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三年目の新婚クライシス
No,264 五月闇 其の十五 【貴志SIDE】
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呆然とした心地から復活すると、猛然と脳が動き始め。
感情を理性で捩じ伏せ納得させ、優先事項を弾き出す。
二度目の緊急招集を掛けたSPたちの中で、真唯付きのSPが二名欠けている事に一応の安堵を覚えるが、確認は必要だ。
「…瀬尾…なぜ、私に報告しなかった…?」
「………………………」
「…阿部、お前もだ…彼女の動向を把握していなかったとは言わせん…なぜ一言だけでも、私に注進しなかった…?」
「………………………」
「…お前たちの雇い主は、一体誰だ…?」
「「………………………」」
「…お前たちの職業倫理は一体どうなっているんだ…?」
「…現在の社長には言われたくありません…っ」
わざと煽るように、怒らせるように放った言葉に反応したのは、真唯の担当の女性SPだった。 ……この女性、確か彼女と食事させようかとの案が出た…かなり真唯と親しいようだったが……事と次第によっては、決して許さん。
「阿部と瀬尾は答えられんようだから丁度良い。お前が答えろ。」
「………………………」
「さっきの言葉はどう云う意味だ?」
「…以前の社長でしたら、我々は間違いなくあなたに報告しておりました…いえ…」
「…『いえ』…何だ…?」
「…以前の…記憶を失う前の社長でしたら、真唯さんに家出など決してさせませんでした…」
「………………………」 今度は俺が無言になる番だった。『家出』ではなく彼女が決意した事は『離婚』なのだが、それをわざわざSPたちに打ち明けるほど俺は愚かではなかった。
「…事故であり社長に責任がないのは良く理解っております…ですが、真唯さんが…真唯さんがあまりにもお気の毒で…」
「…彼女が気の毒だと、なぜ家出を容認する事になる…?」
「…! …理解らないのですか…!?」
「ああ、理解らないな…私は彼女の誕生日を切っ掛けにして、関係を改善していこうと計画していたんだがね。」
「…何かアクションは起こされてましたか…?」
「朝食と夕食を一緒に摂るようにしていた。」
「…何か会話をなさってましたか…?」
「それはそれなりにしてたさ。」
「…何か優しい言葉を掛けて差し上げてましたか…?」
「…優しい言葉…?」
「そうです! 愛の言葉でなくとも、労わりの言葉で良いんです!! 何か言葉を掛けなかったんですか!?」
「………………………」
「人間は言葉の動物です! 言葉にしなければ、何も伝わりません!!」
「………………………」
「真唯さんはご自分が、社長に嫌われてると信じ込んでる筈です!」
「………………………」
「そうでなければ、家出なんてなさる筈がありません!!」
そこまで言われて初めて気が付いた。
俺は真唯に好意を伝えるどころか、何一つ優しい言葉を掛けた事などないのだ。
俺は女性から好意を受ける事が当たり前になり過ぎていて。
妻である女性から受ける好意をごく当然に受け取ってしまって。
自分は何一つ返していない事をようやく自覚したのだった。
無言でリビングのソファーで俯いてしまった俺に、阿部が頭を下げて言葉を発した。「真唯さんの事につきまして、報告を怠りました事はお詫び致します。申し訳ありませんでした。」と。
だが。
「ですが。」
顔を上げ決然と言葉を続けた。
「人の心を読むプロである我々が、真唯さんに対する社長の真意を誤解しておりました。正直なところを申し上げれば、小さな好意が芽生えつつある事は推察されましたが、総じてまだまだ嫌悪感の方が強いと思い込んでおりました。上井社長を真唯さんが『一条』と呼び続けていらっしゃったのが良い例です。私は昔の『一条係長』の女性不信振りを良く存じ上げておりましたから、『妻である真唯さん』を受け容れる事は難しいだろうと案じておりました。そしてそんな社長のお傍に真唯さんが居続ける事もお辛いだろうと。以前、上井社長は我々におっしゃいました。『何事も私より真唯を優先で考え、行動しろ。必ず真唯を守れ。』と。」
そうしてひと息入れると。
