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⑴目覚めるとそこは
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突然だが俺はBLゲームの世界に転生したらしい。
嘘だと思うだろ?これが本当に本当の話なんだ。
遡ること1週間前、俺は足を滑らせレンガに頭をぶつけた。そうして意識を失い眠り続けること数日、ようやく目を覚ました時に前世の記憶と共にここが前世で妹が遊んでいたゲームの世界だと言う事に気づいたのだ。
全く興味もないBLゲームを無理やりやらされ感想を求められたあの作品。攻略対象であるイケメン達が総じてヤンデレの面倒臭い男ばかりで何なんだこいつらはと呆れながらプレイしたのを覚えている。
そしてベッドから起き上がり鏡を見た時俺は絶望した。
黒髪に猫のようなアーモンド型の大きな瞳、陶器のような白い肌に何も塗っていなくても桜色の唇。自然と庇護欲を掻き立てられる華奢な体、誰がどう見ても美少年。震える手で頬を触り俺は思い切り口を開けた。
「うわあああああああああああああぁぁぁ!!」
広い部屋に俺の叫びが響き渡る。
(嘘だろ・・・!?嘘だろこんなのって・・・!!??)
そう、俺は このゲームで悪名高き悪役令息へと生まれ変わっていた。
このゲームで登場する悪役である「エヴァ・ヴィリエ」はその天使のような見た目とは裏腹に残忍で卑怯でとてつもない性悪な事で有名な悪役令息だ。
父親が権威ある貴族であることからそれを傘にやりたい放題。気に入らない人間はいじめ抜き制裁を加える男に目がなく気に入ったイケメンには父親の権力を振りかざして肉体関係を求める等。主人公に対し色んな嫌がらせをすることやその内容の酷さからゲームファンの間でもアンチが多いことで有名なキャラクターだ。
そんなエヴァはその振る舞いの結果当然のように悲惨な結末を迎える。どの攻略ルートでも主人公に危害を加えた事で攻略対象達から残酷な殺し方をされ死ぬ結末。特に少しずつ肉を削がれ血を抜かれるルートは見るに絶えなかった。こんなのBLゲームに必要な要素では無いだろうと目を細めながら急いでクリックボタンを押したものだ。
「そっそんなの絶対に嫌だ・・・!!」
とにかくエヴァの殺され方は信じられないくらい残酷だったのだ。あんな拷問を受けて殺されるなんて死んでも回避しなければいけない。
改めて鏡を見ればエヴァはまだかなり幼い。
察するに7.8歳位か?主人公が現れるのは16歳頃、確か学園に転入する形でゲームがスタートした気がする。これから対策を練ってちゃんとフラグを折っていけば生き残る事は出来るはずだ。前世でクリアしたゲームを必死に思い出す。
その時だった。
「エヴァ様どうされましたか・・・?大きな声が聞こえたので・・・」
緩いシャツを身にまとった少年が脅えたようにそっとドアの隙間から現れた。
嘘だと思うだろ?これが本当に本当の話なんだ。
遡ること1週間前、俺は足を滑らせレンガに頭をぶつけた。そうして意識を失い眠り続けること数日、ようやく目を覚ました時に前世の記憶と共にここが前世で妹が遊んでいたゲームの世界だと言う事に気づいたのだ。
全く興味もないBLゲームを無理やりやらされ感想を求められたあの作品。攻略対象であるイケメン達が総じてヤンデレの面倒臭い男ばかりで何なんだこいつらはと呆れながらプレイしたのを覚えている。
そしてベッドから起き上がり鏡を見た時俺は絶望した。
黒髪に猫のようなアーモンド型の大きな瞳、陶器のような白い肌に何も塗っていなくても桜色の唇。自然と庇護欲を掻き立てられる華奢な体、誰がどう見ても美少年。震える手で頬を触り俺は思い切り口を開けた。
「うわあああああああああああああぁぁぁ!!」
広い部屋に俺の叫びが響き渡る。
(嘘だろ・・・!?嘘だろこんなのって・・・!!??)
そう、俺は このゲームで悪名高き悪役令息へと生まれ変わっていた。
このゲームで登場する悪役である「エヴァ・ヴィリエ」はその天使のような見た目とは裏腹に残忍で卑怯でとてつもない性悪な事で有名な悪役令息だ。
父親が権威ある貴族であることからそれを傘にやりたい放題。気に入らない人間はいじめ抜き制裁を加える男に目がなく気に入ったイケメンには父親の権力を振りかざして肉体関係を求める等。主人公に対し色んな嫌がらせをすることやその内容の酷さからゲームファンの間でもアンチが多いことで有名なキャラクターだ。
そんなエヴァはその振る舞いの結果当然のように悲惨な結末を迎える。どの攻略ルートでも主人公に危害を加えた事で攻略対象達から残酷な殺し方をされ死ぬ結末。特に少しずつ肉を削がれ血を抜かれるルートは見るに絶えなかった。こんなのBLゲームに必要な要素では無いだろうと目を細めながら急いでクリックボタンを押したものだ。
「そっそんなの絶対に嫌だ・・・!!」
とにかくエヴァの殺され方は信じられないくらい残酷だったのだ。あんな拷問を受けて殺されるなんて死んでも回避しなければいけない。
改めて鏡を見ればエヴァはまだかなり幼い。
察するに7.8歳位か?主人公が現れるのは16歳頃、確か学園に転入する形でゲームがスタートした気がする。これから対策を練ってちゃんとフラグを折っていけば生き残る事は出来るはずだ。前世でクリアしたゲームを必死に思い出す。
その時だった。
「エヴァ様どうされましたか・・・?大きな声が聞こえたので・・・」
緩いシャツを身にまとった少年が脅えたようにそっとドアの隙間から現れた。
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