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三十一話、ターゲットの相手

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 今回の相手は王女様。

 はっきり言って気を使います。

 さて、どこからいきましょうか?

 隣国セジャルス国の王女サーシャス姫です。
 こちらは殿下にもう少し詳しい情報をもらいましょう。
 あと、セジャル国に詳しい人いるかな?

 劇団の一人?
 まさかタロ=タジェロの一員だったり?
あそこ、色々な領地や国を回るし、あり得るかも。そうじゃなくても、知ってるかも。

 聞いてみるべきか。


 例のカゼボで、考えているとエンリュリッヒ様がいらしました。

 お暇、なんですね。

「アメリア。調子はどう?」
「先ほどまでは絶好調でしたが、エンリュリッヒ様を見て雨が降りそうですね」
「その言い方!」

 口元が引き攣ってます。

 くくっ。

 隣に座ってきます。
  
 近く、ない?

「君さ、なんで、僕にだけ辛辣・・・毒吐くの?」
「一度、鏡の前に立ってみたらいかがですか?」
「毎日立つけど分かんないな」

 自慢ですか?
 無自覚?嫌味?

「わかりませんか?全ては顔、性格、全てが問題だからです」
「はあ?」
「その全てのせいで、わたしは今目立ってます。知ってますか?貴方のファンから睨まれているんですよ。確かに、風避けの依頼は頼まれました。ですが、これは風でなくです」
「暴風・・・?」
「はい、台風並みの嫉妬を今受けてます。非常に鬱陶しいです。それを怒らずにいられるとお思いですか?」
「あっ・・・、いや、ごめん」

 知らなかったんですか?
 自分の価値を。
 まあ・・・、わたしもここまで凄いとは思いませんでした。
 なめてました。

 しょぼくれた犬が登場。

 う~ん、コレを見るとちょっと満足かな?
 こう言う犬なら飼いたい・・・いえいえ、絆されちゃダメよ、ダメ。

 もう、マロン様たちのせいで、ちょっと意識しちゃうじゃない。
 マロン様たちが幸せそうなのが羨ましいのかな・・・。


「それは、ともかく、次の依頼ですね」
「確か、マロン嬢のクラスに入ってきたんだよね」
「はい。サーシャス王女殿下とラフィス王女殿下、お二人ともです」

 お友達だそうで、よく二人でいるのを見かけますね。

「どうする予定だい?」
「相手を探りたいのですが、今は情報もないのでタロ=タジェロに聞いてみようと思います」
「タロ=タジェロに?伝手があるの?」
「はい、領地でよく会いますよ。彼らならいろいろなところに行くので何か知ってるかもしれません。団長のタリオンもくるそうなので彼に聞いて見ようと・・・」
「タリオン?タリオンと知り合いなか?」
「えっ、あ、はい」

 急に身を乗り出すように聞いてきます。
 びっくりした。

「僕も彼に会いたいんだがいいかい?」
「はい、大丈夫かと・・・」


 そんなに、ファンだったんですね。

 知りませんでした。



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