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おかえり、黒鉄

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「キュウン、」ペロペロペロ
「ふふふ、くすぐったいよ黒鉄・・・」

「 っ!!!!!」モフモフした感触がある!コレは、頭、耳!身体、尻尾!!
ハッと目を開けると、目の前に優さんの綺麗な顔があった。 目が!目がーーー!

チガウ!!そうじゃ無い!このふわふわの感触は!!!ちっさいけど!
「キュン!クゥン」ツン、ペロペロペロ

そこには、ちっさくなった黒鉄が、前と変わらず、イヤ小さくなったけども!そこに愛すべき私の愛犬の姿が!!!!!

「クロ、クロガネ'ーーー」オンオン泣く私。「杏里、ただいまー!キュン」ペロペロペロペロペロ

「ぐろ"がね"ーーーー、」
「杏里、鼻水はティッシュね!」と尻尾をMAXにぷりぷりする黒鉄。ティッシュの方を鼻で指す・・・
「う"ん。お"か"え"り」そっと抱きしめて頬擦りする。

「ふふふっ」と優しい笑い声で私達2人を抱きしめる優さん。

「黒鉄は、どこから来たの?」と優さんが
「うん、オレ、杏里の事みてたよ!杏里の側に戻って来れる様になるまで待ってた」
と、キュフキュフ、クンクンしながら黒鉄が哀しげな顔に

「え・・・・・」私をミテタ?
私、酷くなかったかな?鬼の様な顔してたかも。だって、オークの生命を当たり前の様に奪ってたもの・・・嫌われたかも


「杏里、直ぐに戻って来れなくてごめんね。7回寝ないと戻れないお約束だったの。そうしないと、オレの身体と魂がダメだったから」

「うん、大丈夫。戻って来てくれて嬉しい。ありがとう」

「杏里の【繋ぐ】があったから側に居れたよ!杏里大好きღ」

「私、怖くなかった?」

「怖くないよ。オレの大好きな杏里。でも、沢山悲しませてごめんね。

オレ、もう強くなったから、直ぐにはヤラレないよ!オレ、神獣のフェンリルって狼になったから!杏里の事も、皆んなの事も護るよ!」

「何か、分からないけど、神獣って。神獣?物語とかラノベにも良く出てくる? そしたら、黒鉄は死なない?」
何だか分からないけれど、黒鉄が帰って来てくれた!それだけで何でも良い!

「うん、オレ直ぐ死なないし、皆んなも護れる!」

「どうやってなったかは分からないけれど。黒鉄が戻って来れたならそれで良い!」

「うん、訳は話せないんだ。ごめんね。」
と、優さんの方を見て言う黒鉄。
うん、私は何でも直ぐ受け入れるけど。普通はそうじゃないよね・・・

「大丈夫だよ、黒鉄君が戻って来てくれた。それだけで、俺も嬉しいよ。俺も、黒鉄、の事が大好きだからね」と優しい顔で言ってくれた。良かった。

「うん、ありがとう!優!オレも優の事大好き!!杏里を心配して、守ってくれてありがとうね。」と、キュン、ペロする黒鉄 

「うん、良かったよ、黒鉄が受け入れてくれて。俺は、これからも君達2人の側に居て良いのかな?」と優さんが黒鉄に問いかけると。

少し、首を傾げ・・何か物音をよく聞こうとする時とか、少し考える時に黒鉄がよくする仕草だ。 何だか賢そうな顔つきで
「うん、優に、ずっと側に居て欲しいよ!大丈夫そうだから!」と

尻尾もぷりぷりしながら答える黒鉄。うん良かった。始まったばかりの優さんと私だけど。黒鉄もそう言ってくれるなら嬉しい。何より、優さんが黒鉄の気持ちも聞いてくれたのが嬉しい。だって、再婚相手の子供の気持ちすら気にしない人も居る。更に、暴力を振るう人だって、沢山いる

こうして、実年齢が45歳と40歳の私達は身体が若いから、身体に引っ張られはするものの、何だか再婚同士の様なお付き合いを始めたのだった。イヤ、コレからきっと煌めくラブラブもあるよね?綺麗な景色を一緒に見て、美味しい物を沢山食べてღ




黒鉄が居る。2人を抱きしめてくれる優さんが居る。とても幸せだ







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