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アイリ・マクアリス
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「今更出てきた理由か。聞きたいの?だったら、先にこれにサインしようか」
アル様が言うと、すっとマルクさんが一枚の書類をロディク殿下に差し出した。
「婚約解消の書類だよ。アイリとの婚約は解消だよ。勿論意味はわかるよね。破棄にすると、アイリの経歴に傷になるし、その場合、君の方が有責扱いだもんね」
「なんで俺が有責に!」
「当たり前でしょ。アイリは虐めてなんかいないからね」
「そんなはずはない!!この女が確かにエミリーを・・・」
「へぇ~、魔術研究室の室長の僕を疑うんだ。研究科は研究室の管轄なんだよ。つまり、二年前からアイリは僕の部下って事だよ。さっきクラム君も言ったよね。研究室にいたって。僕も証人の1人なんだけど。
まさかと思うけど、僕が魔術研究室の室長だって事も知らなかだって事はないよね」
「あっ・・・、それは・・・」
「うん、わかってくれたならいいよ」
ロディク殿下は書類にサインしました。
隣ではまだ騒いでいるピンクブロンドちゃんがいます。アル様完全無視です。色仕掛けしようとしても無理ですよ。だって、興味のないものは目にもいれようとしませんから。
「ねぇ、ロディク。そのピンクちゃんの何がいいの?五月蝿くて仕方ないんだけど、黙らせてくれない?」
「エミリー、少し黙ってくれ」
「えぇ~、だってぇ~、こんなイケメンに囲まれたら誰だって興奮するわよ」
「ロディク趣味悪くない?そのピンクちゃん、君だけでなく、いろんな男に言い寄ってるだなよ。ちゃをと調べないと」
「何、出鱈目を?」
「ふぅ~ん、調べてもないのか。まあ、いいけど。好みはそれぞれだもんね」
アル様は書類の不備の有無を確認するとライディン様に渡した。彼はその書類を持って、さっと退席されたのが見えた。
「さてと、僕がここに来た理由だったよね。それはね、ここにアイリがいるからだよ」
「はっ?」
「だって、ニ年前にさ、アイリが研究科にはいってから研究室が面白くなったんだもん」
もん、って、なんですか?もん、って。子供ですか?
「色々、やってくれるんだ。ライディンの書いた観察日誌は面白いんだ。僕の視界が初めて色付いたんだよ。それまではさ、僕って優秀だから特例の十歳で入った中等科も高等科も一年ずつで卒業したし、研究科入っても面白く無いし、研究室室長もウザイだけだったんだよね。それがね、毎日が楽しい物になったんだよ。だからさ、手放したくなくなったんだ。
で、アイリの事を調べたら、まあ、君の悪行が出るわ出るわ。くだらなさすぎて大笑い。アイリは研究ばかりで君の事なんて考えてもないから、また大笑い」
ライディン様の観察日誌?何それ?
やっぱり、皆さんわたしで遊んでたのね。
だからいつもわたしにアル様の無理難題押し付けて、忙しいのによく呼び出しするし、わざとじゃないの。
ゔ~っ、まだ終わらないのかしら。限界間近なのよ。
「だからね、アイリが欲しいって陛下に言ったんだ。僕が次の国王になる、アイリの結婚を認めてくれって。それで父上と賭けをしたんだ」
ロディク殿下は蒼白な顔になった。
「ビックリした?そうだよね。今まで王座に興味が無かった僕が言うんだもんね。でもね、勉強も努力さえも禄にせず権力の上に胡座をかいていたのは君。父上は再々君を諌めたはずだよ。一年間様子を見て変わらなければ、僕が王太子になるって。全く君は変わらなかったね」
「ロディク様ぁ、どう言う事ですかあ?」
エミリーの甘い声だけが響く。
「つまり、ロディクはもう、王太子じゃないってことだよ。廃太子ね。王子としても貴族としてもだよ」
「平民ってこと?やだあ~。あたし王妃様になるって決めてたのに。じゃあ、アルフリード様と結婚したらいいってことよね」
「ごめんね、君みたいな子は興味ないんだ。・・・俺が怒る前に消え去ってね」
「っつ・・・」
「嘘だ、嘘だ、おれが!!」
アル様の冷気が漂ってきます。さすが、魔術研究室の室長だけあって、魔力量もあります、
「そうそう、後ろにいる君たち3人とも、君たちの処分は完了してるよ。君たちの発言で当主は代わりに、君たち自身は廃籍され、平民になったよ。クラム君の兄君はすんごいブラコンだし、マイン嬢の叔母君は隣国の王妃で、マイン嬢を一等に可愛がってたよね。慰謝料払わないといけないかな、覚悟したほうがいいよ」
問題を起こされた方々暴れ出し叫んでいるのが見えた。彼らは衛兵たちによって連れいかれた。
