236 / 315
二年目の新婚夫妻(バカップル)
No,234 真唯奥さまのヤキモチ 【後編】 ※R18
しおりを挟む
「ああァ…ン…たかしさん…よそ見なんかしちゃ、だめェ…ッ!!」
スケスケのベビードールを着て、貴志さんの前で一人Hしちゃうなんて、アタシは絶対正気じゃない。
※ ※ ※
貴志さんのお誕生日と結婚記念日。
何を贈ってどんな風にお祝いすれば彼が喜んでくれるのか、一生懸命調べて考えた。去年は出雲に旅行したけど、今年は貴志さんには仕事がある。簡単に旅行なんかに連れ出せない。だったら家でどんな風に過せば良いか、ネットの海を航海した。大航海時代、黄金郷を求めて船出した冒険者のように(なんちって/笑)。プレゼントと当日のご馳走は悩んだけど、割と楽に決まった。
だからこそ。
貴志さんに特別喜んでもらえるような事を何かしたいと思って。
再びネットの海を彷徨った。
キーワードは。
『恋人の男性や旦那さまに喜んでもらえる事』
貴志さんの趣味や嗜好は少しは理解してる心算だ。
裸エプロンは狂喜してくれたし、コスプレも大好きだ。
スッチーの衣装を着た時も物凄く喜んでくれた。
だったら他のコスプレでもしてみようかと思ったけど、どれもこれも恥ずかしいものばかりで。あちこちの島々を漂流してる間に、とんでもない処へ漂着してしまった。
エロ可愛い下着……ベビードールだ。
昔は『レースだけ!』とか『紐だけ!』みたいなものが多くて見られたものじゃなかったけど、今ではかなりラインナップが豊富になってた。後はアタシがほんの少し勇気を出すだけで。
そしてその勇気は、皮肉にもあの色気お化けがくれたのだ。
あのグラマラスな女なら黒や紫やもっとドギツイ色でも、それこそ総レースの下着でも着こなせそうだけど、アタシにはとっても無理だ。もう少し優しい色で大人しめのデザインで、アラサーの女が着てもイタくない。それでいて、男性の欲を……貴志さんの欲を煽るような物。結局アタシはパステルピンクのキャミソール型のものにした。透けてるのはしようがないとしても、少しでも露出を避けたいと無駄な足掻きをしてみたのだが、それがいけなかったのか。とんでもない落とし穴が待ってたのだ!! 説明書きを詳しく読まなかった自分が悪いとは云え、派手さがない比較的シンプルだと思ってたデザインで選んだ下着のショーツの大事な部分が何とパックリ開いてる超大胆な下着だったのだ!!!
ネット通販で届いた現物を見た時、驚きに固まってしまったが。
自分が頼んだ物に間違いないので、返品する訳にもいかない。
かなりキケンなブツを前に悶々と悩んでしまったが。
『偶然は、あなたのために用意された必然である』
との、真唯の座右の銘が頭をかすめた。
これも一つの機会かも知れない。
貴志さんが余所見をしないよう、頑張れる事は頑張るべきである!
