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義母とリリーと、ルンダー様
しおりを挟むリリーをエスコートするルンダー様達に、エントランス階段を降りつつ義母が声を掛けてきた。そして、応接室へ一緒に入って来るでは無いか。
「あらあら、ルンダーさまごきげんよう。今日も麗しくていらっしゃるわね!そちらのご令嬢は?どなた?」
「ああ、オーヴェルグ公爵夫人!貴女は薔薇より美しい
此方は、私の大切な人リリー・ファラーモ子爵令嬢です」
「オーヴェルグ公爵夫人。ごきげんよう。私、リリー・ファラーモです以後お見知り置きを」
と、カーテシーしながら可愛らしく見上げる
「まぁ、まあまあまあ!!何て可愛らしい方なの!
美しくて、可愛らしい花のようね!うちの、アーシャとは大違いきっと心まで可愛いらしい方ね!」
と、満面の笑みを湛えて、最後の方は私へ悪意を向ける。
「おお、流石オーヴェルグ公爵夫人そうなんですよ。
このリリーは、幼き頃より大変愛らしくて、心根優しく。
私も、大切にしているのです。
ところがですね、婚約者の、オルター侯爵子息がリリーに冷たく当たり、いつも哀しみ寂しがっているのです。」
「まあ!それは大変!!!是非とも御慰めして、元気付けてあげて下さいましね!」
「!!!オーヴェルグ公爵夫人!ありがとうございます。シクシク。本当に私。。哀しくていつも泣いておりましたら、ルンダー様が側にいて励ましてくださいますのよ」
「まぁ、それは、当然ですわ」
「でも・・・」と私の方をチラリとて
「アーシャ様は、お嫌ですの。いつもワタクシの事睨んで、叱って来るのです。
ルンダー様を私から、引き離そうとしますのよ」と、さも哀しそうに泣いてみせる
「え?アーシャが・・・リリーを睨んで、しかも叱ってくるの?何でもっと早く言わないんだ?辛かったろう。リリー」
と、リリーの頭を撫で、キッと、私の方を睨んできたルンダー様
「アーシャ!!!
君は何て酷い女性なんだ!辛い想いをしているリリーに優しくする様に申し付けた筈だ!!」
申し付けたって。私は、申し付けられてたんだ。
「ルンダー様。ワタクシは、睨んだりしておりませんし、叱った事などございません。」
「そんな!私が嘘を付いていると。そうおっしゃるの?」シクシクシクと儚げに泣いてみせる。
「まぁ!何て嫌な子なのかしら」
「謝るんだ!アーシャ。
僕がこんなにも愛する女性はそんな人じゃ無いだろ?」
「私の事は、信じてくださらないのですか?」と、思わず手を伸ばした
「きゃあー怖いわ!!!」と
ルンダー様にしがみ付き・・
「もう、打たないでくださいませ許して。許してください。アーシャさま!!」
「・・・」何処のお芝居よ
「君は、リリーを打ったのか?!?」
「いいえ、ワタクシは人を打った事はございません。」
「僕は!君のことを心から愛している
それなのに君は。僕の大切な人に優しくしてはくれないんだだね君を愛しているのに。残念だよ。」
「本当に、ワタクシハ・・」
でも、もう誰も私の言葉など聞いてはいませんでした。私を一瞥した後、部屋から出て行ってしまわれたから。私は、どうすれば良かったのでしょう。もう、私の言葉は届かないのでしょうか。
しかし、その数日後ルンダー様が2人で会いたいと言って来られた
「アーシャ、愛しているよ。例え、君がどんなに酷い人でも。愛している。」
と抱きしめてくれた。複雑な気気持ちを抱えながらルンダー様を見つめる
リリーに優しくは出来なかったけれど、辛く当たってもいない。ましてや、打つなんて。ソレは信じて欲しかった。
私達の間には信頼関係は、無かったの?
それから極希に短時間だけどルンダー様と2人で会えたリリーがオルター侯爵子息と会っていたから。ご自分が、寂しかったのかな?
「アーシャ、愛しているよ。今この時は君を愛している」
と、抱きしめながら。
「リリーは、優しく素晴らしい可愛い子なんだ。だから私にも彼女を大切にしなさい」と、申し付けてくる
ルンダー様は、私の心の痛みには気づいてくれない。見ようとしないから
それから暫くして、リリーとオルター侯爵子息は婚約を解消した。ルンダー様は、いつだってリリー様の味方
私はエレーナと過しているだから、寂しくなんかない
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