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八話、幼馴染様の気持ち

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 学園のカフェで紅茶を飲みます。

 アリス様がよく出没します。
 情報を仕入れるにはもってこいです。

 課題の本を読みながら気を配ります。

「アリス!」
「レイン。あなたには関係ないでしょう」

 あらあら、言い争いですか?

 あの方は、アリス嬢の幼馴染のレイン・アスタング伯爵子息様ですね。二人ご兄弟のご長男様でしたか?
 あのご様子ですと、アリスの事・・・。

 巻き添いしてみましょうか?

 ポケットから黄色いリボンを出し一文書くと、立ち上がりました。
さりげに・・・。

 ぶつかるフリをしてそれを彼のポケットに・・・。


 放課後・・・例のカゼボ・・・。

 わたしはもちろん変装、ほぼしてません。
 みつあみにメガネなし、ソバカスを描いて・・。

 なんででしょうか?このギスギスした雰囲気?

「なんで、レイン殿が・・・?」

 ポソっとエンリュリッヒ様が呟かれました。

 そこですか?

 レイン様はエンリュリッヒ様を見てビクビクされています。
その場を無視します。

「レイン様、呼び出しに応じていただきありがとうございます」
「えっと・・・、なぜアンドリュー様が・・・」
「気にしないでください。助手のリューくんです」
「助手?」
「リュー君・・・?」

    うるさい。
      話が進まない。
        黙とれ。

「初めてまして。結び屋のアーリです」
「アーリ?」

 名前出さないでくださいよ。

 ギロリとエンリュリッヒ様を見ると、彼は言わんことを理解したのか頷いた。

「お呼びしましたのはアリス様のことです」
「やはりそうですか」
「単刀直入でお聞きしますが、レイン様はアリス様がお好きですね」
「なっ、何を!!」
「正直にお答えください」

   さあさあ、吐けや。
  それによって変わるんだよ。

 真っ赤な顔で・・・。
 わかってますよ。でも、言葉にしてもらわないとわかりません。

「・・・す、好きです」

  そんな小声で言わないで。
    こっちが恥ずかしいわ!!

「そうですか?では、アリス様のことどう思われますか?」
「えっ?」

 質問が似てますよね~。
 でも違いますよ。

「アリス様は今、クロード様との婚約解消を希望しています。ですので、はっきり言いましてレイン様は邪魔です」
「アメ・・・アーリ、流石に・・・」
「黙っててください。エンリュリッヒ様。ここから去っていただいて構いませんよ」
「す、すまない・・・」

    わかればいいです。

「しばらく見ていましたが、何のためにアリス様の近くでいらっしゃるのですか?
 アリス様の婚約解消はわたしがサポートしますのでご心配ご無用です。
 解消の暁には再び誰かしらと婚約されますでしょう。アリス様は容姿もよく、真面目で素直、好感触の方ですので、次も決まるのも早いかと。
 その際、レイン様の存在はマイナスになります。ですので関わりないようお願いしたいのです」

 さあて、どうでる?

「次の婚約・・・」
「はい。レイン様もアリス様も次期伯爵位を継ぎますよね。好きと言う気持ちだけではどうにもならないですね」
「・・・」

 エンリュリッヒ様・・・そんな微妙な顔をしないでみないでください。

「そんないい方しなくてもいいじゃないのか?」

 うわぁ~、エンリュリッヒ様が突っかかってきた。
 やだなぁ~。
 お前は、夢見る夢子ちゃんか?

「現実を言ったまでです」
「それでもいい方と言うのがあるだろう?!」
「ではどう言えと?好きで物事が解決するなら争いなんて起こりませんよ。馬鹿ですか?」
「なんだと?」
「彼女の為なら全てを捨てれます!!」

 レイン様が叫びました。

 よっしゃぁ、その言葉待ってました。
 わたしのリサーチでは、アリス様も少なからずレイン様を思っているのはわかってます。

 つい、にやけてしまいました。
 あっ、エンリュリッヒ様、気付きました?

 ごほっ。

「そうですか。ではその証拠を見せてください」
「証拠?」
「ええ。これからレイン様がする事は二つ。一つはご両親を説得してください。二つめはわたしの協力をお願いします。それができるようでしたら、あなたの『結び』お手伝いします」

にっこり艶やかに。

 レイン様は覚悟を決めた顔でわかったと言って去っていかれました。












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