妙な使命感に燃えてしまったアタシは気付く事が出来ずにいた。
妙な屁理屈をこねてまで拘ったのは。
貴志さんの昔の女への嫉妬と対抗心であった事を。
※ ※ ※
「ま、真唯さん…っ、…そのお姿は…っ!?」
お風呂の後でいつもはパジャマをしっかり着込むのだが、アタシはバスローブの下は問題のベビードールだけだったのだ。 ……どん引きされない自信はあったのだが…良かった、貴志さんの表情が真っ赤になってる…相変わらず趣味が悪いなァ…お願いだから、一生そのままでいてね……
「…やっぱり、似合いませんか…?」
「…! 真唯さん…っ、…貴女、理解ってておっしゃってるでしょう…!!」
グイッと腕を引かれて、倒れ込んだのは貴志さんの腕の中。貴志さんの欲望が当たってる…良かった…恥ずかしいのを我慢した甲斐があった……
「…鍋や腕時計だけで充分嬉しかったのに…私の奥さまは、どこまで私を夢中にさせれば気が済むのでしょうね…」
「…なって…アタシに夢中に…」
「…その言葉…後悔しないで下さいよ…」
アタシをギュッと抱き締めた旦那さまの腕の中で、長い一夜を予感出来た事が心底幸福だった……
貴志さんはアタシをベッドに寝かせると、上からじっくり鑑賞…ううん…視姦してる……アソコが濡れてくるのを感じるけど、恥ずかしくなんかない……だって『感じやすいですね。』なんて、貴志さんは喜んでくれるから……
「…脱がせるのが勿体ないですね…とっても卑猥で可愛いですよ…」
貴志さんは耳元で囁くとアタシの胸をブラの上から優しく弄る。
以前はAカップだったけど、今アタシはCカップだ。
ほど良く谷間が出来てて、とても嬉しい。
だから、こんな無謀なチャレンジする勇気も出たんだけどね(苦笑)。
……なんて、現実逃避してる間にも。
貴志さんはアタシの攻略を続けてる。
「…真唯…俺の真唯…愛してるよ…」
必殺の低音で囁きながら。
(…え…ちょ、ちょって待って…っ、…貴志さん、今、自分の事『俺』って…)
「あァ…ッ、…たか…貴志さ…んっ!」
「…真唯…俺の誕生日だから、勇気を出してくれたんだ…?」
「…うん…すこし、でも…っ、…貴志さんにっ…よろこんで、欲しくて…っ!!」
「…貴女の企みは、大成功ですよ…俺は、大喜びです…」
貴志さんの舌が、胸の頂きを舐めまわす。
ベビードールのブラの上から。
「は…貴志さん…っ、…もっと…ォ…ッ!!」
貴志さんの頭を抱えながらねだれば。
「…勿論、ご期待には応えるよ…透けて見えて、朱い実がとっても淫靡だ…」
愛撫の舌と指はどんどんと動きが激しくなってきて。
アタシの嬌声は高くなる一方だ。
「…たか…そこ、ばっか…ヤ…ッ!!」
「…次は、どこを触って欲しいの…?」
「やっ…理解ってる、くせに…っ」
「…真唯のおねだりが聴きたいんだよ…答えて…」
少しだけ考えて。
躊躇いはほんの一瞬だった。
貴志さんの身体を押すようにすると、彼はその通りに動いてくれたけど、アタシの意図は理解らなかったようだ。戸惑う雰囲気が伝わってきたから。……まだ、パジャマの上着を着たままの余裕が、憎らしい…今、その余裕を剥いであげる……
もどかしい想いの命じるままに、アタシは身体を完全に起こしてベッドヘッドに座った。大きな枕を背に。
そして、足を開いて……
貴志さんが呼吸を呑む気配がする。
オープンショーツを広げ、自分の悦い処を探る。
アタシは貴志さんの視線を意識しながら、ひたすら指を動かした。
「…ここ…っ、…ここを…触ってっ…欲しいっ、のっ!!」
「……真唯……」
「ああァ…ン…たかしさん…よそ見なんかしちゃ、だめェ…ッ!!」
「…しないよ…よそ見なんて、出来るはずがない…君に釘付けだ…っ」
「たかしさんは、誰にもっ、あげない、…から…っ!!」
「…安心して…俺は真唯のものだ…永遠に…っ!!」
興奮したような夫がアタシに触れようとするけど、アタシは待ったをかけて。足を更に開いて貴志さんから見えやすいようにして。自分の一番カンジル部分を指で押し潰すようにして弄った。……貴志さんから舐められる快感を思い出しながら……
