90 / 183
渚のリッチな夜でした
その32
しおりを挟む
参道を挟んで燃え盛る篝火に照らされて、漆黒の躯が神域の管理者を睨み据えている。
髑髏の眼窩に灯る蒼白い光より放たれる眼差しを受けて、だが、沼津は取り乱す事は無かった。深紅の袍の袖を翻し、彼は手にした短刀の切っ先を、本来の姿を現したリウドルフへぴたりと据えた。
「遂に正体を現したか、化生!!」
対するリウドルフも鳥居を背にしたまま微動だにせず、敵意を露わにする宮司へと言葉を返す。
「化生? そう言って人を公然と指差せるだけの確たる違いが、そちらにあるのか? 大辺度神社宮司沼津幸三、いや沼津信吉殿」
リウドルフの持ち出した名に沼津は顔を歪めた。
直後、リウドルフの傍らに眩い光の輪が発生し、間も無くその内側から複数の人影が浮かび上がる。
闇色の衣を纏い緋色に輝く髪を靡かせたアレグラと、それに付き従う美香、及び切り離された木々の根によって雁字搦めに縛られた異形のもの共の姿が、参道の横に現れたのだった。
転移による光が収まった頃、鳥居の頂より下りた司もまた列の後方に陣取った。
篝火の向こうに居並ぶ面々を確認した後、沼津は闖入者達の足元に転がる異形のもの共に気付いて目を見張った。
「彼らをどうしたのだ!?」
「どうもこうも、単純に正当防衛を行なった結果だよ」
一同の先頭に立ったリウドルフが、眼窩に灯った蒼白い光を揺らめかせて答えた。
「満月の夜は彼らも特に血に狂うらしい。あんたが重症者を『隔離』しておいた岬の牢獄から、彼らは自力で抜け出したのだ。それだけの真似が出来る程に、彼らは身も心も人間離れしてしまった。悍ましい血の呪いに村全体を巻き込んだ、これは全てあんたが招いた事態だ、宮司殿」
沼津は炎によって更に赤みが増した顔を、後ろに控える佳奈恵へと向ける。
「どういう事だ!? 宿の食事に薬を混ぜるようにと……!」
「いいえ」
佳奈恵は俯き加減で首を小さく左右に振った。
「お父様、いえお義父さん、今更そんな真似をしたって何の意味も無い事です。何事にも終わりは巡って来るんです、きっと……」
「何を馬鹿な! 奴らは……!」
沼津が更に何事を喚こうとした時、佳奈恵はそれまで両手で胸元に掲げていた大杯を不意に傾けたのだった。
血を溶かした御神酒が彼女の足元へと零れ落ちて行く。
その有様を認めて沼津は目を見張った。
同じく彼女の方へと視線を据えたリウドルフは、眼窩に灯った蒼白い光を微かに震わせる。
「……若狭佳奈恵さん。若狭瑞希さん。若狭瞳さんと名乗っていた時期もあったようだが、いずれにせよ戸籍上の名前など貴女には何の意味も持たないのだろう。本当の名を憶えているのは今や貴女一人なのだから」
炎の灯りに白装束をうっすらと朱に染め上げた佳奈恵は、再び俯いた。
リウドルフはそんな佳奈恵と沼津とを見据え、更に言葉を続ける。
「しかし、貴女方も中々に上手く立ち回ったようだ。幾ら人の往来に乏しい小さな村の中の事とは言え、戸籍上の年齢が在り得ない程加算されればいずれは否応無しに人目を惹き始める。その前に形だけの葬儀を執り行い、実体の伴わない死亡届を自治体へ収めた後、死者の子や孫、親戚を装いながらこの小さな村での生活を波立たせぬよう、区切り無く続けられるよう取り計らって来た訳だからな」
「ど、どういう事……?」
リウドルフの斜め後ろから美香が困惑した声を漏らした。
火影に照らされる村人達はその体の半ば以上を陰に覆わせており、各々の表情は窺い知れない。一つ確かな事実は、夜の境内に集まった彼らは神域に踏み込んだ余所者達へ、友好的とは到底評せぬ眼差しを送り続けていると言う事のみであった。
