上 下
36 / 130

制裁(笑)

しおりを挟む





「それでその生徒はどこにいるの」
「あちらです!逃げないように隊員に捕まえておいてもらってます」

案内されたのは学園の中庭。大きくそびえ立つシンボルツリーの下にチワワのような生徒2人がこれまたチワワのような生徒を問い詰めている。

「抜けがけなんて汚い真似してどういうつもり!?」
「あ・・・だって僕・・・」
「言い訳なんて聞いてないから。あ、ちょうどうちの親衛隊隊長のエヴァ様が来られたよ。あんたもう終わりだね」
「ひっエ・・・エヴァ様・・・」

とんでもなく怯えられてるようだが俺は内心1ミリも怒ってない。涙をためながら震える生徒はまるで本物のチワワのよう。何だか小動物をいじめてるようで罪悪感がすごい。

「君かアルベール様に手紙を渡そうとした生徒というのは」
「あ・・・ぁ・・・ご・・・ごめんなさ・・・」
「謝ったって遅いよ!エヴァ様こいつどうします?」
「そうだね。ここは僕に任せてもう二度とこんな愚かなまね出来ないようにしっかりと躾てあげるから」
「流石エヴァ様です!」
「ごっごめんなさいごめんなさい・・・!!許してください!!」
「謝罪の言葉を述べるのは簡単だからね。ちゃんと体で示してほら、こっちに着いてきて」
「ひっ・・・」

怯える生徒の手を掴みその場を離れようとする。後ろからチワワ達も着いてこようとするので振り向いてそれを止めた。

「君たちこいつの死ぬよりも酷い目にあう姿見たいの?君たちみたいに可愛い子達には耐えられない光景だと思うけど」
「っ・・・!!」
「分かったなら早く教室に戻って?このことを周りにしっかり広めてこんな愚かな事をしようと思うやつを二度と出さないようにしてね」
「はっはい・・・!」

慌てて立ち去るチワワ達。俺は再び泣いているチワワの手を掴んで人気のない所に連れていき壁に追い詰めた。震える顎に指をかけ上を向かせる。

「今回君がした事がどんなに愚かな事か分かってるね?」
「は・・・はい・・・もうっ・・・もうしません・・・!」
「ふふっ物わかりの良い子は好きなんだ。僕は器が大きいからね1度の過ちは許してあげる。もし君が二度と面倒事を起こさないと違うならそのうちご褒美をあげるよ」

耳元で囁けば顔を真っ赤にする少年。
制裁対象である少年からも恨まれずもうアルベールにアタックしようなんて思わせないようにする。こんなもんか?我ながら上出来では?そんな自画自賛に浸っていた時背後から物凄い力で肩を捕まれる。

「っ・・・!?あ・・・アダン・・・様・・・?」
「エヴァ・ヴィリエ・・・貴様ここで何をしていた」

鋭い眼光で睨むアダンが立っていた。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

やり直せるなら、貴方達とは関わらない。

いろまにもめと
BL
俺はレオベルト・エンフィア。 エンフィア侯爵家の長男であり、前世持ちだ。 俺は幼馴染のアラン・メロヴィングに惚れ込み、恋人でもないのにアランは俺の嫁だと言ってまわるというはずかしい事をし、最終的にアランと恋に落ちた王太子によって、アランに付きまとっていた俺は処刑された。 処刑の直前、俺は前世を思い出した。日本という国の一般サラリーマンだった頃を。そして、ここは前世有名だったBLゲームの世界と一致する事を。 こんな時に思い出しても遅せぇわ!と思い、どうかもう一度やり直せたら、貴族なんだから可愛い嫁さんと裕福にのんびり暮らしたい…! そう思った俺の願いは届いたのだ。 5歳の時の俺に戻ってきた…! 今度は絶対関わらない!

弟に殺される”兄”に転生したがこんなに愛されるなんて聞いてない。

浅倉
BL
目を覚ますと目の前には俺を心配そうに見つめる彼の姿。 既視感を感じる彼の姿に俺は”小説”の中に出てくる主人公 ”ヴィンセント”だと判明。 そしてまさかの俺がヴィンセントを虐め残酷に殺される兄だと?! 次々と訪れる沢山の試練を前にどうにか弟に殺されないルートを必死に進む。 だがそんな俺の前に大きな壁が! このままでは原作通り殺されてしまう。 どうにかして乗り越えなければ! 妙に執着してくる”弟”と死なないように奮闘する”兄”の少し甘い物語___ ヤンデレ執着な弟×クールで鈍感な兄 ※固定CP ※投稿不定期 ※初めの方はヤンデレ要素少なめ