「あ…っ、…貴志さん…たかしさん…っ、…もっと…ォッ!!」
アタシは眼を瞑って快楽に浸る。本人を前にして焼け付くような熱視線を意識しながら、夫の指や舌で得る快感を思い出しながらスる自慰は何とも言えない倒錯的な快感だった。
「真唯さん…っ、…これは何の拷問なんですか…っ!?」
「…貴志さん…アタシにさわりたい…?」
「当たり前です…っ!!」
「…最初にジラしたのは、貴志さんのくせに…でも…これは、おしおき…」
「ハ…?」
「…だって、たかしさん…ズル、い…っ、…アタシ、にはっ…あなただけ、なのに…っ」
「俺にだって貴女だけです…っっ!!!」
「…でもっ…アタシにあう前っ…たくさんのヒトッ、抱いてる…っ、…でしょ…っ!!」
「…!! …そ…それは…っ、…でもっ…本気になった女は、誓って貴女一人だ…っ!!」
「……ホント…?」
「本当です…っ!!」
「……きれいな女…たくさん…いたっでしょ…っ」
「真唯以上の女など、ただの一人もいなかった…っ!!」
「……うそ…っ」
「嘘なんかじゃない…っ、…だから、貴女と結婚したんだ…ッッ!!!」
何だか血を吐くような必死な叫びに、閉じてた眼をあけると。
爛々と血走ったような瞳がアタシを見つめてた。
……ああ…この夫ったら……
「…あ…っ、…たか、しさんっ…イッちゃう…ッ、…あなたで、逝かせて…っ」
その声を聞いた瞬間の貴志さんの表情は、きっと一生忘れられないだろう。
……心底、安堵したような…真なる母の愛をようやく得る事が出来た幼子のような、酷く切なそうな……。その後の彼の行動は素早かった。ズボンを脱ぐ間も惜しむように前をくつろげ、雄々しくそそり立つ楔を、貴志さんはすぐにアタシにくれたのだった。
「ハアァァ…ッ、…あァァ…ッッ!!」
熱い貴志さん自身がアタシの最奥を穿つ。挿入れられた瞬間軽くイッてしまったアタシはかなり敏感になってしまってる。アタシの内部を抽挿する彼自身を離すまい、逃すまいと無意識に締め付けてしまうのか、貴志さんもかなりの快楽を得ているようで眉間に皺を寄せてる表情がとてもSEXYだ。……貴志さんのこんな表情を知ってるのはアタシだけでいい……。アタシは彼の背中にしがみついて、彼の情熱を甘受した。
やがて。
貴志さんは、アタシの内部で。
最後の瞬間を迎えて―――自身を解放した。
(…ああ…アタシの内部でイッてくれたんだ…)
深い安堵を感じていると、貴志さんの楔がアタシの内部ですぐに力を取り戻し。
再び始まる悦楽の時間にその身を委ねたのだった。
※ ※ ※
「…真唯さん…もしかして、私の昔の女が貴女にご迷惑でもお掛けしましたか…?」
「………………………」 ……やっぱ、理解っちゃいますよね……
「…申し訳ありません…さぞかし不愉快な思いをされた事でしょう…」
「………………………」 ……いえ、不愉快と言うより…劣等感を刺激されただけなんですけど……
「…何か世迷い言でも抜かしてませんでしたか…? …名乗っていたりしたら、教えて頂きたいんですが…」
「……名前を知って、どうされるんですか…?」
「勿論釘を差しに行くんですよ…貴女に二度と不愉快な思いをさせないように…」
「……名乗りもしませんでしたよ…ただ……」
「『ただ』?」
「……自信に溢れた、凄く綺麗な女性でした……」
今度は貴志さんが無言になってしまう番だった。
でも。
「…貴志さん…このお話しはもう止めましょう…」
「…ですが…」
「…折角の貴志さんの腕枕で過ごす誕生日なんですから…もっと楽しいお話ししましょう…?」
「…あの下着での真唯さんの自慰は…最高でしたね…」
「……それは、忘れて下さい……」
「……今頃照れてらっしゃるんですか…可愛い女性だ…最高の記念日になりましたよ…」
「……正気じゃなかったんです……」
「……そこまで我を忘れて下さった理由が、俺の昔の女への嫉妬だとしたら…真唯さんには失礼ですが、嬉しいですよ……」
「~~~~~////」
恥ずかしさのあまり貴志さんの胸に顔を埋めて、上げられなくなってしまう。 ……う~~…顔が真っ赤に火照ってるのが分かる……。何だか悔しくなってしまって。眼の前の貴志さんの裸の胸に吸い付いて、跡を残した。綺麗なキスマークにはならなかったけど、“アタシのもの”って云う印みたいで嬉しくなる。
「…何を可愛らしい事をなさってるんでしょうねぇ…俺の奥方は…」
頭の上から呆れたような愛し気なため息が聴こえるが気にしない。
夫の睦言がアタシの精神を温めてくれてるから。
『真唯以上の女など、ただの一人もいなかった…っ!!』
夫はホントに趣味が悪いと思う。
あんなゴージャスビューティーな美女よりもアタシを選んでくれるなんて。
でも。
それこそ、貴志さんが“アタシの運命の男性”である事の証なんだと思う。
『割れ鍋に綴じ蓋』なんて失礼な言葉が頭に浮かんでは消えるが、随分性能の良い『割れ鍋』もあったものだ(苦笑)。
アタシで蓋になれるなら、喜んでなろう。
が。
調子ブッこいてたツケは確実にやってきた。
朝までコースは覚悟してたのだが、翌日短い睡眠の後に貴志さんお手製のブランチを頂いて。再び挑まれてしまったアタシは、結局翌月曜の朝までベッドの中で過ごす羽目に陥ったのだった。
おまけに。
13日には、キラキラと煌めくダイアモンドを二つプレゼントされて。
「これは昨年の分まで含んでおります。これから毎年、結婚記念日にプレゼントしてゆきます。これでエタニティ・リングを作る事が出来るのは何周年記念日になるか楽しみですね♡」なんてお言葉まで頂戴してしまって。
……もう絶対、ヤキモチなんか焼かない。
ヤキモチなんか焼いて、旦那さまを煽ったりなんかしない。
だから。
誰か、この夫の、アタシのための浪費癖を何とかしてェーーーッッ!!!
ちなみに。
貴志さんが、アタシに着せたいSEXY下着を買ってくるようになってしまわれた事は、ほんのささやかな余談でしかない……と思えるようになってしまったアタシもいいかげん貴志さんに毒されてると思う(爆)。
スケスケのベビードールを着て、貴志さんの前で一人Hしちゃうなんて、アタシは絶対正気じゃない。
※ ※ ※
貴志さんのお誕生日と結婚記念日。
何を贈ってどんな風にお祝いすれば彼が喜んでくれるのか、一生懸命調べて考えた。去年は出雲に旅行したけど、今年は貴志さんには仕事がある。簡単に旅行なんかに連れ出せない。だったら家でどんな風に過せば良いか、ネットの海を航海した。大航海時代、黄金郷を求めて船出した冒険者のように(なんちって/笑)。プレゼントと当日のご馳走は悩んだけど、割と楽に決まった。
だからこそ。
貴志さんに特別喜んでもらえるような事を何かしたいと思って。
再びネットの海を彷徨った。
キーワードは。
『恋人の男性や旦那さまに喜んでもらえる事』
貴志さんの趣味や嗜好は少しは理解してる心算だ。
裸エプロンは狂喜してくれたし、コスプレも大好きだ。
スッチーの衣装を着た時も物凄く喜んでくれた。
だったら他のコスプレでもしてみようかと思ったけど、どれもこれも恥ずかしいものばかりで。あちこちの島々を漂流してる間に、とんでもない処へ漂着してしまった。
エロ可愛い下着……ベビードールだ。
昔は『レースだけ!』とか『紐だけ!』みたいなものが多くて見られたものじゃなかったけど、今ではかなりラインナップが豊富になってた。後はアタシがほんの少し勇気を出すだけで。
そしてその勇気は、皮肉にもあの色気お化けがくれたのだ。
あのグラマラスな女なら黒や紫やもっとドギツイ色でも、それこそ総レースの下着でも着こなせそうだけど、アタシにはとっても無理だ。もう少し優しい色で大人しめのデザインで、アラサーの女が着てもイタくない。それでいて、男性の欲を……貴志さんの欲を煽るような物。結局アタシはパステルピンクのキャミソール型のものにした。透けてるのはしようがないとしても、少しでも露出を避けたいと無駄な足掻きをしてみたのだが、それがいけなかったのか。とんでもない落とし穴が待ってたのだ!! 説明書きを詳しく読まなかった自分が悪いとは云え、派手さがない比較的シンプルだと思ってたデザインで選んだ下着のショーツの大事な部分が何とパックリ開いてる超大胆な下着だったのだ!!!