無数の視線が交わる中、だが物怖じする様子も覗かせずにリウドルフは説明する。
「隣町ではこの村の事を知らない内に人が増えたり減ったりする不気味な場所などと呼んでいるようだが、実際にはこの村の人口は増えても減ってもいない。役所や警察の記録を漁ってみたが、少なくともこの半世紀の間は常に同じ数の住民が暮らしている事になっている。不気味な程にぴったりとな」
背中越しに美香へそこまで答えると、リウドルフは挑発的な眼差しを沼津へと送った。
「からくり自体は至極単純なものだった。何処かの家が訃報を出しても、必ずその前後に他所の土地から遣って来た親類縁者なる者がこの村に移住届を提出している。差し引きゼロとなるように常に工作が施されて来たんだ。隣町や自治体にも不審に思う者はいるのだろうが、誰一人想像もしていないだろう。よもや七十年以上昔から、同じ人間達が同じ姿形のまま同じ土地で暮らし続けているなどとは」
リウドルフは、そこまで告げた所で小首を傾げて見せた。
「……いや、厳密には『同じ姿形』とは言えないか。見ての通り、『恵比寿』の毒は確実に住人を蝕んでいるのだから」
篝火から大き目の火の粉が音を立てて爆ぜた。
リウドルフは真向かいに置かれた桐の箱へと、骨化した右手を向けた。
「折角の祭りだ。ここいらで『神様』にも御出まし頂こうではないか」
石の敷かれた参道を挟んで燃える篝火の中心、小さな祭壇の上に鎮座する神体へと、リウドルフは掴み掛かるように右手を広げる。
「Sesam öffne dich……!」
黒い髑髏の眼窩に宿った蒼白い光が、一際強い輝きを放った。
次の瞬間、桐の箱の前面を閉ざしていた蓋が独りでに開き、篝火の灯りを受けて中身が露わとなる。
「あれは……」
リウドルフの後ろからその様子を覗いていた美香は眉根を寄せていた。
小振りな箱に収められていたのは、干乾びた人の木乃伊であった。遠目からでは詳細は今一つ掴めなかったが、大きさからして下半身を失っているものと思われる。両の眼球も朽ちて久しいようで、ただ黒いだけの眼窩が宙を虚ろに見上げていた。
「何をする!? 止めんか!!」
突然の事に沼津が血相を変えて神体へと駆け寄った。宮司たる彼からすれば冒涜も甚だしい暴挙であったろうが、対するリウドルフは外気に晒され剥き出しとなった神体を、その腕に抱いた沼津共々冷ややかに見つめたのだった。
「それがこの村の崇める本当の『神』か。およそ二百年前、そこの浜に流れ着いた『寄り神』であり全ての元凶とも言える代物。禍津日宿す『恵比寿』様だな」
「何が元凶だ! これこそ我々に大いなる恵みを齎してくれた真の神ぞ!」
「いいや宮司殿、少なくともあんたは知っている筈だ。あんたの家には代々受け継がれて来た筈だ。かつて、その神に徒に触れた者達がどんな末路を辿ったのかが」
激昂する沼津へと、リウドルフは眼窩に揺れる蒼白い光を据えた。
「江戸時代に於けるこの地域の古文書を調べる中で、幾つかの興味深い記述を発見した。寛政九年の末から翌年三月までの間に、この院須磨村から実に四十人近い数の死者が出たとの報告が、当時の郡奉行が家老へ宛てた書簡の中に記されていた。流行病によるものとの説明が為されていたが、領内の他の地域からはそんな報告は上がっていない。問題なのは、その出来事があんたの神社が最後に『神体』を取り換えた以後に集中していると言う点だ」
沼津の口元に食い縛った歯が覗いた。
リウドルフは飽くまでも淡々と説明を続ける。
「推測の域を出ないが、この神社にはより詳しい記録が残されているのではないのかね? 即ち、かつて『神体』に触れた者、或いは骨噛み(※近親者の遺骨を食べる風習)に近い真似をした者達が、悉く正気を失って死んで行ったと言う記録が。そしてその中で只一人、例外的に生き延びた者が在ったと言う記述が」
そこで、リウドルフは眼窩に灯った蒼白い光を、宮司の傍らに今も佇む一人の女へと向けたのであった。その女、白装束を纏った佳奈恵は、目元を険しいものへ変え、ただ己の足元を見つめていた。
闇色の衣を揺らめかせ、リウドルフは言葉を続ける。
「貴女方も或いは察しているかも知れないが、その寄り神には夥しい数の『細菌』が付着している。深海の奥底、それこそ彼岸の地に息づいていたであろう原初の『細菌』だ。その菌は妄りに触れた者に例外無く牙を剥くが、それに打ち克てる者に対しては並外れた『長寿』と言う恩恵を与える。その恩恵を、決して老いぬ体を自然な形で得られた唯一の人物が、『貴女』と言う訳だ」
居並ぶアレグラや司が特段の反応を覗かせなかった中で、美香一人だけが、驚愕の面持ちを浮かべていた。
そして彼女は、前方に今も佇む民宿の女将を恐る恐る凝視する。
白装束を纏った佳奈恵は、いや、佳奈恵と名乗っていた女性は寂しげに、若しくは儚げに己の足元を見つめていた。
篝火から、また大きな火の粉が飛び散った。
参道の後ろから伝わる潮騒が、幾重にも及ぶ時の連なりを示すように穏やかに反響した。
髑髏の眼窩に灯る蒼白い光より放たれる眼差しを受けて、だが、沼津は取り乱す事は無かった。深紅の袍の袖を翻し、彼は手にした短刀の切っ先を、本来の姿を現したリウドルフへぴたりと据えた。
「遂に正体を現したか、化生!!」
対するリウドルフも鳥居を背にしたまま微動だにせず、敵意を露わにする宮司へと言葉を返す。
「化生? そう言って人を公然と指差せるだけの確たる違いが、そちらにあるのか? 大辺度神社宮司沼津幸三、いや沼津信吉殿」
リウドルフの持ち出した名に沼津は顔を歪めた。
直後、リウドルフの傍らに眩い光の輪が発生し、間も無くその内側から複数の人影が浮かび上がる。
闇色の衣を纏い緋色に輝く髪を靡かせたアレグラと、それに付き従う美香、及び切り離された木々の根によって雁字搦めに縛られた異形のもの共の姿が、参道の横に現れたのだった。
転移による光が収まった頃、鳥居の頂より下りた司もまた列の後方に陣取った。
篝火の向こうに居並ぶ面々を確認した後、沼津は闖入者達の足元に転がる異形のもの共に気付いて目を見張った。
「彼らをどうしたのだ!?」
「どうもこうも、単純に正当防衛を行なった結果だよ」
一同の先頭に立ったリウドルフが、眼窩に灯った蒼白い光を揺らめかせて答えた。
「満月の夜は彼らも特に血に狂うらしい。あんたが重症者を『隔離』しておいた岬の牢獄から、彼らは自力で抜け出したのだ。それだけの真似が出来る程に、彼らは身も心も人間離れしてしまった。悍ましい血の呪いに村全体を巻き込んだ、これは全てあんたが招いた事態だ、宮司殿」
沼津は炎によって更に赤みが増した顔を、後ろに控える佳奈恵へと向ける。
「どういう事だ!? 宿の食事に薬を混ぜるようにと……!」
「いいえ」
佳奈恵は俯き加減で首を小さく左右に振った。
「お父様、いえお義父さん、今更そんな真似をしたって何の意味も無い事です。何事にも終わりは巡って来るんです、きっと……」
「何を馬鹿な! 奴らは……!」
沼津が更に何事を喚こうとした時、佳奈恵はそれまで両手で胸元に掲げていた大杯を不意に傾けたのだった。
血を溶かした御神酒が彼女の足元へと零れ落ちて行く。
その有様を認めて沼津は目を見張った。
同じく彼女の方へと視線を据えたリウドルフは、眼窩に灯った蒼白い光を微かに震わせる。
「……若狭佳奈恵さん。若狭瑞希さん。若狭瞳さんと名乗っていた時期もあったようだが、いずれにせよ戸籍上の名前など貴女には何の意味も持たないのだろう。本当の名を憶えているのは今や貴女一人なのだから」
炎の灯りに白装束をうっすらと朱に染め上げた佳奈恵は、再び俯いた。
リウドルフはそんな佳奈恵と沼津とを見据え、更に言葉を続ける。
「しかし、貴女方も中々に上手く立ち回ったようだ。幾ら人の往来に乏しい小さな村の中の事とは言え、戸籍上の年齢が在り得ない程加算されればいずれは否応無しに人目を惹き始める。その前に形だけの葬儀を執り行い、実体の伴わない死亡届を自治体へ収めた後、死者の子や孫、親戚を装いながらこの小さな村での生活を波立たせぬよう、区切り無く続けられるよう取り計らって来た訳だからな」
「ど、どういう事……?」
リウドルフの斜め後ろから美香が困惑した声を漏らした。
火影に照らされる村人達はその体の半ば以上を陰に覆わせており、各々の表情は窺い知れない。一つ確かな事実は、夜の境内に集まった彼らは神域に踏み込んだ余所者達へ、友好的とは到底評せぬ眼差しを送り続けていると言う事のみであった。
無数の視線が交わる中、だが物怖じする様子も覗かせずにリウドルフは説明する。
「隣町ではこの村の事を知らない内に人が増えたり減ったりする不気味な場所などと呼んでいるようだが、実際にはこの村の人口は増えても減ってもいない。役所や警察の記録を漁ってみたが、少なくともこの半世紀の間は常に同じ数の住民が暮らしている事になっている。不気味な程にぴったりとな」
背中越しに美香へそこまで答えると、リウドルフは挑発的な眼差しを沼津へと送った。
「からくり自体は至極単純なものだった。何処かの家が訃報を出しても、必ずその前後に他所の土地から遣って来た親類縁者なる者がこの村に移住届を提出している。差し引きゼロとなるように常に工作が施されて来たんだ。隣町や自治体にも不審に思う者はいるのだろうが、誰一人想像もしていないだろう。よもや七十年以上昔から、同じ人間達が同じ姿形のまま同じ土地で暮らし続けているなどとは」
リウドルフは、そこまで告げた所で小首を傾げて見せた。
「……いや、厳密には『同じ姿形』とは言えないか。見ての通り、『恵比寿』の毒は確実に住人を蝕んでいるのだから」
篝火から大き目の火の粉が音を立てて爆ぜた。
リウドルフは真向かいに置かれた桐の箱へと、骨化した右手を向けた。
「折角の祭りだ。ここいらで『神様』にも御出まし頂こうではないか」
石の敷かれた参道を挟んで燃える篝火の中心、小さな祭壇の上に鎮座する神体へと、リウドルフは掴み掛かるように右手を広げる。
「Sesam öffne dich……!」
黒い髑髏の眼窩に宿った蒼白い光が、一際強い輝きを放った。
次の瞬間、桐の箱の前面を閉ざしていた蓋が独りでに開き、篝火の灯りを受けて中身が露わとなる。
「あれは……」
リウドルフの後ろからその様子を覗いていた美香は眉根を寄せていた。
小振りな箱に収められていたのは、干乾びた人の木乃伊であった。遠目からでは詳細は今一つ掴めなかったが、大きさからして下半身を失っているものと思われる。両の眼球も朽ちて久しいようで、ただ黒いだけの眼窩が宙を虚ろに見上げていた。
「何をする!? 止めんか!!」
突然の事に沼津が血相を変えて神体へと駆け寄った。宮司たる彼からすれば冒涜も甚だしい暴挙であったろうが、対するリウドルフは外気に晒され剥き出しとなった神体を、その腕に抱いた沼津共々冷ややかに見つめたのだった。
