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月、ちっちゃっ!
しおりを挟むそれは、何百年かに一度起こる天体の現象だった。その日はテレビでも、あの歴史上の人物も眺めたのでしょうか・・・
なんて、取り上げられていた
ソレハ、私も眺めねば!何て事を言いつつ愛犬とぼんやりと眺めてスマホで写真を撮っていた・・・
それにしても、もっと大きく迫ってくるくらいの月を予想していたら・・・
時折禍々しく感じる程赤く、大きな月の時があるのに対し今宵の月はとても、とても小さかった! ちっさ!!
堪能しづらかったけど、ぼーっと眺めておいた・・・
そして、1番のクライマックス!!小さいけど、zoomして撮っておこう!
てとこで、撮ろうとするけど、あれ?撮れないよ・・とてもブレブレだし、何回も撮り直す。何故にブレる?いつもの私クオリティだけど、今はブレてない筈なのに・・・うん、コレで勘弁してやろう。
「ワオーーーーーン!」
どうした!愛犬よ!君がそんなに遠吠えするとは!!びっくりだぞ!
「どうしたの?月か?月がアールにそうさせるのか?!」
話しかけるといつもは振り向き返してくれるのに今日は一心に月に向かって遠吠える愛犬。珍しいなぁ・・・
何て思っていたら。 グラグラグラグラッ
「ワウ!ワン、ワンワンバウッ!!」
と吠え始めた。さりげなく私に寄ってきて左足を私の足の上に・・怖いんだね・・それでも立ち向かう我が愛犬。怖くても守ろうと前に出るその姿にジーンときた。
「大丈夫だよ、一緒に居るでしょ?」と愛犬を抱きしめる。
と、その時・・夜なのに周りが眩く光った。ギュッと愛犬を抱きしめる。
次の瞬間、周りが騒ついている事に気づいた。 ん?さっきまで父母の遺してくれた自宅の屋上にいたのに。何が起こった?腕には愛犬を抱きしめている感触がある。戸惑いながら目を開けると・・・
何だか時代がかった欧風の大広間の様な場所に居た。そして、周りには似た様な?戸惑いを隠せない人々が大勢居る。
そして、周りをこれまた時代がかった?鎧を纏った騎士?に囲まれている。正直怖い。そして、昔のヨーロッパの人?って感じの服装を身に纏った男性と、同じくドレスを纏った女性がいる。女性のドレスは以前見た物よりもデザインと生地が高級そうできっとある程度位が高い人の様だ。
え・・・?
訳が分からないけれど、側には愛犬。私達は現在2人暮らし。愛犬と私だ。もう、人としてカウントして問題ないだろう。私の大切な家族だもの。両親を喪くして早何年だろう・・・結婚間近だった彼と別れてからはずっとお一人様だ。一人娘だった私はそう、愛犬と二人暮らし。私が小さい頃からずっと、黒い和犬と暮らしている。この子で3代目となる。
そんな戸惑いしかない私達に、中世ヨーロッパ人の様に見える男女から声がかけられた。
先ず男性から
「皆さん、良く来てくださいました。私はこの国の王のワーククレットと申す。貴方方は数百年に一度、我らの世界と繋がる彼の地より、我らの世界を助けて下さる力を持つ者達。やっと、この時が来ました。我々を助けて下さい。」
何か、お願いしてる風に見せかけて、上からな物言いをする人だなぁって印象のおじさん。
次は、コレまた私の嫌いなタイプの女子っ、て感じの女性・・・最初から偏見は良くないよね。でも、何か、ヤダ
「皆様、ワタクシ、この国の王女のプリシアですわ!来てくださって嬉しく思います。 ワタクシ達をお助けくださいね?」
俯きがちにキュルルンって音がしそうな上目遣いで見て来る王女様。可愛いから、いや、かなり可愛いからそれにヤラレテいる男性がかなり居る。皆、日本人ぽいな。そして年齢が全員?高校生くらいに見える。私を除いて・・・なんせ、私は40歳。まぁ、いいや年齢の事は。
ダメよ!皆んな慎重にね!と思うけど、ババアの僻みと取られては困る。お口チャックね。私達は男性が多めで、女性は3割ってとこかな。
大体100人くらいなのかな。さっきから何となく人数を数えてみたらそれくらいに見える。それと、うちのワンコね。
「あら、何だか、獣が混じってるわね」
あ、うちの子の事ね!
「この子は私の大切な家族です。」
ギュッと抱き寄せる。と言うか、抱き上げとこ。あれ?何か声が少し高くなってる気がする。良くみたら手も若い?うん、高校生頃くらいかな。鏡ないから分からないけどね。
「まぁ・・・良いですわ。ワタクシに近づけないて下さいましね?」
とジロリと見られた。
何だよ、勝手に呼んだくせにさっ。私の大切な家族である黒鉄の事をそんな風に言うなんて、やな奴!ケッ!
数人の方が側に寄ってきて、庇う様に周りに立ってくれた。小さな声で、
「何だか、勝手に呼んでおいて嫌な感じのする人達だ、気をつけよう」
と、こっそり言ってくれた男性とウンウンと同意しながら側に寄ってくれた女性。と男女数人。私も小さな声で
「ありがとうございます。」と、そっと感謝の意を伝える。
「少し、予定外の方もおりますけれど、他に優秀な方々が沢山おられる様ですから、良いですわっ。」と、コチラを見遣り
「ワタクシ達の世界は、近年強い魔物と魔素により汚染されつつ有ります。魔の物を討伐し、魔素を浄化する事の出来る力を持ったあなた方を召喚出来るのがこの天体の神秘が重なったこの時だったのです。
どうか、あなた方の強いギフトとスキル、能力を使ってワタクシ達をお助けください!」
ザワザワと、騒めく日本人の皆さん。
1人の男性と言うか、少年が
「私達は、平和な国に住んでいました。魔の物と闘う事や、争い事、魔素なども存在していない世界で過ごして来て、戦う術は、知りません。あったとしても使いこなせない人が殆どだと思います。」
すると、中世風の男性王様ね。が(コチラは、30代後半に見える。)
「ソレハ、問題ありません。この国の王である私が、面倒を見ます。
それに先立ち、皆様にどんなギフト、スキル、能力が有るのか確認する為に”ステータス"を確認させて頂きたいのです。それにより、戦う術が無い方は、数日コチラの王城に居て頂いて、他に有用な物が無いか確認した後、当分困らない予算をお渡しします。安全に市井に降りて頂き自由に暮らして欲しいと思います。」
要は、能力ない者は、少しお金あげるから出て行ってね!って事か。地球には帰れないのかな。ま、私は家族は黒鉄だけだし良いけど、嫌な人もいるのでは?
特に、ご飯ね!日本食は美味しい!私もソコは、辛いよ。白米に色々お醤油。お味噌欠かせないよね!
いきなり殺される異世界物とかもラノベで読んだ事あるし、良い方かな。
しかしこんな所には、頼まれても居たくないよ。出来るだけ役に立たない、自由に暮らせるギフト、スキルが欲しいなぁ
そんな事をツラツラ考えていたら、先程の男性が、
「少し良いですか?元の世界には帰れないのですか?」と質問した。すると
「申し訳ありませんが、貴方方が元の世界に戻る為には、また数百年待たなければなりません。繋がる時は、ほんの数分なのです。」と返って来た。
「えええーーー」「そんなあー!」
「帰りたいよ!」と様々な反応を見せる人々。
「ッチ、面倒くさいなぁもう。」と小さく呟く王様。と目配せ合う王女
え?、今何か聴こえたよ!
私の周りに居た人々は聞こえた様で
「やっぱり、碌な人達では無いね」
と頷き合う私達。
「皆様!お帰りになる事は叶いませんが、ワタクシ達貴方様方を最高のお客様としておもてなし致しますわ!」
と、気持ち悪く上目遣いして来る王女・・
その言葉と同時に見目麗しい男女がかなりの人数出て来た。
「この者達と共に、頑張っていきましょう?・・・では、隣のステータス確認の間へどうぞ 」と促す。
「うわぁ、レベル高ーい!」とはしゃぐ女子。ボンキュッボンの美少女、と様々な麗しい男女に目を奪われる皆様・・・騙されてるよ!貴方達!と思うけど今は声を大に出来ない! そこまで、イケメンや可愛い、綺麗女子に興味が無くとも持ち上げられて嫌な気持ちになる人は居ない、いや、ほぼ居ない。少数は居るかもだけどね。
私の所には黒鉄が居るから?なのか、誰も寄って来なかった。私の周りに居た男女グループは、見目麗しい男女からそっと距離を取りつつ様子を見ている様だ。
それぞれ何となくグループになりつつステータス確認の間へ移動していく。
どうなる事やら・・・
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