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エピソード23 【4匹の旅の仲間】

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★「おしゃれ」「お母さん」→マンモス白珊瑚の森に住む。おしゃれ金平糖ウミウシ。


★「いちご」→船形石珊瑚に住む「おしゃれ」の心友。いちごジャムウミウシ。


★「兄」→マンモス白珊瑚の森に住む14匹の魚たちの長男。青くて大きめの魚。過度の心配性の特徴あり。


★「妹」→マンモス白珊瑚の森に住む14匹の魚たちの末っ子。オレンジ色の小さな魚。しっかり者の性分。







「あっ。お母さんだ」



「兄」がいち早く気がついて、「いちご」と「妹」に知らせた。



「呼んでごらんなさい」



「いちご」がゆっくりと背伸びをした。



「兄」と「妹」が同時に呼んでみると、いつの間にか「おしゃれ」は《星の船》の上にいて、


のんきな声をあげた。



「まあ、三人おそろいで、ご旅行だったの。でもわたしも行くんだったかしらね。忘れちゃったわ」



「そうよ。お母さんも、行くのよ。きっと、楽しい旅行になるわ」



「どうしよう。お母さんも行くなら、お母さんのお食事をたくさん用意しておくんだった。

残念だなあ。もう、どうしよう」



「たまには、いいわよね。白珊瑚の森にばかりこもっていたのではつまらないわよ。

おしゃれには、気分転換が必要よ。今夜は旅に出るにはもってこいだわ」



「これ、おしゃれよね。光るカメさん。あなたの知り合いなの? 」



「ホシガメって言うのよ。とても便利なの。この方がどこにでも、あなたの行きたい所に連れてってくれるわ」



「わたしの行きたい所……あったかしらね」





《星の船》は、光の海を進んでいく。



マグロやサンマの群。



イカの大群や飛び魚たちが回遊していく姿。



潮が干いていくように、海の景色が一定のリズムで船の後ろへ遠ざかっていく。


船の先端よりもだいぶ先にある、二つに割れた海水の裂け目から、



様々な海の世界の様子が鮮やかに映り出て、



それがスルスルと潮騒のリズムで船の後方にスライドして後ずさっていく。



果たしてどうだろう。



こんな光景を一度たりと目にしただろうか?



その様子を目にしていた「おしゃれ」は感嘆の吐息を何度も洩らした。



そうなのだ。



いつもは、どこまでも四方八方に広がり、



果ての無いような海の世界だが、何故だか今は、横も斜めもなしに、



真っ直ぐにだけつながっているのだ。



どう考えてもそうはならないはずだと思える現象である。







〈続く〉
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