ネット通販で届いた現物を見た時、驚きに固まってしまったが。
自分が頼んだ物に間違いないので、返品する訳にもいかない。
かなりキケンなブツを前に悶々と悩んでしまったが。
『偶然は、あなたのために用意された必然である』
との、真唯の座右の銘が頭をかすめた。
これも一つの機会かも知れない。
貴志さんが余所見をしないよう、頑張れる事は頑張るべきである!
妙な使命感に燃えてしまったアタシは気付く事が出来ずにいた。
妙な屁理屈をこねてまで拘ったのは。
貴志さんの昔の女への嫉妬と対抗心であった事を。
※ ※ ※
「ま、真唯さん…っ、…そのお姿は…っ!?」
お風呂の後でいつもはパジャマをしっかり着込むのだが、アタシはバスローブの下は問題のベビードールだけだったのだ。 ……どん引きされない自信はあったのだが…良かった、貴志さんの表情が真っ赤になってる…相変わらず趣味が悪いなァ…お願いだから、一生そのままでいてね……
「…やっぱり、似合いませんか…?」
「…! 真唯さん…っ、…貴女、理解ってておっしゃってるでしょう…!!」
グイッと腕を引かれて、倒れ込んだのは貴志さんの腕の中。貴志さんの欲望が当たってる…良かった…恥ずかしいのを我慢した甲斐があった……
「…鍋や腕時計だけで充分嬉しかったのに…私の奥さまは、どこまで私を夢中にさせれば気が済むのでしょうね…」
「…なって…アタシに夢中に…」
「…その言葉…後悔しないで下さいよ…」
アタシをギュッと抱き締めた旦那さまの腕の中で、長い一夜を予感出来た事が心底幸福だった……
貴志さんはアタシをベッドに寝かせると、上からじっくり鑑賞…ううん…視姦してる……アソコが濡れてくるのを感じるけど、恥ずかしくなんかない……だって『感じやすいですね。』なんて、貴志さんは喜んでくれるから……
「…脱がせるのが勿体ないですね…とっても卑猥で可愛いですよ…」
貴志さんは耳元で囁くとアタシの胸をブラの上から優しく弄る。
以前はAカップだったけど、今アタシはCカップだ。
ほど良く谷間が出来てて、とても嬉しい。
だから、こんな無謀なチャレンジする勇気も出たんだけどね(苦笑)。
……なんて、現実逃避してる間にも。
貴志さんはアタシの攻略を続けてる。
「…真唯…俺の真唯…愛してるよ…」
必殺の低音で囁きながら。
(…え…ちょ、ちょって待って…っ、…貴志さん、今、自分の事『俺』って…)
「あァ…ッ、…たか…貴志さ…んっ!」
「…真唯…俺の誕生日だから、勇気を出してくれたんだ…?」
「…うん…すこし、でも…っ、…貴志さんにっ…よろこんで、欲しくて…っ!!」
「…貴女の企みは、大成功ですよ…俺は、大喜びです…」
貴志さんの舌が、胸の頂きを舐めまわす。
ベビードールのブラの上から。
「は…貴志さん…っ、…もっと…ォ…ッ!!」
貴志さんの頭を抱えながらねだれば。
「…勿論、ご期待には応えるよ…透けて見えて、朱い実がとっても淫靡だ…」
愛撫の舌と指はどんどんと動きが激しくなってきて。
アタシの嬌声は高くなる一方だ。
「…たか…そこ、ばっか…ヤ…ッ!!」
「…次は、どこを触って欲しいの…?」
「やっ…理解ってる、くせに…っ」
「…真唯のおねだりが聴きたいんだよ…答えて…」
少しだけ考えて。
躊躇いはほんの一瞬だった。
貴志さんの身体を押すようにすると、彼はその通りに動いてくれたけど、アタシの意図は理解らなかったようだ。戸惑う雰囲気が伝わってきたから。……まだ、パジャマの上着を着たままの余裕が、憎らしい…今、その余裕を剥いであげる……
もどかしい想いの命じるままに、アタシは身体を完全に起こしてベッドヘッドに座った。大きな枕を背に。
そして、足を開いて……
貴志さんが呼吸を呑む気配がする。