「私も今回は悩みました。どうすれば、一番良いのか。確かに我々の雇用主は上井社長、貴方です。ですが、真唯さんの精神が限界でした。そして、あの方の精神の安定の為には一時的にでも離れる事が最善であると、我々は判断しました。以前の貴方のお言葉を遂行する為の決断であり、我々の結論でもあります。このようにご不興を買う事も覚悟しておりました。我々は全員、首を覚悟の上です。ですが、我々が従いお守りする意志を固めたのは、記憶を失う以前の貴方に対してです。我々はその命令に従ったまでですので、何ら恥じる事は致しておりません。」
毅然とした態度と潔い瞳を見れば理解る。
彼らが本気であり、真剣であると。
彼らは本気で解雇を覚悟で、俺に真唯が引っ越しの準備をしている事を報告しなかったのだ。
記憶を失う以前の俺に忠誠を誓い。
何より、真唯の精神を守る為に。
いかに俺が、自分本位で物事を考えていたかを思い知らされた心地だった。
「あーらら。タカ様ったら、随分萎れてらっしゃいますね。」
「………………………」
「まあ、SPたちにあんな態度取られれば、当然っスかね。」
「………………………」
祈るような気持ちは、どうやら届かなかったらしい。
真唯の方に行ってるのは、今夜は東だったのだ。
あの後、阿部たち全員を許し、真唯に現在も警護が付いている事を確認し。居所を尋ねれば、それは容易に知れた。不動産屋めぐりの何と一軒目で即決してしまったと云う事実が俺を更に落ち込ませた。『そんなに早く俺から離れたかったのか』と。己の行動を省みれば、責める資格などない事は理解ってはいるのだが、それでもだ。彼女の動向を逐一報告させる事は厳命し、彼らもそれに従う意志を見せた事には心の底から安心した。
そして。表向きの用事を済ませたら、本題だ。
「タカ様の用件は分かってるっスよー」
「………………………」
「どーしてあの女が、あんなに自己評価が低いのかなーとか。」
「………………………」
「あんたとの間に何があったか、知りたいんしょ?」
「………………………」
「…タカ様が黙秘権こーしするなら、オレもしちゃおーっかなー」
「……教えて下さい……」
「わー、タカさまから『お願い』されちったー。キチョー! じゃあ、仕方ないから、教えてあげるっス。」
「……なるべく、手短に頼む。」
だから東の方が良かったのに。なぜ東が真唯の処に行ってしまったのか。 ……これも知らない内に、真唯を苦しめ続けてしまった罰なのだろうか…?
「…タカ様…もしかして今、スッゲー失礼な事考えてませんかァー?」
「……気のせいだ……」
「……まァ、いいっス…では、手短に…えーと、彼女は小さい頃からオトーサンとオカーサンに虐待されてて、」
「…! 待て…っ、…それは本当か…?」
「オレらは基本的に主に嘘は吐かないっス。それ以外は吐きまくるっスけどォー。あ、でも、虐待って言っても“精神的虐待”って意味っスけどねェー。」
「………………………」 ……それだって…充分問題じゃないか。
「怒ったタカ様が真唯サンには内緒でご実家に乗り込んで成敗しました! おしまい!!」
「おいっ!!」
「だぁーって。手短につったら、これ以上でも以下でもないっスもん。」
「………………………」
「聞きたい? もっと聞きたい?」
「………………………」
「もー、タカ様ったら、強情なんだからァー。じゃあ、これだけね。あの女は…真唯サンは、貴方の事をわざと侮辱して挑発したアノ方相手に売られた喧嘩を言い値で買った女傑っスよ。貴方のためにネ。」
「!!??」
驚いた、なんてもんじゃない。
驚愕、驚嘆。正に驚天動地。
俺は遂に白旗をあげた。
「…【Fool】…お前の勝ちだ…貴様の知ってる事を全て教えろ…今夜一晩掛かっても構わん。」
「そーこなくっちゃッ! それからオレは、【Fool】じゃなくって【CLOWN】っス!!」
そして、【Fool】が“影”として知り得た全ての情報を、俺が聴き終わった時。
本当にすっかり夜が明けてしまっていたのだった。
仕事に身が入らない。
入る訳がない。
頭の中がグチャグチャでまだ混乱している。
あの御方や祖父が気に入る筈だ。
この俺が―――惚れる筈だ。
リザに気に入られ、【提督閣下】に自ら足を運ばせ、女装(!)をさせ。
SPたちを心酔させ、“影”にさえも一目おかれ。
そんな女性を手に入れながら―――どうして俺は、彼女を忘れてしまったのだろうか。
“俺”への嫉妬を明確に自覚すると同時に完敗してしまった。
……俺はこれから一体、どうすれば良いのだろうか…?
