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秘匿裁判 ーミスティシリヤー 〔隷属〕# R15(微エロ)

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 秘匿裁判ミスティシリヤ開廷かいていされた。



 被告の場にひざまづかされたリシェールは目隠しを施され、その身にまとうことを許されたのは丈の短い薄い腰布のみ。そして付けられた首枷かせは、鎖で後ろ手にはめめられた手枷と繋がれていた。

 限られた重臣のみが陪席ばいせきし沈黙を守るその場に、アレクセイ外知げじひびく。

「大逆の咎人とがびと、王弟リシェール・ルシアン・ウル・ハルキティスの王族籍を剥奪はくだつし、死をたまう」

 宣告後、アレクセイは自らの小刀ナイフで、リシェールの髪を、ハルキでは貴族の証しとされている長い髪を切り落として備えられていたトレーに預ける。そして、

「尻をついて床に背を預けろ……それで良い。ーー膝を立て、あしを開けリシェール」
 兄の命令にリシェールの喉がひくつき、全身は朱を刷いた。
 目隠しで視界は遮られ、陪席の沈黙により届く気配は薄いが、兄を筆頭とし、皆に視姦しかんされていることにかわりはない。

「聞こえなかったのか。皆に良く見えるように大きくあしを開けと、王が命じているのだ、リシェール」

 息を吐き、羞恥に震える身体を宥めて、リシェールは兄の命に従い、ゆっくりと大きくあしを開き、下履きを許されていない股間を、えている男根ペニスしたえとを衆目しゅうもくに晒した。

『そのまま動くな。傷付けたくはない』
 大きく開いたリシェールのあしの前に膝をつくと、アレクセイはリシェールにだけ聞こえるようささやいてから、髪と同じ金色の下生えを殊更ことさら丁寧に剃り落とし、先ほど切った髪を預けた、同じトレーに乗せていった。

 アレクセイはリシェールの下生えを全て剃り落とし、陪席人らに無毛の股間を共覧すると、もう一度ひとたび外知を下した。

「名を失ったこの者は、性奴隷に堕とされ生涯に渡り幽閉。以降、穿鑿せんざく無用ーー干渉するな」

 王の性奴とされた者は、控えていた獄吏ごくり何処いずこへかと引き立てられて行った。


「此度の秘匿裁判ミスティシリヤは以上をもち結審とする」


 数日後、王弟リシェール・ルシアン・ウル・ハルキティスの獄死ごくしが公表された。

 大逆の咎人として打ち捨てられ、埋葬まいそう地不明、その存在を抹消された。



 前回の秘匿裁判ミスティシリヤは優に100余年以前ーーろくを退け、陪席ばいせきに沈黙を強要するそれは、“王の刃”ーーハルキの王の禁じ手であった。
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