ある月の晩に  何百年ぶりかの天体の不思議。写真にも残そうと・・あれ?ココはどこ?何が起こった?

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出発の前の晩

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明日はとうとう出発の日となる。準備はオッケイ! この世界に召喚されて王女から追放を言い渡されたり、元恋人と言うか婚約者だね。とその彼の浮気相手で職場の元後輩にも絡まれたりと嫌な事ばかりあったけれど・・・

今となっては、嫌な事が昔の出来事に感じるくらい、どうでも良いと思える。そんな事より明日からの旅が楽しみで仕方ない。 

要らない者扱いされて、嬉しい反面悲しかったけれど私達は自由を手に入れたのだ。やっぱり自由は、何ものにも代え難い!

そんな事を思いつつ、晩御飯の為の野菜の皮を剥いて行く。少し、剥き過ぎたかも。 沢山作れたらインベントリに入れて持っていけるから良しとしよう。

今日は、豚の角煮と、煮物。 男性からのリクエストで唐揚げ。 と、フライドポテト揚げ物のついでね。 サラダは、温野菜サラダ。この世界は衛生面が日本程では無いから、初日からお腹を壊すのは嫌だもんね。 それと、玉ねぎの卵とじスープ。

唐揚げ1つ味見したけれど、めっちゃ美味しかったよ! 
醤油っぽい物もあったから出来たこと。 私達より前に来てきっと沢山の苦労をしたであろう先人の繋がり人さん達に大いなる感謝を。 そう、醤油もあったのだ。お味噌はお味噌汁があった時点で何となく知ってた。まぁ、味噌から派生するのが醤油だから  (私が調べた感じだとそう感じた)  それも道理かな。 



親父さんが飲み物のグラスを持ち、音頭を取る。
「明日から、新たな出発じゃー、たのしむぞー!かんぱーーーい!!」 

「「「「「「「かんぱーーーい!!!」」」」」」」

色々な出来事、想いを載せた言葉。短い言葉だけど皆んなにちゃんと伝わってる。

「明日から楽しみだねー」私

「そうだね~、いきなり日本から異世界に連れて来られて。王女さまも高飛車でやな感じだしどうなるかと思ったけどさぁ、結果生産者で良かったと思うわー」清羅さん

「本当、それ」樹凛さん

「何だかんだ、良い方向に進んで行ってる感じしますね!」真斗さん

「俺は、皆んなと出会えて本当に良かった。日本では、独り身だったけどまぁ、幸せ?とは思ってたけど。今となってはこっちに来れて・・まだ、たった数日だけどね?逆に良かったとも思うよ。」フッと笑いながら話す優さん。カッコよーーー!

「まぁ、おまえさん達がそう思ってくれるなら良かったよ」と親父さん。

「僕も、あなた達に会えて一緒に王都から出て行けて・・嬉しい」琥珀君

「私の、勘が外れてなくて良かったですよ。あ、それと明日から出るのはどちらからですか?」とヨワヒムさん

「あ、ソレはですね、ガントさん曰く、東門から魔淵の森付近まで行く予定だそうです。王女殿下の命令で馬さん達を捨てに・・・」と私

「!!!そんな事が・・・。」ヨワヒムさん

「はい、それが辛すぎて耐えられないとガントさんから馬さん達を引き取って貰えないかと打診されたんです。己の身さえ明日をもしれないのにどうしようかと思いましたが、逆に馬さん達が一緒の方が良いと言われて、お引き受けする事になりました。」

「そうだったのですね。それは、確かに魔淵の森近くに行った証拠が必要ですね。」

「はい、そうらしいです。モンスターに襲われて散り散りになったと言う事にするそうです。その後で、私達が馬さん達と出会って共に過ごすのは大丈夫だと言ってました。」

「なる程・・・私も明日から行商に行くとはお伝えしましたが、同行しても宜しいですか?」と首を傾げながら聞いてくる。

皆んなは、うんうんと頷きながら同意してくれてる

優さんが「私は良いと思いますよ?皆んなも同意してくれてますし、大丈夫と思います。旅の仲間が増えるのは嬉しいですね」と、伝えてくれる。イケメンは何しててもイケメンだね。

と、平凡な私は変な所で感心していた。
ココは、私以外全員が美男美女だ。親父さんも、ガハガハ言ってるけど、イケおじだ。(怖いけどね!)琥珀君もシュッとしたイケメン。
清羅さんは凛とした穏やかなのに?!クールビューティ。真斗さんはキラキラ王道爽やかイケメン。樹凛さんはクールインテリメガネイケメン。ヨワヒムさんも、穏やかそう、だけど何かを隠し持った腹黒とまでは行かない?イケメンだ。
はぁーーー、格差社会がココでも・・・私だけ平凡だ。黒鉄だって犬の中ではイケメンな上に可愛いღ最高のワンコだよ!

まぁ、良いよ。私は、我が道を行くさ・・

その後は、明日の事とか色々打ち合わせやガントさんの事、馬さん達の事などなど話しつつ時は過ぎて行った。その中で、

「それにしても、急すぎるからこの工房の物を少ししか持ち出せないのが、残念で仕方ありません・・・」とヨワヒムさんが鎮痛な面持ち。

「あー、そこ言って無かったですね。実は・・・カクカクしかじか。」と私が話す

「おー、そんなに凄いインベントリだったとは。恐れ入りました」と頭を下げるヨワヒムさん。

「やっぱり、大きいですかね。」と聞くと

「そうですね、インベントリ持ちの方はそこそこ居ますが、そこ迄のサイズのインベントリ、アイテムボックス持ちは聞いた事無いですね・・・」との事。

「そうそう、私のはアイテムボックスでは中には入れないし、容量もまぁ、入るとは思うけれどそこまでは大きくないと思うわ。」と清羅さん
「俺もだな」と優さん
うんうんと頷く、真斗さんに樹凛さん。

「そうかぁ。だったら、私にも良いとこが有るって事だね」と思わずニッコリ。だって、引け目感じるんだよ。色々と。

「それは凄いスキルですよ!」

「ふふふ、そうですか!  ヨワヒムさんも何か持って行きたい物が有れば入れますから持って来てくださいね!」と思わずドヤってしまうも、荷物のお誘いもした。数少ないだろう長所に嬉しくてついね。

「おおー、では、明日はお言葉に甘えて少しお願いします。」と、笑いながら言ってくるヨワヒムさん。

そんな私達をニコニコしながら見ている皆んな。優しい人達に出会えて幸せだなぁ。


「それじゃ、今日の所はコレくらいでお開きとするかな。」と親父さんがパンパンと手を叩く。
それを合図に片付けし、明日の時間と場所を確認してヨワヒムさんをお見送り。

「じゃ、また明日!」と帰って行った。

本当、楽しみだなぁ





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