黒の瞳の覚醒者

一条光

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終章~人魔大戦~

白い穢れ

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 な、何が……何がどうなっているんだ!? あの時魔物に囲まれそうになっていたはず、それなのに! 何がどうなったらこんな状況に陥るだよ!? ――逃げないと――縄をさっさと解きやがれ!
「ふぐぅ! ――ふがっ!? ふぐうぅぅ!」
 猿轡!? こんなもんまで!? 意味が分かんねぇ意味が分かんねぇ! ここどこだよ! 目覚めた先でのあり得ない状況に頭は完全にパニックだ。そして、今そんな事を考えている場合ではないはずなのにティナ達が烈火の如く怒る様を想像してしまった。怖い恐いこわい! 切り取られる!? 妄想で更にパニックが加速した。
「元気なようだな、狙いがズレて頭に命中した時は死んだかと思ったが……思いの外頑丈なようだ。これなら子にも期待できる」
 蒼い瞳の、小麦色の肌をした女が覆い被さってくる。引き締まった肉体で伸し掛かり茶髪が頬をくすぐり豊満な胸が顔に押し付けられて呼吸を奪いに来る。押し退けようと縛られていない足を暴れさせるが思うようにいかない。おかしい……身体が、関節が軋むように動きが悪く力が入らない。頭を打ったせいか?
「暴れるな、お前は我らの奴隷だ。一生飼い殺してやる――」
「アル! アルアナ! 居ないの!? 出てきなさい、緊急事態! ……入るわよ!」
「チッ、ラビか……なんなんだこんな時に、これはロフィア様が仰せになった事だというのに――やれやれ、今開ける! 修理が面倒だ、戸を破るなよ!」
 戸を激しく叩く音と共に聞こえた女の声に反応して俺に伸し掛かっていた女が離れていった。今のうちにどうにか脱出を――くそっ、何でこんなにがっちり縛ってあるんだ。しかも荒縄、擦れる度にヒリヒリする……チャンスは今だってのに……手が痛いとか言ってる場合じゃないな。荒縄を千切ろうと黒雷を流した瞬間、俺の思惑を外れて力が暴発した。途端に落雷のような衝撃がベッド諸共荒縄を括り付けていた部分を破壊した。
「あっつ!」
 熱で燃えた縄が手首の表面を焼いた。思わず蹲るがそんな余裕はないと立ち上がろうとしたがすぐにバランスを崩して膝を突いた。身体が――。
「何をしている!? ――これは……貴様がやったのか? やはり使える――」
「そんな事よりアル、こいつやっぱり……駄目ね。死んだ二人と同じ症状……今まで異常はなかったはずよね? だとしたら他より進行が早いのかもしれない。早く処分して次を探す方がいいわ」
 俺に乗っていた女を伴って近付いて来た女が俺の腕を掴み上げ、何かを確認した後落胆したように嘆息した。……何を確認した? ……腕の関節部分が白化している。これが体調の異常の原因か? こんな時になんなんだ……身体を捻って確認するも脚も同様だった。異常を感じる部分は全部この状況って事か? 白化する病と言えばペルフィディが思い浮かぶが……身体を見た限り膿疱は無い。それに目の前の女は死んだと言った。ペルフィディは化け物になる病だ、対処として殺す事はあっても病で死ぬ事はない。それに俺たちはワクチン接種をしている。別の、死に至る病か。
「駄目だ。お前の所に居るミヤゾノという男の話だとこいつより上の能力者は居ない、能力の規模ではこいつが最適だ。ロフィア様の仰せだ、どうにかして治す」
「治す方法があるのか!?」
 こんな所で病に倒れている場合じゃない、みんなに合流したいがうつる可能性もある。ここに治療法があるならすぐにでも、そう思って力の入りにくい腕で女に縋りついた。
「無い、とは言い切らないけど……知恵者のノインですら歯切れが悪かったからどうだか――」
「それでもあるんだなラビ、方法は?」
「はぁ、大昔に私らの世界を襲った白穢病というのがある。今回こいつら男が罹っているのはその白く穢れる病の特徴に似ているそうよ。倦怠感、寒気、高熱と症状が現れ身体が徐々に白化して関節の異常なんかが出て身体、心肺機能を奪っていって死に至る。こいつは高熱も出ているかなり進行しているし希望は薄い。人手を割いて村の守りを手薄にするのは…………」
「人手を増やす為の男だ! 現にロフィア様のお考えは成功している」
「無事産まれたのは半分で残りは身体に異常を持った役立たずだけどね」
 何の話をしている? ……そういえば、アルと呼ばれている方が子がどうとか言ってたが。
「それも病を絶てば解決だろ、新しく男を捕らえてくるにしても同じように病に罹ったのでは意味がない。解決方法は必要だ、さっさと話せ」
「ユニコーン」
「何……?」
「だからユニコーン。大昔白穢病が蔓延した時に私らの祖先の一部がユニコーンの角を薬にして生き延びたとノインは言ってたよ。それからは耐性がついて罹る事もなくなったともね」
「……また厄介な…………確かにアイオーンの森にはユニコーンが居たはずだけど、こっちに現出してからは一度も遭遇報告はなかったんじゃないか?」
 アルとやらの表情が途端に曇った。ユニコーンの角が万病に効く薬に、ってのは有名な話だけど……頭が働かなくなってきた。高熱だとか言われてたが、ダルさはそのせいか。
「そう、だからやるだけ無駄ムダ。こいつは捨てて健康なやつを捕まえる方が――」
「いいややる。処女を集めろ」
 迷いを振り払うようにしてアルが勢いよく立ち上がった。全裸のまま…………。

「何故これだけなんだ…………」
 服を着たアルが村を駆け回りユニコーン狩りのメンバーを集めてきた。服と言っても水着みたいなもんだが……こうして見ると女ばっかりだし、服装も超軽装でアマゾネスみたいだ。みんな身体に紋様のようなペイント? 刺青? があって服装も相まってどっかの部族っぽい。
「分かりきってた事でしょ。残ってたのはアルを含めてこの男の順番待ちだった四人だけね」
 ん!? 今のは聞き間違いか? 熱で耳までおかしくなってるって事は……いいや、ラビは確かに言った。
「なんだアル、男を捕獲してきた恩賞で一番手を所望したくせにまだしてなかったの?」
 深い茶色の長い髪をポニーテールにした女が金の瞳を細めてニヤニヤ笑いながらアルの肩をバシバシと叩いている。
「うるさいぞリュー、これからという時にラビが邪魔したんだ」
「邪魔とは失礼ね。病んだ子を孕まずに済んだのだから感謝してもいいくらいなのに」
 やっぱり! って事は、あの女とはコトに至ってない! あいつが一番を希望したなら他に襲われてるって事も無いだろうし……よ、よかったぁ~。生き延びて帰って殺されずに済む。何より悲しい顔されずに済む、はず。
「何で貴様は嬉しそうなんだ、ムカつく」
「踏むな……俺は病人だぞ」
 自力では立てず地べたに座っていた俺の頭をアルが踏みつけて地面へと顔を押し付け擦り付ける。屈辱的だが治療薬を入手してくれる連中だ、あまり怒らせるわけにもいかず自分の状態を主張するに止めた。
「口答えする元気はあるようだな」
「そうよアル、病人を踏むものじゃない。こいつは重要なんでしょう? 弱らせて死を早めていては意味がない」
 赤茶髪の一際巨乳のお姉さんがアルを窘めて足を引っ込めさせた。何でそんな顔してるんだ? 俺踏まれて死に至りそうな程に弱ってるか? 熱で頭がぼーっとし過ぎて自分の状態が正確に把握出来ていない。戦闘で死にかける事はあっても、どうにかこうにか生き延びてきた。それが病で瀕死とは……ラビが俺は進行が早いとか言ってたが、本当に早いのかもしれない。さっきより白化が進んでいる気がする。
「アリシャは甘い、躾は必要だ。誰が主人か教え込まねば――」
「ふぁ~、だる~。どうでもいいからさっさと出発しようよ。あたしは正直こんな男どうでもいいから行かないなら帰りたいよ~」
 深い藍色の髪をボサボサの状態で高い位置にまとめている女が眠たそうに目を擦っている。
「クリューはもう少しやる気出さないと、この男を種にするのはロフィア様の指示なんだから」
「そこが疑問なんだよねぇ~、どう見ても強そうに見えないし、能力者の能力ってそんなに大事かなぁ? 継ぐかどうかも分からないんでしょ~?」
「それは――」
 やる気のないクリューをアルが叱りつけようとしたタイミングで俺が大きく咳き込んだ。呼吸が……喘息のようだ。気管が狭まり吸うのも吐くのも上手くいかず咳を繰り返す。これは……本当に死ぬかもしれない。容態の変化に慌ててアリシャが額に手を当ててきた。
「酷い熱、ラビの話じゃまだ猶予があったんじゃないの!? こいつ今にも死にそうじゃない」
『っ!?』
「そんなはずは――死んだ二人と比べて発症からこの状態になるまでが早すぎる。同じ病じゃないの?」
「今は詮索しても意味がない、全員馬に乗れ! 急ぐぞ」
 動揺するラビを置いてアルが号令をかけ、俺を抱えたまま馬に跨がった。 
「ちょっと、そいつも連れていくの? 動かすとまずいんじゃないの?」
「私たちが村に戻るまで持つか分からん。角を入手したらその場で粉末にして飲ませる、時間がない。行くぞ!」
 ユニコーンの角の入手の為に四頭の馬が駆け出した。

「おい、意識はあるか?」
「どうにか…………」
 言葉を吐く度に大きく咳き込む、心配しているのかロフィア様とやらの命令を遂行出来なくなる恐れか、アルが身を寄せ手を握ってきた。
「目覚めてからロクに話していなかったからな、少し説明してやる。私はアルアナ、アルと呼べ。女だけの部族アマゾーンの一人だ。豚どもは女だけというところに目を付けてこの世界に呼び出したようだ」
 マジでアマゾネスだったのか……背後から忌々しそうに歯を噛み締める音がした。オークの玩具として召喚されたなんて屈辱でしかないのだろう。
「女であれば我らでなくともと思いもしたが、奴らにとって玩具が頑丈なのは重要なようで一族皆戦士のアマゾーンが選ばれたようだ。召喚された当初は戦いもしたが敵が多過ぎる、おまけに我らは森に入り込んでいた者しかこの世界に来ていないから敵に対して数が足りていない」
「森に、住んでたんじゃないのか?」
「違う、遠征でたまたま――それはいい――ともかく、被害を出しながらどうにか我らは森の東側に逃れた。逃れはしたものの豚どもは時折現れては少しずつ甚振るようにして仲間をさらっていく。業を煮やした我らはどうにか奴らの頭だけでも叩き潰してやろうと西側に向かった時に貴様らを見つけたのだ」
 それが何であんな状況に陥るんだ……そもそも魔物と敵対してるなら俺たちを捕らえる必要なんて――。
「この世界にも男が居ることに驚きもしたが、男さえ居れば戦力を増やし豚どもを根絶やしにする事も可能と女王ロフィア様がご判断された。だから貴様ら奴隷には種馬をさせている」
「おい待て、アマゾネスってそんなに成長が早いのか? それとも物凄い長期計画? どっちにしてもそんな事の為に命を利用するなんて――」
「どちらでもない。能力者――貴様らは『覚醒者』と言うのだったか? ロフィア様も覚醒されている。能力は『成長』触れたものを育む力だ。子を宿した母体に触れれば即時出産可能となる、生まれた子には自らの経験を分け与えつつ成長させる事も可能だそうだ。だから皆豚どもに味わわされた屈辱を知っている」
「そんなのは洗脳と同じだ。命を道具のように使うなんてのは――」
「道具? 違う。皆我らの仲間だ。全員そのように扱っている、道具のように扱う者などいない」
 そうかよ……そんな事を言われてもこの不快感は拭えない。身体がやられてんのに心の方までやられてしまいそうだ。戦力を増やす為に子を作る、これじゃあまるでアドラと同じだ。アマゾネスはそれだけ追い詰められているって事なのかもしれないが、魔物以外の戦力を発見したんだから協力を求めるとか……他の選択肢だってある、はず……ヤバい、意識を保つのが難しくなってきた。
「なんで、俺に拘る? 他で成功してるんだろ?」
「お前は力を持っている、それを子に継がせたいだけだ」
「子が能力者になる確率を上げる為に同じく能力者なあたし達が宛がわれてるんだよ~……あぁ~めんどくさい。見つからないしもう帰ろうよぉ、それかリューが変身して走り回って探してきなよ~」
 クリューは心底めんどくさそうで馬の背にべったりと寝そべっていてユニコーンを探している素振りすらない。
「黙って探せ馬鹿クリュー、こんな森を一人で走り回ってたらあっという間に細切れ! 誰がそんな馬鹿な行動するかっ」
 細切れ……やっぱりこの森には何かあるのか――不意に馬に被せてある兜の角が何かに引っ掛かったように馬の首が上がった。
「チッ、この辺りにまで張り巡らせているか。全員気を付けろよ!」
 アルが角の辺りに対して剣を振ると引っ掛かりを失ったように元に戻った。他も同様の行動を取ったり剣を自身の前に構えている。クリューだけは寝そべったまま前方に剣を二本構えるという妙な体勢だが……よくあれで落ちないな。
「敵の頭ファーディンは糸を使う、それを森中に張り巡らせて罠としている。特に西側は酷い、無策で進んでいた貴様らは無謀としか言えない、なっ! 鬱陶しい」
 アルが動く度に大きな胸が押し付けられるが気にしてる余裕もない、そろそろ限界かもしれない……このまま意識を失ったらどうなる、もしかすると二度と目覚める事が出来ないんじゃないのか。そんな恐怖が胸に巣食うが、確実に視界はぼやけ意識は薄れていく。
「おいっ、聞いているのか?」
「む、り……話しかけんな、意識、飛ぶ…………」
「おいまだ死ぬな! クソ、こんな時にバイコーンとは――奴らも男が必要という事か。我らと違って食料としてだが。ミヤゾノの話では何人も妻を娶る色魔だと聞いていたのに何故バイコーンに狙われる!? 貞節とは程遠い男のはずだろ!?」
「失礼な、俺は嫁たち一筋だ」
 いつの間にか二本角の黒い馬に追われている……意識が飛んでたのか? マズいな、本当にマズい。夢現で何もかもがぼやけている。
「たちの時点で一筋じゃないけど!? クリューあんたが破壊しなさいよ!」
「えぇ~!? あたし直接触らないと駄目だからめんどくさいよ~。バイコーンたち荒ぶりすぎだもん、アリシャがどうにかしなよ~」
「私の能力は生き物には直接作用しないから無理です」
「足止めくらい出来るだろ!」
「……や、槍が生える!」
 アリシャがそう叫んだ途端獣の悲鳴が森中に響いた。俺とアルの乗っている馬に並走していたバイコーンの一匹が地面から生えた槍に串刺しにされている。そしてそれを見たバイコーンは獰猛さを増して襲い掛かってくる。
「寄るな痴れ者どもがっ! こいつは我らのものだ」
 追い縋ってきた一匹が俺の足に噛み付こうとした瞬間、突風が突き抜けバイコーンを吹き飛ばした。
「あ~、ね~みんな~」
「こんな時になんだクリュー!?」
「ユニコーン居たよ~」
「っ! どこだ!」
「あっち~」
 ぼやけてよく分からないがクリューの指差した方向には確かに白い何かが居るが……あれもどう見ても縄張りを荒らされて激昂してる様にしか見えない。
「こんな時に……これじゃ処女が居るとか関係ない。アル加速して! このままじゃ逃げられる。逃げられたら次なんてそうそう来ない」
「分かってる! 私を乗せろリュー」
 アルは俺を抱えてリュー目掛けて馬から飛び降りた。それに合わせるようにリューの姿が巨大な黒狼となった。黒狼が走り出したのを見計らって木々が蠢き後方を塞いでバイコーンを遠ざけた。黒狼は俺たちを背に乗せ突風の加速を受けてみるみるうちにユニコーンへと追いつく。それを察知したユニコーンは逃げられないと悟ったのか向きを変えて角を突き出し突進してきた。
「諦めたか、潔いな! 嫌いではないが角は貰うぞ!」
 黒狼の背を蹴りユニコーンの眼前へと飛び出したアルは初撃を左手の小型の盾でいなして体勢を立て直そうとしているところ目掛けて剣を振り抜いた。金属音が響き鍔迫り合いのような状態になるがユニコーンが首を振り上げ剣を弾き飛ばした。
「アル! 一度離れろ。アリシャたちが追いつくまで――」
「そんな余裕は無い! 背を見せたらこいつは逃走する。このまま角を折り取る」
 リューが止めるもアルは再び突進してきたユニコーンの角を紙一重で躱して首に組み付き角を奪いにかかる。締め上げられ大事な角を掴まれたユニコーンは暴れに暴れる。体を振り乱し地面を、木々を蹴り上げへし折る。そんな動物相手にアルは怯むことなく応戦している。そんなアルの背後から黒い影が猛スピードで進んできた。
「リューさん、俺を銜えてぶん投げてくれ」
「はぁ!? お前死ぬ気か?」
「アルが角を折らないとどっちみち死にます。後ろのバイコーンに当てる感じでお願いします」
「……どうにでもなれ!」
 犬が獲物を銜えて振り乱すように滅茶苦茶に振るわれて投げ飛ばされる。目もよく見えてないのに俺もよくやるものだ……生きる為だ。意地汚く生き足掻いてやる。アルにバイコーンの角が触れる寸前にアルしか見ていなかったバイコーンの横っ腹に激突した。
「スタンガン。一生寝てやがれ」
 悲鳴と主に倒れたバイコーンの上を転がる。もう駄目だ。視界が暗い、力も入らない。
「お前っ、死ぬ気か!」
「あぁ、死にそうだ。早くどうにかしてくれ」
「っ! 待て、死ぬな! もう折れる、目を開けろーっ!」
 能力のコントロールもままならない状態だったせいで力を一気に放出したような疲労に襲われて意識はいとも簡単に闇に落ちた。
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