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8.サシャ
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やはりマナーの勉強は進まなかった。
でも、みんなわたしのわがままを聞いてくれた。
「疲れたぁ~。こんなに疲れたら治癒ができないかも~」
そう言えば「仕方ありませんね」とマナーの先生は言ってくれる。司祭様は渋い顔をしていたが、わたしが治癒を頑張れば何も言わなかった。
今日も勉強から逃げることができたわたしは治癒をするため療養員に向かっていると、いつもサポートしてくれているシスターが近付いてくる。
「サシャ様。ご相談なんですが・・・」
彼女は人がいない廊下の隅に導いた。
「何?」
「病気の方を一気に直すのをおやめになりませんか?」
「どうして?」
「数回に分けて直せば、サシャ様の癒しのお力のしようも減りより多くの人を救うことになるのではないでしょうか」
そう言われると、病気を治すのは擦り傷などを治すよりも力を消費する。元となる原因から排除しなくてはならないからその分集中力もいった。
「いいけど、司祭様にはいったの?」
「これからご相談にいきます」
「大丈夫かな?いやな顔するわよ?」
柔和な顔に深い皺が刻まれ姿が容易に想像できた。
「大丈夫ですよ。それにサシャ様。お布施が増えればもっと贅沢できますよ」
「贅沢・・・?本当?」
シスターの声に嬉しくなる。
ー今よりも贅沢できるの?
「司祭様には表立っていえませんが、そうなればご実家の仕送りの金額を変えないないままで、ご自分が使用されているお金が増えます」
そう、わたしが治癒することで発生したお布施の一部はお給料としてもらっている。それの半分以上を実家に仕送りしてもらっていた。司祭様なら実家の場所を知っているから渡している。
服や食事など贅沢な施しはしてくれるが自分の欲しいものーぬいぐるみや日用的に使いたいおしゃれなものーは残った少ないお金ではなかなか買えないでいた。
お布施が増えれば、わたしにくれるお金も増えて好きなものが買える。
ーそれなら・・・。
「サシャ様は余計なことを言わず、わたくしの話に合わせてくだされば構いません」
二人で司祭様に相談に行く。
初めは難色を示していたが、シスターの説得で司祭様は納得してくれた。
それから、わたしは病人相手には数度に分ける治癒をするようにした。
どう言って治療に来た人たちに言おうかと悩んでいるとシスターがわたしの代わりに説明してくれる。
「数度に分けた方が治りが良いというのがわかりました」
文句があったらどうしようかと思っていたが、にこやかなシスターの言葉に誰もが納得してくれたので、ほっとした。
そして全治させないことで、わたしは力を使うのが楽になる。その代わり治療にくる人が増えた。
人が増えた分まさか、こんなに大変になるなんて・・・聞いていない。
でもお金のため・・・・・・。
そう思ってもだんだんいやになってくる。
わたしは次第に手抜きすることを覚えていった。
でも、みんなわたしのわがままを聞いてくれた。
「疲れたぁ~。こんなに疲れたら治癒ができないかも~」
そう言えば「仕方ありませんね」とマナーの先生は言ってくれる。司祭様は渋い顔をしていたが、わたしが治癒を頑張れば何も言わなかった。
今日も勉強から逃げることができたわたしは治癒をするため療養員に向かっていると、いつもサポートしてくれているシスターが近付いてくる。
「サシャ様。ご相談なんですが・・・」
彼女は人がいない廊下の隅に導いた。
「何?」
「病気の方を一気に直すのをおやめになりませんか?」
「どうして?」
「数回に分けて直せば、サシャ様の癒しのお力のしようも減りより多くの人を救うことになるのではないでしょうか」
そう言われると、病気を治すのは擦り傷などを治すよりも力を消費する。元となる原因から排除しなくてはならないからその分集中力もいった。
「いいけど、司祭様にはいったの?」
「これからご相談にいきます」
「大丈夫かな?いやな顔するわよ?」
柔和な顔に深い皺が刻まれ姿が容易に想像できた。
「大丈夫ですよ。それにサシャ様。お布施が増えればもっと贅沢できますよ」
「贅沢・・・?本当?」
シスターの声に嬉しくなる。
ー今よりも贅沢できるの?
「司祭様には表立っていえませんが、そうなればご実家の仕送りの金額を変えないないままで、ご自分が使用されているお金が増えます」
そう、わたしが治癒することで発生したお布施の一部はお給料としてもらっている。それの半分以上を実家に仕送りしてもらっていた。司祭様なら実家の場所を知っているから渡している。
服や食事など贅沢な施しはしてくれるが自分の欲しいものーぬいぐるみや日用的に使いたいおしゃれなものーは残った少ないお金ではなかなか買えないでいた。
お布施が増えれば、わたしにくれるお金も増えて好きなものが買える。
ーそれなら・・・。
「サシャ様は余計なことを言わず、わたくしの話に合わせてくだされば構いません」
二人で司祭様に相談に行く。
初めは難色を示していたが、シスターの説得で司祭様は納得してくれた。
それから、わたしは病人相手には数度に分ける治癒をするようにした。
どう言って治療に来た人たちに言おうかと悩んでいるとシスターがわたしの代わりに説明してくれる。
「数度に分けた方が治りが良いというのがわかりました」
文句があったらどうしようかと思っていたが、にこやかなシスターの言葉に誰もが納得してくれたので、ほっとした。
そして全治させないことで、わたしは力を使うのが楽になる。その代わり治療にくる人が増えた。
人が増えた分まさか、こんなに大変になるなんて・・・聞いていない。
でもお金のため・・・・・・。
そう思ってもだんだんいやになってくる。
わたしは次第に手抜きすることを覚えていった。
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