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四十九話、サーシャス視点5
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頭が真っ白。
私からは彼女を見つめた。
そんな時、私の前に人影が飛び出してきた。
「もういいでしょう!」
えっ、ラフィス?
どうしてラフィスがいるの?
「・・・そうですね、ここまででいいですね」
口調・・・声が変わった・・・。
ラフィスが私を抱きしめた。
温かい・・・。
何が起こったの?
私の前に彼女が座りこんできた。
ビクッと身体が震える。それを見つて、彼女は困り顔になっていた。
「申し訳ありません。彼・・・マキシムとの関係を断つために、無茶とは思いましたが、一計を設けてさせていただきました」
どういうこと?
「あなたは?」
「孤児院でもいました、メイ、です。学園の『結び屋』で、本名、アメリア•ブローと申します」
メイ?あの冴えない・・・私に口ごたえした?
本当?
全く別人じゃないの・・・。
『結び屋』聞いたことあるけど、本当にいたんだ・・・。
マキシムと関係を断つため?
彼を見た。
彼は・・・正座をして、頭を床に押し付けている。しかも・・・震えて、る?
えっと、なんで?
私は理解が追いつかなかった。
私はソファに座り紅茶を飲んだ。
身体の震えがやっと止まり、一息つく。
目の前にはアルゼルト殿下が座わられています。離れたところにはマロン様、ミッシェル様、ポニー様、そして彼女たちのご婚約者様、エンリュリッヒ侯爵子息が見守るようにみています。そして、壁には騎士が・・・。
ラフィスは私の横。
アメリアと言った彼女は私たちのすぐ横の椅子に腰かけています。
マキシムは・・・まだ土下座してます。
「話を整理します」
アメリアはそう切り出した。
発端は私がマキシムに入れ込んだことでした。流石にお父様でも、得体の知れない者に構う私を放って置くことは出来なかったようです。
国王経由でアルゼルト殿下ー『結び屋』の彼女に依頼が回ったと言うのです。
「マキシムがね、思ってたより、クズでしたので」
ニコニコとしている彼女に対してマキシムはビクビクしてます。
「君は何したのかな?」
「わたしはしてませんよ。団長がみっっっちり仕込んだだけです」
もしかして、本当に逃げたかったのかしら?
「兎も角、サーシャス王女殿下に、マキシムの事を話してもきっと周りが見えていないと思い、現実を見ていたただほうが良いと判断させていただきました」
そう、ね。私、知らなかったもの。
庶民のことも・・・。
「それだけのために大掛かりじゃ、ない?」
「タロ=タジェロのメンバーが乗り気でしたので、そこまでは・・・」
どこから演技だったのかしら?
「この城は?」
「もとの持ち主にすこ~ばかりお願いしました」
「相変わらず、いい仕事だよね・・・って、どこから仕入れた?」
珍しい。アルゼルト殿下がそんな声を出すなんて。
「父からですよ。手頃なところがないか聞いてみたら、弟と二人でわんさか資料を出してくれました。程よく金ピカで、いかにも賄賂で潤ってるぞの城ですよね」
いえいえ、笑い事じゃありません。
当然のように言いますが、普通しませんよ?あなた何者ですか?
「あの人は何してるんだ?」
「カジュはなぁ~」
この方、確かタロ=タジェロの・・・。
「タリオン、ありがとう。助かったわ」
「なんのなんの。カジュのやろう、腕は鈍ってないようだな。テリーもキレるな」
「父さんにお金さえ渡さなきゃいいのよ。なんで田舎でいるのかしら?似合わない領地経営より、城勤めがいいんじゃない?」
「あぁ~無理、無理。エンリュリッヒ侯爵が中央にいる限り、あいつは領地から出てこんわ」
「えっ、父上?」
「カジュとロウゼストは犬猿の仲だからな」
品もなくガハハっと笑います。
なんかホント・・・疲れたわ・・・。
この後、彼はマキシムを連れて帰っていった。
もう、マキシムに対して何も思わなかった。私の恋は終わったのだった
私からは彼女を見つめた。
そんな時、私の前に人影が飛び出してきた。
「もういいでしょう!」
えっ、ラフィス?
