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デビュタントはやってきた
しおりを挟む複雑な思いを抱えたまま
デビュタントの日はやって来た
16歳になり初めて
社交界へ。。。
成人した報告でもある
私は、オリバー様に贈られた
私の色の黒っぽい
グラデーションのドレスを纏い
胸に、サファイアのネックレス
サファイアのイヤリング
を付けている
ネックレスを見た時。。。
オリバー様の目が少し見開かれた
オリバー様は、ネックレスと
イヤリングは贈って下さってないから
ダメだった?
少しの不安を感じたけれど。。。
私は、胸を張って
デビュタント会場に入った
まぁ、ブライスリー公爵家の
アンナ様。。お痩せになって。。
ライディス公爵家のオリバー様ね、、
あら、でも、、この前、、ヒソヒソと密かに囁く声が聞こえる
後見人のオーウェン様ご夫妻よ、、、
あら、この前オリバー様とヒソヒソ
ほほほっ
あまり好ましい視線では無かった
両陛下にご挨拶し
いよいよ、ファーストダンスだ
陛下か王太子殿下が
令嬢の相手を務めて下さる
私は、陛下が踊ってくださった
「アンナ嬢。。息災か」
優しくエスコートして下さる陛下
「はい」
陛下の眼を見る事は出来なかった
とても心配して下さっているのは
知っていた
「王妃も心配しておる
そなたの両親は、、、我らの
最も、信頼する2人であったし
親友であったからな。。」
「はい、ありがとうございます」
泣いては、ならない
強くあらねばならない
私は、公爵家の後継者
「オリバーとは、、、
仲良くやれておるか?」
え?、、、
「は、はい、、その様に
認識しております」
上手く笑えただろうか、、、
陛下からこの様な言葉をかけられると
想定していなかった。。。
「何か有れば、、
我慢せずとも良いぞ。。。
婚約も考え直しても良いのだぞ?」
え、、、
返事が出来ないままに、、
陛下とのファーストダンスは
終わってしまった
カーテシーをしてから
御前から下がる
王妃様を見ると。。。心なしか
心配そうな面持ちでこちらを
見ていらっしゃる。。。
母と王妃様は、、学友時代からの
親友だったと聞いていた
少し、、、いや
とても嬉しかった
自分の事を心から心配して
見守る人がいるのだと。。。
感じる事が出来た
その後は、オリバー様とダンスを
して、少しすると
オリバー様は他の令息達と
話があると令息達の元へ行かれた
初めての夜会でもあり
少し疲れてしまった。。。
もう、私も10歳の子供ではない
今宵からは、
デビュタントを終えたからには
成人とみなされる。。。
両親を喪い、、
ふわふわと他人事の様に
時が過ぎてしまったが、、、
しっかりしなくては
このブライスリー公爵家を
背負って立つのだから。。。
テラスに出て夜風に当たりながら
思った。。。
今宵の月は
とてもとても美しい。。。
夜に輝く女王様の様に
見守ってくれている様な、、、
そんな錯覚を覚えた
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
私のデビュタントの一月後
ベリンダのデビュタントを迎えた
既にデビュタントを迎えている私は
別の馬車で王宮へ向かった
今日は、薄いブルーの
柔らかなシルクのしっとりとした
ドレスと濃い目のサファイアで
胸元を飾った
オリバー様は
ベリンダへもドレスを贈って下さったようで、ドレスが届いてからずっと
ベリンダに自慢されていた。。。
ドレスは、オリバー様と同じ色味の
ブルーに、ゴールドがあしらわれていた
胸元には、、豪華なゴールドに
オリバー様の色のサファイア、、、
同じブルーでも
ベリンダの色とは、、違っていた
オリバー様の色だったのだ。。。
胸がズキズキと痛む。。。
コレも。。私を守る為だわ。。
きっと、、そうに違いない
私は信じなくてはオリバー様の心を
そうでなくては、、
立って居られない。。。
今日、ブルーのドレスを着たのは、、
私がオリバー様の婚約者だと。。
皆に見せる為?。。。
私の。。デビュタントは
黒いドレスだった事を
忘れる為
ネックレスは、自分で用意したけれど
オリバー様の色を付けたのも
婚約者である事を。。意識したから
グチャグチャに訳が分からなく
なってしまった。。。
胸が痛くて。。
立っているのが辛い。。。
夜会の会場へ入ると
先に来ていた
オリバー様とベリンダが
皆と一緒に談笑していた。。。
チラとこちらを見遣り
そのまま笑い合う人々
また、ヒソヒソと会話が聞こえる
足が竦み立ち止まってしまった。。
「お嬢様。。」
と私の誕生日から専属執事となった
アランがエスコートしてくれる
「ええ、ありがとう」
私は、胸を張って
堂々としていなければ、、、
震える足を叱咤し
アルカイックスマイルを
貼り付ける。。。
震えてはいけない
いくら気持ちを強くしようとしても
震える手を。。。
アランがしっかりと
握り、、エスコートしてくれる
セバスチャン。。。
アランを専属執事にしてくれて。。
本当にありがとう
真っ白になりそうな
頭と心を何とか
支えて。。。やっとの思いで
夜会が終わり帰邸する
長い長い夜だった
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