オープンショーツを広げ、自分の悦い処を探る。
アタシは貴志さんの視線を意識しながら、ひたすら指を動かした。
「…ここ…っ、…ここを…触ってっ…欲しいっ、のっ!!」
「……真唯……」
「ああァ…ン…たかしさん…よそ見なんかしちゃ、だめェ…ッ!!」
「…しないよ…よそ見なんて、出来るはずがない…君に釘付けだ…っ」
「たかしさんは、誰にもっ、あげない、…から…っ!!」
「…安心して…俺は真唯のものだ…永遠に…っ!!」
興奮したような夫がアタシに触れようとするけど、アタシは待ったをかけて。足を更に開いて貴志さんから見えやすいようにして。自分の一番カンジル部分を指で押し潰すようにして弄った。……貴志さんから舐められる快感を思い出しながら……
「あ…っ、…貴志さん…たかしさん…っ、…もっと…ォッ!!」
アタシは眼を瞑って快楽に浸る。本人を前にして焼け付くような熱視線を意識しながら、夫の指や舌で得る快感を思い出しながらスる自慰は何とも言えない倒錯的な快感だった。
「真唯さん…っ、…これは何の拷問なんですか…っ!?」
「…貴志さん…アタシにさわりたい…?」
「当たり前です…っ!!」
「…最初にジラしたのは、貴志さんのくせに…でも…これは、おしおき…」
「ハ…?」
「…だって、たかしさん…ズル、い…っ、…アタシ、にはっ…あなただけ、なのに…っ」
「俺にだって貴女だけです…っっ!!!」
「…でもっ…アタシにあう前っ…たくさんのヒトッ、抱いてる…っ、…でしょ…っ!!」
「…!! …そ…それは…っ、…でもっ…本気になった女は、誓って貴女一人だ…っ!!」
「……ホント…?」
「本当です…っ!!」
「……きれいな女…たくさん…いたっでしょ…っ」
「真唯以上の女など、ただの一人もいなかった…っ!!」
「……うそ…っ」
「嘘なんかじゃない…っ、…だから、貴女と結婚したんだ…ッッ!!!」
何だか血を吐くような必死な叫びに、閉じてた眼をあけると。
爛々と血走ったような瞳がアタシを見つめてた。
……ああ…この夫ったら……
「…あ…っ、…たか、しさんっ…イッちゃう…ッ、…あなたで、逝かせて…っ」
その声を聞いた瞬間の貴志さんの表情は、きっと一生忘れられないだろう。
……心底、安堵したような…真なる母の愛をようやく得る事が出来た幼子のような、酷く切なそうな……。その後の彼の行動は素早かった。ズボンを脱ぐ間も惜しむように前をくつろげ、雄々しくそそり立つ楔を、貴志さんはすぐにアタシにくれたのだった。
「ハアァァ…ッ、…あァァ…ッッ!!」
熱い貴志さん自身がアタシの最奥を穿つ。挿入れられた瞬間軽くイッてしまったアタシはかなり敏感になってしまってる。アタシの内部を抽挿する彼自身を離すまい、逃すまいと無意識に締め付けてしまうのか、貴志さんもかなりの快楽を得ているようで眉間に皺を寄せてる表情がとてもSEXYだ。……貴志さんのこんな表情を知ってるのはアタシだけでいい……。アタシは彼の背中にしがみついて、彼の情熱を甘受した。
やがて。
貴志さんは、アタシの内部で。
最後の瞬間を迎えて―――自身を解放した。
(…ああ…アタシの内部でイッてくれたんだ…)
深い安堵を感じていると、貴志さんの楔がアタシの内部ですぐに力を取り戻し。
再び始まる悦楽の時間にその身を委ねたのだった。
※ ※ ※
「…真唯さん…もしかして、私の昔の女が貴女にご迷惑でもお掛けしましたか…?」
「………………………」 ……やっぱ、理解っちゃいますよね……
「…申し訳ありません…さぞかし不愉快な思いをされた事でしょう…」
「………………………」 ……いえ、不愉快と言うより…劣等感を刺激されただけなんですけど……