俺は心底、途方に暮れてしまったのだった―――
感情を理性で捩じ伏せ納得させ、優先事項を弾き出す。
二度目の緊急招集を掛けたSPたちの中で、真唯付きのSPが二名欠けている事に一応の安堵を覚えるが、確認は必要だ。
「…瀬尾…なぜ、私に報告しなかった…?」
「………………………」
「…阿部、お前もだ…彼女の動向を把握していなかったとは言わせん…なぜ一言だけでも、私に注進しなかった…?」
「………………………」
「…お前たちの雇い主は、一体誰だ…?」
「「………………………」」
「…お前たちの職業倫理は一体どうなっているんだ…?」
「…現在の社長には言われたくありません…っ」
わざと煽るように、怒らせるように放った言葉に反応したのは、真唯の担当の女性SPだった。 ……この女性、確か彼女と食事させようかとの案が出た…かなり真唯と親しいようだったが……事と次第によっては、決して許さん。
「阿部と瀬尾は答えられんようだから丁度良い。お前が答えろ。」
「………………………」
「さっきの言葉はどう云う意味だ?」
「…以前の社長でしたら、我々は間違いなくあなたに報告しておりました…いえ…」
「…『いえ』…何だ…?」
「…以前の…記憶を失う前の社長でしたら、真唯さんに家出など決してさせませんでした…」
「………………………」 今度は俺が無言になる番だった。『家出』ではなく彼女が決意した事は『離婚』なのだが、それをわざわざSPたちに打ち明けるほど俺は愚かではなかった。
「…事故であり社長に責任がないのは良く理解っております…ですが、真唯さんが…真唯さんがあまりにもお気の毒で…」
「…彼女が気の毒だと、なぜ家出を容認する事になる…?」
「…! …理解らないのですか…!?」
「ああ、理解らないな…私は彼女の誕生日を切っ掛けにして、関係を改善していこうと計画していたんだがね。」
「…何かアクションは起こされてましたか…?」
「朝食と夕食を一緒に摂るようにしていた。」
「…何か会話をなさってましたか…?」
「それはそれなりにしてたさ。」
「…何か優しい言葉を掛けて差し上げてましたか…?」
「…優しい言葉…?」
「そうです! 愛の言葉でなくとも、労わりの言葉で良いんです!! 何か言葉を掛けなかったんですか!?」
「………………………」
「人間は言葉の動物です! 言葉にしなければ、何も伝わりません!!」
「………………………」
「真唯さんはご自分が、社長に嫌われてると信じ込んでる筈です!」
「………………………」
「そうでなければ、家出なんてなさる筈がありません!!」
そこまで言われて初めて気が付いた。
俺は真唯に好意を伝えるどころか、何一つ優しい言葉を掛けた事などないのだ。
俺は女性から好意を受ける事が当たり前になり過ぎていて。
妻である女性から受ける好意をごく当然に受け取ってしまって。
自分は何一つ返していない事をようやく自覚したのだった。
無言でリビングのソファーで俯いてしまった俺に、阿部が頭を下げて言葉を発した。「真唯さんの事につきまして、報告を怠りました事はお詫び致します。申し訳ありませんでした。」と。
だが。
「ですが。」
顔を上げ決然と言葉を続けた。
「人の心を読むプロである我々が、真唯さんに対する社長の真意を誤解しておりました。正直なところを申し上げれば、小さな好意が芽生えつつある事は推察されましたが、総じてまだまだ嫌悪感の方が強いと思い込んでおりました。上井社長を真唯さんが『一条』と呼び続けていらっしゃったのが良い例です。私は昔の『一条係長』の女性不信振りを良く存じ上げておりましたから、『妻である真唯さん』を受け容れる事は難しいだろうと案じておりました。そしてそんな社長のお傍に真唯さんが居続ける事もお辛いだろうと。以前、上井社長は我々におっしゃいました。『何事も私より真唯を優先で考え、行動しろ。必ず真唯を守れ。』と。」
そうしてひと息入れると。
「私も今回は悩みました。どうすれば、一番良いのか。確かに我々の雇用主は上井社長、貴方です。ですが、真唯さんの精神が限界でした。そして、あの方の精神の安定の為には一時的にでも離れる事が最善であると、我々は判断しました。以前の貴方のお言葉を遂行する為の決断であり、我々の結論でもあります。このようにご不興を買う事も覚悟しておりました。我々は全員、首を覚悟の上です。ですが、我々が従いお守りする意志を固めたのは、記憶を失う以前の貴方に対してです。我々はその命令に従ったまでですので、何ら恥じる事は致しておりません。」
毅然とした態度と潔い瞳を見れば理解る。
彼らが本気であり、真剣であると。
彼らは本気で解雇を覚悟で、俺に真唯が引っ越しの準備をしている事を報告しなかったのだ。
記憶を失う以前の俺に忠誠を誓い。
何より、真唯の精神を守る為に。
いかに俺が、自分本位で物事を考えていたかを思い知らされた心地だった。
「あーらら。タカ様ったら、随分萎れてらっしゃいますね。」
「………………………」
「まあ、SPたちにあんな態度取られれば、当然っスかね。」
「………………………」
祈るような気持ちは、どうやら届かなかったらしい。
真唯の方に行ってるのは、今夜は東だったのだ。
あの後、阿部たち全員を許し、真唯に現在も警護が付いている事を確認し。居所を尋ねれば、それは容易に知れた。不動産屋めぐりの何と一軒目で即決してしまったと云う事実が俺を更に落ち込ませた。『そんなに早く俺から離れたかったのか』と。己の行動を省みれば、責める資格などない事は理解ってはいるのだが、それでもだ。彼女の動向を逐一報告させる事は厳命し、彼らもそれに従う意志を見せた事には心の底から安心した。
そして。表向きの用事を済ませたら、本題だ。
「タカ様の用件は分かってるっスよー」
「………………………」
「どーしてあの女が、あんなに自己評価が低いのかなーとか。」
「………………………」
「あんたとの間に何があったか、知りたいんしょ?」
「………………………」
「…タカ様が黙秘権こーしするなら、オレもしちゃおーっかなー」
「……教えて下さい……」
「わー、タカさまから『お願い』されちったー。キチョー! じゃあ、仕方ないから、教えてあげるっス。」
「……なるべく、手短に頼む。」
だから東の方が良かったのに。なぜ東が真唯の処に行ってしまったのか。 ……これも知らない内に、真唯を苦しめ続けてしまった罰なのだろうか…?
「…タカ様…もしかして今、スッゲー失礼な事考えてませんかァー?」
「……気のせいだ……」
「……まァ、いいっス…では、手短に…えーと、彼女は小さい頃からオトーサンとオカーサンに虐待されてて、」
「…! 待て…っ、…それは本当か…?」
「オレらは基本的に主に嘘は吐かないっス。それ以外は吐きまくるっスけどォー。あ、でも、虐待って言っても“精神的虐待”って意味っスけどねェー。」
「………………………」 ……それだって…充分問題じゃないか。
「怒ったタカ様が真唯サンには内緒でご実家に乗り込んで成敗しました! おしまい!!」
「おいっ!!」
「だぁーって。手短につったら、これ以上でも以下でもないっスもん。」
「………………………」
「聞きたい? もっと聞きたい?」
「………………………」
「もー、タカ様ったら、強情なんだからァー。じゃあ、これだけね。あの女は…真唯サンは、貴方の事をわざと侮辱して挑発したアノ方相手に売られた喧嘩を言い値で買った女傑っスよ。貴方のためにネ。」
「!!??」
驚いた、なんてもんじゃない。
驚愕、驚嘆。正に驚天動地。
俺は遂に白旗をあげた。
「…【Fool】…お前の勝ちだ…貴様の知ってる事を全て教えろ…今夜一晩掛かっても構わん。」
「そーこなくっちゃッ! それからオレは、【Fool】じゃなくって【CLOWN】っス!!」
そして、【Fool】が“影”として知り得た全ての情報を、俺が聴き終わった時。
本当にすっかり夜が明けてしまっていたのだった。
仕事に身が入らない。
入る訳がない。
頭の中がグチャグチャでまだ混乱している。
あの御方や祖父が気に入る筈だ。
この俺が―――惚れる筈だ。
リザに気に入られ、【提督閣下】に自ら足を運ばせ、女装(!)をさせ。
SPたちを心酔させ、“影”にさえも一目おかれ。
そんな女性を手に入れながら―――どうして俺は、彼女を忘れてしまったのだろうか。
“俺”への嫉妬を明確に自覚すると同時に完敗してしまった。
……俺はこれから一体、どうすれば良いのだろうか…?
俺は心底、途方に暮れてしまったのだった―――
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