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La Madrugada 5 〔悦楽〕# R18

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 ーー兄さまっ、お願いっ! …………お願い、もっとっ! ……もっと、してっ!! …………や……ぁ…………ああっ!ああっ!ン…………んんっ! …………あ……い……いーー悦いっ!!

 兄は弟が尻を振ってがることを、2度目にはとがめなかった。

 弟が、兄から与えられる肛門アヌスへの舌戯ぜつぎよろこび、更なる責めをはしたなく請い 願こいねが嬌声こえが、絶え間なく上がり続ける様になった頃に、兄は寝台のかたわらに控えていた日陰シェイドに流し目をり、右手を差し出した。
 日陰シェイドは寝台に躙り寄にじりよると、差し出された兄のその手を取り、薄くハーブが香る軟膏ローションをその指にまとわせた。

 兄の左腕は弟を抱き、右の人差し指は柔らかく弟の肛門アヌスをなぞり、軟膏ローションを馴染ませながら肛門アヌスへ沈められて行った。

 ーー軟膏ローションまとった兄の指を、弟の肛門アヌスは拒まなかった。

 兄が素早く前立腺を探って弟を追い立て、ぐ、と強くそこを刺激してやると、弟は長く引く悲鳴をあげ、意識を手放した。


「ゃあぁあああーーーーーっ!!!」


 意識を無くし、くたりと力を失った弟の腕から頭を引き抜き、兄は猛り立たけりたっている己の男根ペニスを向け、もう一度弟の顔に精を放った。

 それから、鎖を外して足を下ろしてやって抱き寄せると、先程と同じ様に、顔中に己の精を塗り広げ、聞こえていないと分かっている弟にささやく。

「何度でも。リシェ、兄さまの精を掛けてやる。私だけだ……お前を汚してーー綺麗にしてあげるよ」



 §



 兄は意識なく、重くなっている弟の身体をなんなく抱き上げた。そして日陰シェイドを従え、弟を浴場に運んだ。

 洗い場で兄が弟を膝に乗せて抱いて支えると、日陰シェイドは、二人の髪と身体をを丹念に洗っていった。

 そして温泉ラヴィ・ハーラゥを満たした浴槽に二人で身を沈め、兄は弟の背を己れにもたれ掛けさせた。

 兄は弟を後ろからゆったりと抱き締め、弟の肩に顔をうずめてみたり、耳をんだりしながら、何度も、何度も繰り返し、確める様に弟の顔に唇を寄せた。

 弟は、兄の仕業しわざに時折ぴくっと身体を震わせたが、目を覚ますことはなかった。

 それから兄は、弟の胸の尖りとがりを弾いたり、ね回して楽しみ…………そして、人知れず涙を流した。
  


 §



「…………」
 弟は、薄暗闇の中で目を覚ました。

「ん…………」

 ゆっくりと身を起こすと肩から掛け布が滑り落ちる。

 辺りを見渡し、ふと、戒めが解かれている手首に視線が落とされた時、兄と何をしていたかーーされていたか思い出し、掛け布を握り締めていた。

 つらく果ての無い様に思われた、過ぎるほどに甘い責め苦を、弟は思わず反芻はんすうしてしまった。
 肛門アヌスの奥が物欲しげにうずき、身体に強く、覚えたばかりの悦楽を呼ぶしびれが走る。

 あれだけいても涙は枯れないようで、ツーーと涙が伝う。

 何故、涙が出るのかは分からない。ただ、

「こんなに……」
 自分は兄を求めていたのだ、と知る。自分が思っていたよりも、遥かに。

「ーーこんなに直ぐ、いやらしい身体になってしまって……。僕は元々“いやらしい子”、だったのかな…………」
 声をあげすぎて、かすれてしまった声で呟いた。
 10歳とおになる以前より、臣らの劣情を誘った自分。

「でも、またかけてくれる、って」

 兄の精で顔中汚されてーーそして、綺麗になった。兄はそう言ってくれた。だから自分はそれでーーもういい。

「兄さまは、許してくれるよね。僕が……兄さまが思っているよりずっとーーいやらしい子でも」

 既に、兄から二度目の精マーキングを受けていることを弟は知らない。



日陰シェイド、いますか?」

 部屋の入り口はとばりで陽の光をさえぎっていたらしく、現れた日陰シェイドが、左右に垂れ絹たれぎぬを寄せると、高窓からの入るひかりが注がれた。

 寝室に入り寝台の前まで来ると、日陰シェイドは手の平を重て合わせて胸の真中に置き、頭を下げた。上は裸身に襟飾ウェセクりと二の腕にバングルを身につけ、下肢にくるぶしまでの腰巻ロウェルを巻いていた。

「兄さまはお戻りになりましたよね。僕は、起きてもいいでのでしょうか?」
 弟の問い掛けに、日陰シェイドは小さく首肯しゅこうする。

「兄さまに、僕に対して声を出すことは禁じられていますか?」

 『』と、日陰シェイドが頷く。
  
「僕があなたを日陰シェイド、と呼んだり、話し掛けることも許されていない?」

 それには『いな』と首が振られた。

「良かった。ーーでは、起きます」
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