「…何か世迷い言でも抜かしてませんでしたか…? …名乗っていたりしたら、教えて頂きたいんですが…」
「……名前を知って、どうされるんですか…?」
「勿論釘を差しに行くんですよ…貴女に二度と不愉快な思いをさせないように…」
「……名乗りもしませんでしたよ…ただ……」
「『ただ』?」
「……自信に溢れた、凄く綺麗な女性でした……」
今度は貴志さんが無言になってしまう番だった。
でも。
「…貴志さん…このお話しはもう止めましょう…」
「…ですが…」
「…折角の貴志さんの腕枕で過ごす誕生日なんですから…もっと楽しいお話ししましょう…?」
「…あの下着での真唯さんの自慰は…最高でしたね…」
「……それは、忘れて下さい……」
「……今頃照れてらっしゃるんですか…可愛い女性だ…最高の記念日になりましたよ…」
「……正気じゃなかったんです……」
「……そこまで我を忘れて下さった理由が、俺の昔の女への嫉妬だとしたら…真唯さんには失礼ですが、嬉しいですよ……」
「~~~~~////」
恥ずかしさのあまり貴志さんの胸に顔を埋めて、上げられなくなってしまう。 ……う~~…顔が真っ赤に火照ってるのが分かる……。何だか悔しくなってしまって。眼の前の貴志さんの裸の胸に吸い付いて、跡を残した。綺麗なキスマークにはならなかったけど、“アタシのもの”って云う印みたいで嬉しくなる。
「…何を可愛らしい事をなさってるんでしょうねぇ…俺の奥方は…」
頭の上から呆れたような愛し気なため息が聴こえるが気にしない。
夫の睦言がアタシの精神を温めてくれてるから。
『真唯以上の女など、ただの一人もいなかった…っ!!』
夫はホントに趣味が悪いと思う。
あんなゴージャスビューティーな美女よりもアタシを選んでくれるなんて。
でも。
それこそ、貴志さんが“アタシの運命の男性”である事の証なんだと思う。
『割れ鍋に綴じ蓋』なんて失礼な言葉が頭に浮かんでは消えるが、随分性能の良い『割れ鍋』もあったものだ(苦笑)。
アタシで蓋になれるなら、喜んでなろう。
が。
調子ブッこいてたツケは確実にやってきた。
朝までコースは覚悟してたのだが、翌日短い睡眠の後に貴志さんお手製のブランチを頂いて。再び挑まれてしまったアタシは、結局翌月曜の朝までベッドの中で過ごす羽目に陥ったのだった。
おまけに。
13日には、キラキラと煌めくダイアモンドを二つプレゼントされて。
「これは昨年の分まで含んでおります。これから毎年、結婚記念日にプレゼントしてゆきます。これでエタニティ・リングを作る事が出来るのは何周年記念日になるか楽しみですね♡」なんてお言葉まで頂戴してしまって。
……もう絶対、ヤキモチなんか焼かない。
ヤキモチなんか焼いて、旦那さまを煽ったりなんかしない。
だから。
誰か、この夫の、アタシのための浪費癖を何とかしてェーーーッッ!!!
ちなみに。
貴志さんが、アタシに着せたいSEXY下着を買ってくるようになってしまわれた事は、ほんのささやかな余談でしかない……と思えるようになってしまったアタシもいいかげん貴志さんに毒されてると思う(爆)。
0
お気に入りに追加
476
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R18】黒髪メガネのサラリーマンに監禁された話。
猫足02
恋愛
ある日、大学の帰り道に誘拐された美琴は、そのまま犯人のマンションに監禁されてしまう。
『ずっと君を見てたんだ。君だけを愛してる』
一度コンビニで見かけただけの、端正な顔立ちの男。一見犯罪とは無縁そうな彼は、狂っていた。
軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる