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制裁(笑)
しおりを挟む「それでその生徒はどこにいるの」
「あちらです!逃げないように隊員に捕まえておいてもらってます」
案内されたのは学園の中庭。大きくそびえ立つシンボルツリーの下にチワワのような生徒2人がこれまたチワワのような生徒を問い詰めている。
「抜けがけなんて汚い真似してどういうつもり!?」
「あ・・・だって僕・・・」
「言い訳なんて聞いてないから。あ、ちょうどうちの親衛隊隊長のエヴァ様が来られたよ。あんたもう終わりだね」
「ひっエ・・・エヴァ様・・・」
とんでもなく怯えられてるようだが俺は内心1ミリも怒ってない。涙をためながら震える生徒はまるで本物のチワワのよう。何だか小動物をいじめてるようで罪悪感がすごい。
「君かアルベール様に手紙を渡そうとした生徒というのは」
「あ・・・ぁ・・・ご・・・ごめんなさ・・・」
「謝ったって遅いよ!エヴァ様こいつどうします?」
「そうだね。ここは僕に任せてもう二度とこんな愚かなまね出来ないようにしっかりと躾てあげるから」
「流石エヴァ様です!」
「ごっごめんなさいごめんなさい・・・!!許してください!!」
「謝罪の言葉を述べるのは簡単だからね。ちゃんと体で示してほら、こっちに着いてきて」
「ひっ・・・」
怯える生徒の手を掴みその場を離れようとする。後ろからチワワ達も着いてこようとするので振り向いてそれを止めた。
「君たちこいつの死ぬよりも酷い目にあう姿見たいの?君たちみたいに可愛い子達には耐えられない光景だと思うけど」
「っ・・・!!」
「分かったなら早く教室に戻って?このことを周りにしっかり広めてこんな愚かな事をしようと思うやつを二度と出さないようにしてね」
「はっはい・・・!」
慌てて立ち去るチワワ達。俺は再び泣いているチワワの手を掴んで人気のない所に連れていき壁に追い詰めた。震える顎に指をかけ上を向かせる。
「今回君がした事がどんなに愚かな事か分かってるね?」
「は・・・はい・・・もうっ・・・もうしません・・・!」
「ふふっ物わかりの良い子は好きなんだ。僕は器が大きいからね1度の過ちは許してあげる。もし君が二度と面倒事を起こさないと違うならそのうちご褒美をあげるよ」
耳元で囁けば顔を真っ赤にする少年。
制裁対象である少年からも恨まれずもうアルベールにアタックしようなんて思わせないようにする。こんなもんか?我ながら上出来では?そんな自画自賛に浸っていた時背後から物凄い力で肩を捕まれる。
「っ・・・!?あ・・・アダン・・・様・・・?」
「エヴァ・ヴィリエ・・・貴様ここで何をしていた」
鋭い眼光で睨むアダンが立っていた。
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