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五十五話、誘拐4
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朝になったみたい。
外が騒がしい。
「起きてください」
少し揺らすとサーシャス殿下は眠そうに目を擦りながらわたしを見た。
「外が騒がしいです。何かあったかもしれません」
そこまで言うと、殿下の目はぱっちり開いた。
「きたの?」
「わかりません。ですがいつでも動けるようにしておきましょう」
「わかったわ」
時が来るのを待った。
そして、
その時は訪れた。
あの大男が慌てるように入ってくるなり、乱暴にわたしたちを引っ張って行ったのだ。
押さないで欲しい。
家の扉のすぐで、サーシャス殿下と離され、首に腕がまされた。
く、臭い・・・。
「てめーら、王女様がどうなってもいいのか?」
大男が叫ぶ。
見ると殿下が前列にいた。後ろには騎士の姿。
あら、不思議そうにしてる。
そうよね、言ってないもの。
「お嬢さまぁ~!!」
ナイス!サーシャス殿下。
名演技です。
その言葉に殿下は乗っかってくれた。
「人質を離せ!」
「はっ、大事な人質をを話せるか!」
「こちらにもお前の部下がいるぞ、一人交換はどうだ・・・」
「なっ・・・」
「メイドを解放して・・・」
「命令するな!」
「二人人質がいるより、一人の方が動きやすくない?見方が一人返ってくるのだし、いい条件じゃないかしら?」
「お嬢さまぁ、ダメですぅ。お嬢さまのお命が~」
「黙りなさい。私を誰だと思っているの!」
「かははっ、強気な女はいいぜ。
いいだろう。そっちの女と交換だ」
のった!
まだ、気を引き締めないと・・・。
「お嬢さまっ」
しかし、上手いわ~。
サーシャス殿下は人質を交換になった。
一人で歩いて行くと、相手と入れ替わるようにして、殿下の元へ走って行った。
「おい、やりすぎるなよ」
サーシャス殿下を抱きしめたアルゼルト殿下はわたしに向けて言った。
もちろん?
いえ、やらせてもらいますっ。
「何を・・・いっ」
大男に向かって、ウィッグをとって投げつけると、持っていた、短剣をふくらはぎに刺す。
「ぐあっ」
手を離した瞬間、回し蹴り。
スカートの中なんて、気にしませんっ。
しっかし、固いっ!痛い!
「かかれっ!」
わたしのこれを合図に殿下の号令が響く。
隠れていた騎士たちが一斉に参戦したのだった。
わたしも当然・・・。
なのに、それも虚しく後ろから抱きつかれた。手が出そうに一瞬なったが嗅いだことある匂いに手が止まる。
「エン・・・、アンドリュー様?」
「よかった・・・君が無事で・・・」
えっと、恥ずかしいので離れていただきたい・・・。
こういう場合、どうすればいいのでしょうか・・・。
誰か教えてください。
外が騒がしい。
「起きてください」
少し揺らすとサーシャス殿下は眠そうに目を擦りながらわたしを見た。
「外が騒がしいです。何かあったかもしれません」
そこまで言うと、殿下の目はぱっちり開いた。
「きたの?」
「わかりません。ですがいつでも動けるようにしておきましょう」
「わかったわ」
時が来るのを待った。
そして、
その時は訪れた。
あの大男が慌てるように入ってくるなり、乱暴にわたしたちを引っ張って行ったのだ。
押さないで欲しい。
家の扉のすぐで、サーシャス殿下と離され、首に腕がまされた。
く、臭い・・・。
「てめーら、王女様がどうなってもいいのか?」
大男が叫ぶ。
見ると殿下が前列にいた。後ろには騎士の姿。
あら、不思議そうにしてる。
そうよね、言ってないもの。
「お嬢さまぁ~!!」
ナイス!サーシャス殿下。
名演技です。
その言葉に殿下は乗っかってくれた。
「人質を離せ!」
「はっ、大事な人質をを話せるか!」
「こちらにもお前の部下がいるぞ、一人交換はどうだ・・・」
「なっ・・・」
「メイドを解放して・・・」
「命令するな!」
「二人人質がいるより、一人の方が動きやすくない?見方が一人返ってくるのだし、いい条件じゃないかしら?」
「お嬢さまぁ、ダメですぅ。お嬢さまのお命が~」
「黙りなさい。私を誰だと思っているの!」
「かははっ、強気な女はいいぜ。
いいだろう。そっちの女と交換だ」
のった!
まだ、気を引き締めないと・・・。
「お嬢さまっ」
しかし、上手いわ~。
サーシャス殿下は人質を交換になった。
一人で歩いて行くと、相手と入れ替わるようにして、殿下の元へ走って行った。
「おい、やりすぎるなよ」
サーシャス殿下を抱きしめたアルゼルト殿下はわたしに向けて言った。
もちろん?
いえ、やらせてもらいますっ。
「何を・・・いっ」
大男に向かって、ウィッグをとって投げつけると、持っていた、短剣をふくらはぎに刺す。
「ぐあっ」
手を離した瞬間、回し蹴り。
スカートの中なんて、気にしませんっ。
しっかし、固いっ!痛い!
「かかれっ!」
わたしのこれを合図に殿下の号令が響く。
隠れていた騎士たちが一斉に参戦したのだった。
わたしも当然・・・。
なのに、それも虚しく後ろから抱きつかれた。手が出そうに一瞬なったが嗅いだことある匂いに手が止まる。
「エン・・・、アンドリュー様?」
「よかった・・・君が無事で・・・」
えっと、恥ずかしいので離れていただきたい・・・。
こういう場合、どうすればいいのでしょうか・・・。
誰か教えてください。
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