪我は、放っておけば命に関わりそうな感じだった。 治癒の魔法、きっと私にも出来るはず。
酷い現状を思い出す、それが洗浄されて綺麗になり治癒に必要な免疫系もアップして身体に必要なモノが全て修復されて元の状態、それが活力アップした状態へ・・・と神経を集中してイメージしていく・・・ジワリと汗が伝い落ちる。
思い込みかもしれないけれど出来る!そう思った。
公爵様のお部屋に集まり医師の見立てを元に大人達が相談しているところだ。そこへ話に行く。皆様に先程のクリーンの事と、治癒の事を伝える。
「アイリーンの、スキルならあり得るな。正直、医師の見立てでは、ブランシー君が助かる見込みは無いだろうとの事だった。だったら出来るだけ楽にしてあげようと言う方針になっていたんだ。彼が助かる道が残されているなら、使わない手は無い。今直ぐやってみよう。」と公爵様が仰って早速ブランシー君の部屋へ行ってみる事に。
ブランシー君はベッドに横になり玉のような汗をかき青い顔をしていた。 かなりキツかっただろう。それでも、公爵様たちを見て起き上がり挨拶をしようとしてくれた。
「起き上がらないでおくれ。君がかなり無理をしているのは分かっている。君が回復吸うる方が大事だよ。実は・・・・・・」と絶対効果がある訳ではないが、私が治療出来る可能性がある事を伝え、受けるのも受けないのもブランシー君に委ねるが、出来れば受けて欲しい事を伝えてくれた。この場には、レオン、も居た。ラウル君には別の部屋でメイドさんとマリーちゃんと少しずつ食べて貰っている。
「・・・・・お医者様にも診せて頂き感謝しています。でも、僕が助から無いのは分かっています。それでも、助かる方法があるのならばお願いします。ダメだったとしても文句なんて言いません。」と途切れとぎれながらも伝えてくれた。
「俺からも、お願いします。頼むアイリーン。」とレオンも頭を下げる
「わかった。1回じゃ無理かもしれないけれど少しでも楽になる様に、より回復する様に頑張るからね。」と、伝える
そして、早速クリーンから始める。1番酷く化膿している箇所から開始。先程イメージした様に、不必要なモノが無くなり必要なものを残して綺麗に!と祈った。何となくだけど淡く白く光った気がする・・・どうやら成功だ化膿部分が目に見えて綺麗になった。そして、炎症がなくなり元の状態、イヤもっと丈夫に・・・と祈った。真剣に集中していきどれくらいたっただろうか・・額や首、背中、とビッショリ汗をかいていた。1箇所と思っていたけれど他の部分も掛かったようで大きな傷は何となく痕が残っているけれど小さなものは分からなくなっていた。
ブランシー君も玉のような汗は引き始め、顔色も血の気が戻り表情にも力がある。
「アイリーン様、ありがとうございます。中の傷は見えませんが治ったと思います。痛みも、苦しさも無くなりました。本当にありがとうございます。」としっかりとした表情で言ってくれた。
ああ、良かった。本当に良かった・・・と思ったところで集中し過ぎたのか酷い疲れを感じて意識が遠のくのが分かった
「良かっ・・・た。」ちゃんと言えたか分からないけれど何とか返事したつもりだ。ホットしながら意識を手放した
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