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副会長の証言
しおりを挟むほう、副会長め。ようやく目を覚ましたか。
学園祭でとんでもないやらかしをしてくれやがったが、物語通りエヴァを裁く側に戻ったようだ。
ダニエルは真っ直ぐな視線でこちらを見る。
「私は、エヴァ・ヴィリエの数々な悪事をこの目で見てきました。彼はこの学園には相応しくない生徒です。よって退学を求めます」
おお、良いこと言ってくれるじゃん。
ようやく物語通りに動き出した攻略対象に俺は胸を撫で下ろす。
つーかこうなるなら俺がダニエルに掘られたのってもしかして掘られ損では・・・。
あまり深く考えないことにした。
続けて執行部の生徒が副会長へ質問する。
「退学を求める理由をお聞きしても?」
「はい。親衛隊長という立場を利用し、罰するべきでない生徒に過剰な制裁を加えたり、転入生に対し危険を与えた行為は許されるべきではないと考えているからです。よって退学が妥当かと」
「そうですか。分かりました、それでは「それと」・・・はい?」
「エヴァは退学後、我がデュボワ家に嫁ぐ予定です。退学ともなれば実家から縁を切られるのは当然でしょう。しかし、このような危険な人物世に野放しにしてはなりません。ですのでエヴァを我が妻として迎え、夫である私が責任をもって監視しますのでご安心を」
「・・・・・・・・・・・・はぁ?」
いやいやいやまてまてまてまて!!???
ちょっとまって!!!
「いや・・・あの、退学については理解できましたが。その、結婚とは・・・」
「何か問題でしょうか。エヴァは既にデュボワ家に嫁ぐという書類にサインもしています。未来の夫である私が妻の罪を背負うのは当然です。エヴァの事はデュボワ家で面倒を見ますので、どうぞ退学にしてください」
困惑する生徒に何が悪いのだと不服そうに話す副会長。
俺は堪らず身を乗り出した。
「まっ・・・待ってください!!俺っいや僕は副会長様との結婚なんてしません!」
「エヴァ何を言うのです。このサイン貴方がしたものでしょう。契約を反故にするつもりですか」
「そんなの不可抗力ですっ・・・!だってそのサインをした時僕は正気じゃありませんでした!」
「チッ」
おい舌打ちしたぞあいつ!?
イラついたように指をとんとんと机に叩きつけ始めた副会長に執行部は続けた。
「とっとにかく・・・!他の生徒からの意見も聞きます。次の方どうぞ」
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