ゲームの世界で美人すぎる兄が狙われているが

BL
 俺には大好きな兄がいる。3つ年上の高校生の兄。美人で優しいけどおっちょこちょいな可愛い兄だ。  ある日、そんな兄に話題のゲームを進めるとありえない事が起こった。 「あれ?ここってまさか……ゲームの中!?」  モンスターが闊歩する森の中で出会った警備隊に保護されたが、そいつは兄を狙っていたようで………?  重度のブラコン弟が兄を守ろうとしたり、壊れたブラコンの兄が一線越えちゃったりします。高確率でえろです。 ※近親相姦です。バッチリ血の繋がった兄弟です。 ※第三者×兄(弟)描写があります。 ※ヤンデレの闇属性でビッチです。 ※兄の方が優位です。 ※男性向けの表現を含みます。 ※左右非固定なのでコロコロ変わります。固定厨の方は推奨しません。

逆ざまぁされ要員な僕でもいつか平穏に暮らせますか?

左側
BL
陽の光を浴びて桃色に輝く柔らかな髪。鮮やかな青色の瞳で、ちょっと童顔。 それが僕。 この世界が乙女ゲームやBLゲームだったら、きっと主人公だよね。 だけど、ここは……ざまぁ系のノベルゲーム世界。それも、逆ざまぁ。 僕は断罪される側だ。 まるで物語の主人公のように振る舞って、王子を始めとした大勢の男性をたぶらかして好き放題した挙句に、最後は大逆転される……いわゆる、逆ざまぁをされる側。 途中の役割や展開は違っても、最終的に僕が立つサイドはいつも同じ。 神様、どうやったら、僕は平穏に過ごせますか?   ※  ※  ※  ※  ※  ※ ちょっと不憫系の主人公が、抵抗したり挫けたりを繰り返しながら、いつかは平穏に暮らせることを目指す物語です。 男性妊娠の描写があります。 誤字脱字等があればお知らせください。 必要なタグがあれば付け足して行きます。 総文字数が多くなったので短編→長編に変更しました。

魔王討伐後に勇者の子を身篭ったので、逃げたけど結局勇者に捕まった。

柴傘
BL
勇者パーティーに属していた魔術師が勇者との子を身篭ったので逃走を図り失敗に終わるお話。 頭よわよわハッピーエンド、執着溺愛勇者×気弱臆病魔術師。 誰もが妊娠できる世界、勇者パーティーは皆仲良し。 さくっと読める短編です。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

謎の死を遂げる予定の我儘悪役令息ですが、義兄が離してくれません

柴傘
BL
ミーシャ・ルリアン、4歳。 父が連れてきた僕の義兄になる人を見た瞬間、突然前世の記憶を思い出した。 あれ、僕ってばBL小説の悪役令息じゃない? 前世での愛読書だったBL小説の悪役令息であるミーシャは、義兄である主人公を出会った頃から蛇蝎のように嫌いイジメを繰り返し最終的には謎の死を遂げる。 そんなの絶対に嫌だ!そう思ったけれど、なぜか僕は理性が非常によわよわで直ぐにキレてしまう困った体質だった。 「おまえもクビ!おまえもだ!あしたから顔をみせるなー!」 今日も今日とて理不尽な理由で使用人を解雇しまくり。けれどそんな僕を見ても、主人公はずっとニコニコしている。 「おはようミーシャ、今日も元気だね」 あまつさえ僕を抱き上げ頬擦りして、可愛い可愛いと連呼する。あれれ?お兄様、全然キャラ違くない? 義弟が色々な意味で可愛くて仕方ない溺愛執着攻め×怒りの沸点ド底辺理性よわよわショタ受け 9/2以降不定期更新

愛されなかった俺の転生先は激重執着ヤンデレ兄達のもと

糖 溺病
BL
目が覚めると、そこは異世界。 前世で何度も夢に見た異世界生活、今度こそエンジョイしてみせる!ってあれ?なんか俺、転生早々監禁されてね!? 「俺は異世界でエンジョイライフを送るんだぁー!」 激重執着ヤンデレ兄達にトロトロのベタベタに溺愛されるファンタジー物語。 注※微エロ、エロエロ ・初めはそんなエロくないです。 ・初心者注意 ・ちょいちょい細かな訂正入ります。

処理中です...