アル様はわたしに声をかけました。
「さてと、アイリ。契約の話をしようか」
アル様が言うと、すっとマルクさんが一枚の書類をロディク殿下に差し出した。
「婚約解消の書類だよ。アイリとの婚約は解消だよ。勿論意味はわかるよね。破棄にすると、アイリの経歴に傷になるし、その場合、君の方が有責扱いだもんね」
「なんで俺が有責に!」
「当たり前でしょ。アイリは虐めてなんかいないからね」
「そんなはずはない!!この女が確かにエミリーを・・・」
「へぇ~、魔術研究室の室長の僕を疑うんだ。研究科は研究室の管轄なんだよ。つまり、二年前からアイリは僕の部下って事だよ。さっきクラム君も言ったよね。研究室にいたって。僕も証人の1人なんだけど。
まさかと思うけど、僕が魔術研究室の室長だって事も知らなかだって事はないよね」
「あっ・・・、それは・・・」
「うん、わかってくれたならいいよ」
ロディク殿下は書類にサインしました。
隣ではまだ騒いでいるピンクブロンドちゃんがいます。アル様完全無視です。色仕掛けしようとしても無理ですよ。だって、興味のないものは目にもいれようとしませんから。
「ねぇ、ロディク。そのピンクちゃんの何がいいの?五月蝿くて仕方ないんだけど、黙らせてくれない?」
「エミリー、少し黙ってくれ」
「えぇ~、だってぇ~、こんなイケメンに囲まれたら誰だって興奮するわよ」
「ロディク趣味悪くない?そのピンクちゃん、君だけでなく、いろんな男に言い寄ってるだなよ。ちゃをと調べないと」
「何、出鱈目を?」
「ふぅ~ん、調べてもないのか。まあ、いいけど。好みはそれぞれだもんね」
アル様は書類の不備の有無を確認するとライディン様に渡した。彼はその書類を持って、さっと退席されたのが見えた。
「さてと、僕がここに来た理由だったよね。それはね、ここにアイリがいるからだよ」
「はっ?」
「だって、ニ年前にさ、アイリが研究科にはいってから研究室が面白くなったんだもん」
もん、って、なんですか?もん、って。子供ですか?
「色々、やってくれるんだ。ライディンの書いた観察日誌は面白いんだ。僕の視界が初めて色付いたんだよ。それまではさ、僕って優秀だから特例の十歳で入った中等科も高等科も一年ずつで卒業したし、研究科入っても面白く無いし、研究室室長もウザイだけだったんだよね。それがね、毎日が楽しい物になったんだよ。だからさ、手放したくなくなったんだ。
で、アイリの事を調べたら、まあ、君の悪行が出るわ出るわ。くだらなさすぎて大笑い。アイリは研究ばかりで君の事なんて考えてもないから、また大笑い」
ライディン様の観察日誌?何それ?
やっぱり、皆さんわたしで遊んでたのね。
だからいつもわたしにアル様の無理難題押し付けて、忙しいのによく呼び出しするし、わざとじゃないの。
ゔ~っ、まだ終わらないのかしら。限界間近なのよ。
「だからね、アイリが欲しいって陛下に言ったんだ。僕が次の国王になる、アイリの結婚を認めてくれって。それで父上と賭けをしたんだ」
ロディク殿下は蒼白な顔になった。
「ビックリした?そうだよね。今まで王座に興味が無かった僕が言うんだもんね。でもね、勉強も努力さえも禄にせず権力の上に胡座をかいていたのは君。父上は再々君を諌めたはずだよ。一年間様子を見て変わらなければ、僕が王太子になるって。全く君は変わらなかったね」
「ロディク様ぁ、どう言う事ですかあ?」
エミリーの甘い声だけが響く。
「つまり、ロディクはもう、王太子じゃないってことだよ。廃太子ね。王子としても貴族としてもだよ」
「平民ってこと?やだあ~。あたし王妃様になるって決めてたのに。じゃあ、アルフリード様と結婚したらいいってことよね」
「ごめんね、君みたいな子は興味ないんだ。・・・俺が怒る前に消え去ってね」
「っつ・・・」
「嘘だ、嘘だ、おれが!!」
アル様の冷気が漂ってきます。さすが、魔術研究室の室長だけあって、魔力量もあります、
「そうそう、後ろにいる君たち3人とも、君たちの処分は完了してるよ。君たちの発言で当主は代わりに、君たち自身は廃籍され、平民になったよ。クラム君の兄君はすんごいブラコンだし、マイン嬢の叔母君は隣国の王妃で、マイン嬢を一等に可愛がってたよね。慰謝料払わないといけないかな、覚悟したほうがいいよ」
問題を起こされた方々暴れ出し叫んでいるのが見えた。彼らは衛兵たちによって連れいかれた。
アル様はわたしに声をかけました。
「さてと、アイリ。契約の話をしようか」
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