「それがこの村の崇める本当の『神』か。およそ二百年前、そこの浜に流れ着いた『寄り神』であり全ての元凶とも言える代物。禍津日宿す『恵比寿』様だな」
「何が元凶だ! これこそ我々に大いなる恵みを齎してくれた真の神ぞ!」
「いいや宮司殿、少なくともあんたは知っている筈だ。あんたの家には代々受け継がれて来た筈だ。かつて、その神に徒に触れた者達がどんな末路を辿ったのかが」
激昂する沼津へと、リウドルフは眼窩に揺れる蒼白い光を据えた。
「江戸時代に於けるこの地域の古文書を調べる中で、幾つかの興味深い記述を発見した。寛政九年の末から翌年三月までの間に、この院須磨村から実に四十人近い数の死者が出たとの報告が、当時の郡奉行が家老へ宛てた書簡の中に記されていた。流行病によるものとの説明が為されていたが、領内の他の地域からはそんな報告は上がっていない。問題なのは、その出来事があんたの神社が最後に『神体』を取り換えた以後に集中していると言う点だ」
沼津の口元に食い縛った歯が覗いた。
リウドルフは飽くまでも淡々と説明を続ける。
「推測の域を出ないが、この神社にはより詳しい記録が残されているのではないのかね? 即ち、かつて『神体』に触れた者、或いは骨噛み(※近親者の遺骨を食べる風習)に近い真似をした者達が、悉く正気を失って死んで行ったと言う記録が。そしてその中で只一人、例外的に生き延びた者が在ったと言う記述が」
そこで、リウドルフは眼窩に灯った蒼白い光を、宮司の傍らに今も佇む一人の女へと向けたのであった。その女、白装束を纏った佳奈恵は、目元を険しいものへ変え、ただ己の足元を見つめていた。
闇色の衣を揺らめかせ、リウドルフは言葉を続ける。
「貴女方も或いは察しているかも知れないが、その寄り神には夥しい数の『細菌』が付着している。深海の奥底、それこそ彼岸の地に息づいていたであろう原初の『細菌』だ。その菌は妄りに触れた者に例外無く牙を剥くが、それに打ち克てる者に対しては並外れた『長寿』と言う恩恵を与える。その恩恵を、決して老いぬ体を自然な形で得られた唯一の人物が、『貴女』と言う訳だ」
居並ぶアレグラや司が特段の反応を覗かせなかった中で、美香一人だけが、驚愕の面持ちを浮かべていた。
そして彼女は、前方に今も佇む民宿の女将を恐る恐る凝視する。
白装束を纏った佳奈恵は、いや、佳奈恵と名乗っていた女性は寂しげに、若しくは儚げに己の足元を見つめていた。
篝火から、また大きな火の粉が飛び散った。
参道の後ろから伝わる潮騒が、幾重にも及ぶ時の連なりを示すように穏やかに反響した。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
【完結】わたしの娘を返してっ!
月白ヤトヒコ
ホラー
妻と離縁した。
学生時代に一目惚れをして、自ら望んだ妻だった。
病弱だった、妹のように可愛がっていたイトコが亡くなったりと不幸なことはあったが、彼女と結婚できた。
しかし、妻は子供が生まれると、段々おかしくなって行った。
妻も娘を可愛がっていた筈なのに――――
病弱な娘を育てるうち、育児ノイローゼになったのか、段々と娘に当たり散らすようになった。そんな妻に耐え切れず、俺は妻と別れることにした。
それから何年も経ち、妻の残した日記を読むと――――
俺が悪かったっ!?
だから、頼むからっ……
俺の娘を返してくれっ!?
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる