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十三話、ミッシェル様の口の悪さ

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 いつもの学内カフェ。
 女の子たちの行きつけは主にこのカフェです。
 いろいろな情報を得るなら、やっぱりここです。

 地味な格好で本を読む。
 誰も気にしません。

「ねぇ、ミッシェル。知ってる?ケンロット様、痩せたよ」
「ええ、見たわよ。豚が鳥になったみたいね。イイ出汁でも、でるんじゃない?」


 あからさま・・・。
 世の中のぽっちゃりさんと細身さんに聞かれたら怒られますよ。

「ミッシェル、そんな言い方ないでしょう!」
「豚に失礼だったわね」


 違いますよ。
 ケンロット様ですよ。

「ミッシェル、そんなに彼のこと嫌いなの?」
「嫌い・・・、そうね、嫌いだわ・・・」

 そこまで嫌なんですね。

 難しい・・・。
 今回ほど難しいのはありません。

「ミッシェル、ポニー、おまたせ」

 マロン様です。
 華のある方です。
 見てるだけで癒される・・・。

「遅かったね、マロン」
「うん・・・、また本が破られてて、レックス様と職員室に行ってきたの」
「またなの?」
「最近多くない?」
「うん。レックス様絡みかな?レックス様おモテになるし・・・」
「大丈夫?」
「大丈夫よ。レックス様がいるし、それにミッシェルもマロンもいるもの」


 相変わらず仲が良いみたいです。

 マロン様の教科書・・・。
 まさかね・・・。 
 気にしとくべき、かな?

 頭の片隅に置いとくとして今は・・・

    仕事、仕事・・・

「そろそろ、期末テストか」
「範囲が広くない?」
「これが終われば、模擬夜会があっての夏休みよ」
「赤点取ったら、夜会なしの補習二週間でしょう、どうしようかな・・・」

 そうそうあと、二週間後に期末テストです。
 今回のテストと学年末のテスト・・・の二つが厳しく、ペナルティもあるのです。

 どのみち赤点取らなくてもわたしは補習決定なんですけどね。
 奨学生に課せられたカリキュラムの宿命です。

「マロン、一緒にしない?」
「ごめんなさい。レックス様とする様に約束しちゃった」
「そうか、仕方ないわね。婚約者様となら、優先しないと、ポニーは?」
「一緒にしましょ」

「あのう、でしたら僕としませんか?」

 そう言ったのはケンロット様でした。

 盗み聞きです。

 みなさまの後ろの席でずっといらっしゃいました。

 と言うか・・・、ミッシェル様、居るのを知っていてあんな発言されていましたよね。
全く・・・。怖い物知らずと言うか・・・。

 ケンロット様も図太い神経をなさっています。
 自分の悪口言われてたのに・・・。

 当然、ミッシェル様は嫌そうな顔をされてます。

「僕、皆さんより一学年上ですから、分からないことが有れば教えて差し上げれます」

 よし、自己アピールできている。

「ふ~ん、どうする?ポニー」
「えっ、わたし?」
「ポニーがいいなら別に反対しないけど」

 上から目線ですか?
 ミッシェル様?!

「えっと・・・」

 ポニー様、真っ赤になられてます。
 憧れの方ですもんね。
 可愛いですね。

「じゃあ、お願いしようかしら・・・」

 恋する乙女、可愛いです。

 ケンロット様は喜んでいました。
 ミッシェル様とお勉強会ですもんね。


 勉強会の日程を決めると、ケンロット様は
去っていきました。

 勉強会の案を出したのはもちろんわたし。

 うまくいってよかったです。

 あとは、しっかりアピールしてくださいよ、ケンロット様。








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