どうしてラフィスがいるの?
「・・・そうですね、ここまででいいですね」
口調・・・声が変わった・・・。
ラフィスが私を抱きしめた。
温かい・・・。
何が起こったの?
私の前に彼女が座りこんできた。
ビクッと身体が震える。それを見つて、彼女は困り顔になっていた。
「申し訳ありません。彼・・・マキシムとの関係を断つために、無茶とは思いましたが、一計を設けてさせていただきました」
どういうこと?
「あなたは?」
「孤児院でもいました、メイ、です。学園の『結び屋』で、本名、アメリア•ブローと申します」
メイ?あの冴えない・・・私に口ごたえした?
本当?
全く別人じゃないの・・・。
『結び屋』聞いたことあるけど、本当にいたんだ・・・。
マキシムと関係を断つため?
彼を見た。
彼は・・・正座をして、頭を床に押し付けている。しかも・・・震えて、る?
えっと、なんで?
私は理解が追いつかなかった。
私はソファに座り紅茶を飲んだ。
身体の震えがやっと止まり、一息つく。
目の前にはアルゼルト殿下が座わられています。離れたところにはマロン様、ミッシェル様、ポニー様、そして彼女たちのご婚約者様、エンリュリッヒ侯爵子息が見守るようにみています。そして、壁には騎士が・・・。
ラフィスは私の横。
アメリアと言った彼女は私たちのすぐ横の椅子に腰かけています。
マキシムは・・・まだ土下座してます。
「話を整理します」
アメリアはそう切り出した。
発端は私がマキシムに入れ込んだことでした。流石にお父様でも、得体の知れない者に構う私を放って置くことは出来なかったようです。
国王経由でアルゼルト殿下ー『結び屋』の彼女に依頼が回ったと言うのです。
「マキシムがね、思ってたより、クズでしたので」
ニコニコとしている彼女に対してマキシムはビクビクしてます。
「君は何したのかな?」
「わたしはしてませんよ。団長がみっっっちり仕込んだだけです」
もしかして、本当に逃げたかったのかしら?
「兎も角、サーシャス王女殿下に、マキシムの事を話してもきっと周りが見えていないと思い、現実を見ていたただほうが良いと判断させていただきました」
そう、ね。私、知らなかったもの。
庶民のことも・・・。
「それだけのために大掛かりじゃ、ない?」
「タロ=タジェロのメンバーが乗り気でしたので、そこまでは・・・」
どこから演技だったのかしら?
「この城は?」
「もとの持ち主にすこ~ばかりお願いしました」
「相変わらず、いい仕事だよね・・・って、どこから仕入れた?」
珍しい。アルゼルト殿下がそんな声を出すなんて。
「父からですよ。手頃なところがないか聞いてみたら、弟と二人でわんさか資料を出してくれました。程よく金ピカで、いかにも賄賂で潤ってるぞの城ですよね」
いえいえ、笑い事じゃありません。
当然のように言いますが、普通しませんよ?あなた何者ですか?
「あの人は何してるんだ?」
「カジュはなぁ~」
この方、確かタロ=タジェロの・・・。
「タリオン、ありがとう。助かったわ」
「なんのなんの。カジュのやろう、腕は鈍ってないようだな。テリーもキレるな」
「父さんにお金さえ渡さなきゃいいのよ。なんで田舎でいるのかしら?似合わない領地経営より、城勤めがいいんじゃない?」
「あぁ~無理、無理。エンリュリッヒ侯爵が中央にいる限り、あいつは領地から出てこんわ」
「えっ、父上?」
「カジュとロウゼストは犬猿の仲だからな」
品もなくガハハっと笑います。
なんかホント・・・疲れたわ・・・。
この後、彼はマキシムを連れて帰っていった。
もう、マキシムに対して何も思わなかった。私の恋は終わったのだった
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