27 / 55
夜会が終わってから
しおりを挟む何とかお披露目の夜会も終わり、ひと段落と言った所。他国から現れ急に王女になったのだ周りが反発するのもまぁ、気持ちは分かる。だからと言って撤回する事はしないけれど・・・
コレからも色々言う者は居るだろうけれど・・・今迄は、何に付けても周りの事を考えて生きてきた。前世からずっと。
でも、もうソレはしないと決めたから。周りに迷惑をかけるならばやらないけれど、コレからはやりたい事はやると決めた。自分の為にも生きて良いと思ったから。
王妃様も、ジュリアーナ様も私と過ごす刻を大事にしてくださっている。こうして近くに居るのも後少しだと分かってくださっているから。言葉の端々にそれを感じる。前世の母と共にいる様な心温まる刻を過ごしている。
お2人と一緒にお茶会に参加するのも大分慣れた。反王制派とも言うべき後令息、御令嬢、とのやり取りにもかなり慣れた。正直どうでも良いとも思うけれど養女にして守ろうとしてくださっている両陛下、ユウフィア公爵家には恩を感じているから頑張っている。
その一つに、功績のあった貴族への褒賞として私が空間拡張し、住空間としてカスタマイズした馬車が挙げられる。 いつも、外交等へ駆け回って頑張ってくれている外交官。国内外で休む間もなく動いてくれている。その、働きに大いなる感謝として国王陛下よりなるべく広い住空間で、少しでも休めて安全を最大限に確保した馬車を造って欲しいと言われ頑張ってみた。
今は、若い外交官貴族は婚姻したばかり。同行する奥方が妊娠しても安全に旅が出来る様に。戻って来たらその時の状況に応じてまたカスタマイズ出来る事を伝えてある。
ちょっとした王都でのタウンハウスに負けないレベルの屋敷仕様にした。どんな賊から襲われても安全な設計とし結界を馬達迄安全となる様に掛けてある。返り討ちシステムを導入したので逆に賊が捕らわれる様にしておいた。賊は別ルームに放り込んでおけば安心。
返り討ちシステムの威力が先頃帰ってきた外交官よりもたらされた。
謁見の間にて
「・・・・報告させて頂きます。王都に戻る途中にて、数度賊に襲われたのですが、・・・・・動きが騎士として訓練された者が多数おりました。うちの護衛騎士によるとですが・・どこの手のものかはまだ分かってはおりませんが、第4騎士団に引き渡したのでその内判明する事でしょう」と、チラリとマークロ侯爵を見遣る。
挨拶の後外交が成功した事と数度危機があったものの問題無く帰還出来た事。馬車の返り討ちシステムが有れば多数の賊にも対応可能だった事。を報告してくれた。その賊がマークロ侯爵の手のモノ、若しくは関連貴族の手のものか・・・(所謂獅子身中の虫ね。)可能性があるようだ。だとしたら勢力を削れて良いわね。
「大義であった。其方達の身が守られて本当に良かった。アリアーナの馬車の効果は大きいな?」とほんの一瞬口角をクッと上げて悪い顔をしながらマークロ侯爵をチラリと見た王陛下・・・悪そうだけどカッコヨス。
「コレからは、皆にも働きに応じてこの様な褒賞を出していく予定だ。心して励んでくれ。ガレイラ伯爵。此度も其方の手腕に感謝するぞ。こちらのアイテムバッグを其方へ。
この鞄には空間収納が施されておる。今迄の収納よりも空間が大きくこの王城くらいの容量がある物だ。コレは本人しか使用出来ない。公の機密の物もプライベートの物も確実に守られる。盗難にあっても、本人の元へ戻る謎仕様だ。但し、悪事には使えん。本人登録は今の所はアリアーナしか出来ないから安全だ。」
「「「おおーー!」」」
ざわざわとどよめきが起こる中
「ありがたき幸せでございます。」
こうしてガレイラ外交官の報告は終わり。その夜の夜会でガレイラ様が如何に住空間馬車が素晴らしかったか!と話しておられて貴族達の手柄を立てたい!意欲が刺激された。遠方からやって来る貴族にとってソレはかなり大きなアドバンテージ。欲しい!の一言だから・・・。
ソレからは、貴族達のアリアーナを見る目が住空間馬車の造り手。として変化したのである。こうして、順次功績のあった物達へその働きに応じた褒賞が与えられた。
その度に、貴族達はその馬車のありがたさや素晴らしさを熱弁するのでどんどん広まっていき何とかして手に入れたい!と真面目な者は更に奮起して働き、ダメな輩は奪おうとしたが成功したケースは無い。
奪われる事は無かったのだ。要人警護としてこの上ない移動手段となった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
街中での移動にはワンルーム程度の簡単な馬車を使用した。トイレも食事も安心である。孤児院や所謂スラム街への視察も行ったが王都のソレらは想像していたものと違い皆最低限の暮らしは保証されていた。ただ、怠け者には適用されない。ならずモノにも適用されない・・・仕方ないよねソレは。
孤児院等も虐待等無いか抜き打ちで子供による監査の様なものがコッソリと存在しており安全を適宜確認されている。その辺徹底しているみたい。すごいな国王。
夜会後の孤児院訪問で初めて知った事だった。ローゼリア様ととても仲の良い子供がいるな・・と思ったら手の者だそうで、姿変えの魔法を使っている影だった・・・
そうこうしている内に夜会があってから早3ヶ月。そろそろ動き出そう。
20
お気に入りに追加
164
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】残酷な現実はお伽噺ではないのよ
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
恋愛
「アンジェリーナ・ナイトレイ。貴様との婚約を破棄し、我が国の聖女ミサキを害した罪で流刑に処す」
物語でよくある婚約破棄は、王族の信頼を揺るがした。婚約は王家と公爵家の契約であり、一方的な破棄はありえない。王子に腰を抱かれた聖女は、物語ではない現実の残酷さを突きつけられるのであった。
★公爵令嬢目線 ★聖女目線、両方を掲載します。
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
2023/01/11……カクヨム、恋愛週間 21位
2023/01/10……小説家になろう、日間恋愛異世界転生/転移 1位
2023/01/09……アルファポリス、HOT女性向け 28位
2023/01/09……エブリスタ、恋愛トレンド 28位
2023/01/08……完結

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。

王妃の鑑
ごろごろみかん。
恋愛
王妃ネアモネは婚姻した夜に夫からお前のことは愛していないと告げられ、失意のうちに命を失った。そして気づけば時間は巻きもどる。
これはネアモネが幸せをつかもうと必死に生きる話

【完結】白い結婚で生まれた私は王族にはなりません〜光の精霊王と予言の王女〜
白崎りか
ファンタジー
「悪女オリヴィア! 白い結婚を神官が証明した。婚姻は無効だ! 私は愛するフローラを王妃にする!」
即位したばかりの国王が、宣言した。
真実の愛で結ばれた王とその恋人は、永遠の愛を誓いあう。
だが、そこには大きな秘密があった。
王に命じられた神官は、白い結婚を偽証していた。
この時、悪女オリヴィアは娘を身ごもっていたのだ。
そして、光の精霊王の契約者となる予言の王女を産むことになる。
第一部 貴族学園編
私の名前はレティシア。
政略結婚した王と元王妃の間にできた娘なのだけど、私の存在は、生まれる前に消された。
だから、いとこの双子の姉ってことになってる。
この世界の貴族は、5歳になったら貴族学園に通わないといけない。私と弟は、そこで、契約獣を得るためのハードな訓練をしている。
私の異母弟にも会った。彼は私に、「目玉をよこせ」なんて言う、わがままな王子だった。
第二部 魔法学校編
失ってしまったかけがえのない人。
復讐のために精霊王と契約する。
魔法学校で再会した貴族学園時代の同級生。
毒薬を送った犯人を捜すために、パーティに出席する。
修行を続け、勇者の遺産を手にいれる。
前半は、ほのぼのゆっくり進みます。
後半は、どろどろさくさくです。
小説家になろう様にも投稿してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる