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二年目の新婚夫妻(バカップル)

No,234 真唯奥さまのヤキモチ 【後編】 ※R18

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「ああァ…ン…たかしさん…よそ見なんかしちゃ、だめェ…ッ!!」
スケスケのベビードールを着て、貴志さんの前で一人Hしちゃうなんて、アタシは絶対正気じゃない。



※ ※ ※



貴志さんのお誕生日と結婚記念日。
何を贈ってどんな風にお祝いすれば彼が喜んでくれるのか、一生懸命調べて考えた。去年は出雲に旅行したけど、今年は貴志さんには仕事がある。簡単に旅行なんかに連れ出せない。だったら家でどんな風に過せば良いか、ネットの海を航海した。大航海時代、黄金郷エルドラドを求めて船出した冒険者のように(なんちって/笑)。プレゼントと当日のご馳走は悩んだけど、割と楽に決まった。
だからこそ。
貴志さんに特別喜んでもらえるような事を何かしたいと思って。
再びネットの海を彷徨った。

キーワードは。
『恋人の男性や旦那さまに喜んでもらえる事』

貴志さんの趣味や嗜好は少しは理解してる心算だ。
裸エプロンは狂喜してくれたし、コスプレも大好きだ。
スッチーの衣装を着た時も物凄く喜んでくれた。
だったら他のコスプレでもしてみようかと思ったけど、どれもこれも恥ずかしいものばかりで。あちこちの島々を漂流してる間に、とんでもない処へ漂着してしまった。
エロ可愛い下着……ベビードールだ。
昔は『レースだけ!』とか『紐だけ!』みたいなものが多くて見られたものじゃなかったけど、今ではかなりラインナップが豊富になってた。後はアタシがほんの少し勇気を出すだけで。
そしてその勇気は、皮肉にもあの色気お化けがくれたのだ。
あのグラマラスなひとなら黒や紫やもっとドギツイ色でも、それこそ総レースの下着でも着こなせそうだけど、アタシにはとっても無理だ。もう少し優しい色で大人しめのデザインで、アラサーの女が着てもイタくない。それでいて、男性の欲を……貴志さんの欲を煽るような物。結局アタシはパステルピンクのキャミソールタイプのものにした。透けてるのはしようがないとしても、少しでも露出を避けたいと無駄な足掻きをしてみたのだが、それがいけなかったのか。とんでもない落とし穴が待ってたのだ!! 説明書きを詳しく読まなかった自分が悪いとは云え、派手さがない比較的シンプルだと思ってたデザインで選んだ下着のショーツの大事なイケナイ部分が何とパックリ開いてる超大胆な下着ものだったのだ!!!
ネット通販で届いた現物を見た時、驚きに固まってしまったが。
自分が頼んだ物に間違いないので、返品する訳にもいかない。
かなりキケンなブツを前に悶々と悩んでしまったが。

『偶然は、あなたのために用意された必然である』
との、真唯の座右の銘が頭をかすめた。

これも一つの機会チャンスかも知れない。
貴志さんが余所見をしないよう、頑張れる事は頑張るべきである!
妙な使命感に燃えてしまったアタシは気付く事が出来ずにいた。


妙な屁理屈をこねてまで拘ったのは。
貴志さんの昔の女への嫉妬と対抗心であった事を。



※ ※ ※



「ま、真唯さん…っ、…そのお姿は…っ!?」
お風呂の後でいつもはパジャマをしっかり着込むのだが、アタシはバスローブの下は問題のベビードールだけだったのだ。 ……どん引きされない自信はあったのだが…良かった、貴志さんの表情かおが真っ赤になってる…相変わらず趣味が悪いなァ…お願いだから、一生そのままでいてね……
「…やっぱり、似合いませんか…?」
「…! 真唯さん…っ、…貴女、理解ってておっしゃってるでしょう…!!」
グイッと腕を引かれて、倒れ込んだのは貴志さんの腕の中。貴志さんの欲望が当たってる…良かった…恥ずかしいのを我慢した甲斐があった……
「…鍋や腕時計だけで充分嬉しかったのに…私の奥さまは、どこまで私を夢中にさせれば気が済むのでしょうね…」
「…なって…アタシに夢中に…」
「…その言葉…後悔しないで下さいよ…」
アタシをギュッと抱き締めた旦那さまの腕の中で、長い一夜を予感出来た事が心底幸福しあわせだった……



貴志さんはアタシをベッドに寝かせると、上からじっくり鑑賞…ううん…視姦してる……アソコが濡れてくるのを感じるけど、恥ずかしくなんかない……だって『感じやすいですね。』なんて、貴志さんは喜んでくれるから……
「…脱がせるのが勿体ないですね…とっても卑猥で可愛いですよ…」
貴志さんは耳元で囁くとアタシの胸をブラの上から優しくまさぐる。
以前はAカップだったけど、今アタシはCカップだ。
ほど良く谷間が出来てて、とても嬉しい。
だから、こんな無謀なチャレンジする勇気も出たんだけどね(苦笑)。
……なんて、現実逃避してる間にも。
貴志さんはアタシの攻略あいぶを続けてる。
「…真唯…俺の真唯…愛してるよ…」
必殺の低音ヴァリトン・エロ・ヴォイスで囁きながら。

(…え…ちょ、ちょって待って…っ、…貴志さん、今、自分の事『俺』って…)

「あァ…ッ、…たか…貴志さ…んっ!」
「…真唯…俺の誕生日だから、勇気を出してくれたんだ…?」
「…うん…すこし、でも…っ、…貴志さんにっ…よろこんで、欲しくて…っ!!」
「…貴女の企みは、大成功ですよ…俺は、大喜びです…」
貴志さんの舌が、胸の頂きを舐めまわす。
ベビードールのブラの上から。
「は…貴志さん…っ、…もっと…ォ…ッ!!」
貴志さんの頭を抱えながらねだれば。
「…勿論、ご期待には応えるよ…透けて見えて、朱い実がとっても淫靡だ…」
愛撫の舌と指はどんどんと動きが激しくなってきて。
アタシの嬌声こえは高くなる一方だ。
「…たか…そこ、ばっか…ヤ…ッ!!」
「…次は、どこを触って欲しいの…?」
「やっ…理解ってる、くせに…っ」
「…真唯のおねだりが聴きたいんだよ…答えて…」

少しだけ考えて。
躊躇いはほんの一瞬だった。

貴志さんの身体を押すようにすると、彼はその通りに動いてくれたけど、アタシの意図は理解らなかったようだ。戸惑う雰囲気が伝わってきたから。……まだ、パジャマの上着を着たままの余裕が、憎らしい…今、その余裕りせいを剥いであげる……
もどかしい想いの命じるままに、アタシは身体を完全に起こしてベッドヘッドに座った。大きな枕を背に。

そして、足を開いて……


貴志さんが呼吸いきを呑む気配がする。
オープンショーツを広げ、自分の悦い処を探る。
アタシは貴志さんの視線を意識しながら、ひたすら指を動かした。
「…ここ…っ、…ここを…触ってっ…欲しいっ、のっ!!」
「……真唯……」
「ああァ…ン…たかしさん…よそ見なんかしちゃ、だめェ…ッ!!」
「…しないよ…よそ見なんて、出来るはずがない…君に釘付けだ…っ」
「たかしさんは、誰にもっ、あげない、…から…っ!!」
「…安心して…俺は真唯あなたのものだ…永遠とわに…っ!!」
興奮したような夫がアタシに触れようとするけど、アタシは待ったをかけて。足を更に開いて貴志さんから見えやすいようにして。自分の一番カンジル部分を指で押し潰すようにしていじった。……貴志さんから舐められる快感を思い出しながら……
「あ…っ、…貴志さん…たかしさん…っ、…もっと…ォッ!!」
アタシは眼を瞑って快楽に浸る。本人を前にして焼け付くような熱視線を意識しながら、かれの指や舌で得る快感を思い出しながらスる自慰オナニーは何とも言えない倒錯的な快感だった。
「真唯さん…っ、…これは何の拷問なんですか…っ!?」
「…貴志さん…アタシにさわりたい…?」
「当たり前です…っ!!」
「…最初にジラしたのは、貴志さんのくせに…でも…これは、おしおき…」
「ハ…?」
「…だって、たかしさん…ズル、い…っ、…アタシ、にはっ…あなただけ、なのに…っ」
「俺にだって貴女だけです…っっ!!!」
「…でもっ…アタシにあう前っ…たくさんのヒトッ、抱いてる…っ、…でしょ…っ!!」
「…!! …そ…それは…っ、…でもっ…本気になった女は、誓って貴女一人だ…っ!!」
「……ホント…?」
「本当です…っ!!」
「……きれいなひと…たくさん…いたっでしょ…っ」
真唯あなた以上の女など、ただの一人もいなかった…っ!!」
「……うそ…っ」
「嘘なんかじゃない…っ、…だから、貴女と結婚したんだ…ッッ!!!」
何だか血を吐くような必死な叫びに、閉じてた眼をあけると。
爛々と血走ったようながアタシを見つめてた。

……ああ…このひとったら……

「…あ…っ、…たか、しさんっ…イッちゃう…ッ、…あなたで、かせて…っ」
その声を聞いた瞬間の貴志さんの表情かおは、きっと一生忘れられないだろう。
……心底、安堵したような…真なる母の愛をようやく得る事が出来た幼子のような、酷く切なそうな……。その後の彼の行動は素早かった。ズボンを脱ぐ間も惜しむように前をくつろげ、雄々しくそそり立つそれを、貴志さんはすぐにアタシにくれたのだった。





「ハアァァ…ッ、…あァァ…ッッ!!」
熱い貴志さん自身がアタシの最奥を穿つ。挿入れられた瞬間軽くイッてしまったアタシはかなり敏感になってしまってる。アタシの内部なかを抽挿する彼自身を離すまい、逃すまいと無意識に締め付けてしまうのか、貴志さんもかなりの快楽を得ているようで眉間に皺を寄せてる表情かおがとてもSEXYだ。……貴志さんのこんな表情かおを知ってるのはアタシだけでいい……。アタシは彼の背中にしがみついて、彼の情熱を甘受した。
やがて。
貴志さんは、アタシの内部なかで。
最後の瞬間ときを迎えて―――自身を解放した。


(…ああ…アタシの内部なかでイッてくれたんだ…)


深い安堵を感じていると、貴志さんのそれがアタシの内部なかですぐに力を取り戻し。
再び始まる悦楽の時間ときにその身を委ねたのだった。



※ ※ ※



「…真唯さん…もしかして、私の昔の女が貴女にご迷惑でもお掛けしましたか…?」
「………………………」 ……やっぱ、理解っちゃいますよね……
「…申し訳ありません…さぞかし不愉快な思いをされた事でしょう…」
「………………………」 ……いえ、不愉快と言うより…劣等感を刺激されただけなんですけど……
「…何か世迷い言でも抜かしてませんでしたか…? …名乗っていたりしたら、教えて頂きたいんですが…」
「……名前を知って、どうされるんですか…?」
「勿論釘を差しに行くんですよ…貴女に二度と不愉快な思いをさせないように…」
「……名乗りもしませんでしたよ…ただ……」
「『ただ』?」
「……自信に溢れた、凄く綺麗な女性ひとでした……」
今度は貴志さんが無言になってしまう番だった。
でも。
「…貴志さん…このお話しはもう止めましょう…」
「…ですが…」
「…折角の貴志さんの腕枕で過ごす誕生日バースデーなんですから…もっと楽しいお話ししましょう…?」
「…あの下着ベビードールでの真唯さんの自慰マスターベーションは…最高でしたね…」
「……それは、忘れて下さい……」
「……今頃照れてらっしゃるんですか…可愛い女性かただ…最高の記念日アニバーサリーになりましたよ…」
「……正気じゃなかったんです……」
「……そこまで我を忘れて下さった理由わけが、俺の昔の女への嫉妬だとしたら…真唯さんには失礼ですが、嬉しいですよ……」
「~~~~~////」
恥ずかしさのあまり貴志さんの胸に顔を埋めて、上げられなくなってしまう。 ……う~~…顔が真っ赤に火照ってるのが分かる……。何だか悔しくなってしまって。眼の前の貴志さんの裸の胸に吸い付いて、跡を残した。綺麗なキスマークにはならなかったけど、“アタシのもの”って云う印みたいで嬉しくなる。
「…何を可愛らしい事をなさってるんでしょうねぇ…俺の奥方は…」
頭の上から呆れたような愛し気なため息が聴こえるが気にしない。
かれの睦言がアタシの精神ココロを温めてくれてるから。



真唯あなた以上の女など、ただの一人もいなかった…っ!!』



かれはホントに趣味が悪いと思う。
あんなゴージャスビューティーな美女よりもアタシを選んでくれるなんて。
でも。
それこそ、貴志さんが“アタシの運命の男性ひと”である事の証なんだと思う。
『割れ鍋に綴じ蓋』なんて失礼な言葉が頭に浮かんでは消えるが、随分性能の良い『割れ鍋』もあったものだ(苦笑)。
アタシで蓋になれるなら、喜んでなろう。




が。
調子ブッこいてたツケは確実にやってきた。


朝までコースは覚悟してたのだが、翌日短い睡眠の後に貴志さんお手製のブランチを頂いて。再び挑まれてしまったアタシは、結局翌月曜の朝までベッドの中で過ごす羽目に陥ったのだった。
おまけに。
13日には、キラキラと煌めくダイアモンドを二つプレゼントされて。
「これは昨年の分まで含んでおります。これから毎年、結婚記念日にプレゼントしてゆきます。これでエタニティ・リングを作る事が出来るのは何周年記念日になるか楽しみですね♡」なんてお言葉まで頂戴してしまって。







……もう絶対、ヤキモチなんか焼かない。
ヤキモチなんか焼いて、旦那さまを煽ったりなんかしない。



だから。
誰か、このひとの、アタシのための浪費癖を何とかしてェーーーッッ!!!







ちなみに。
貴志さんが、アタシに着せたいSEXY下着を買ってくるようになってしまわれた事は、ほんのささやかな余談でしかない……と思えるようになってしまったアタシもいいかげん貴志さんに毒されてると思う(爆)。






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